サンタの災難 〜短編〜
正直に言おう。
最近の俺は、夢を運ぶサンタというより、雪を運ぶ作業員だ。
朝は家の前の雪かき。
夜は車に乗って、延々と続く雪道の除雪。
白いヒゲも赤い服も、もう雪と同化している。
そんな毎日で、ふと空を見上げた。
「……どこか、暖かい場所に行きたい」
思い立ったら即行動。
俺は空港へ向かい、飛行機に飛び乗った。
行き先は――カリフォルニア。
太陽、青い空、そしてビーチ。
雪の代わりに波を相手に、人生初のサーフィン。
赤い服のまま波に乗るサンタは、たぶん世界初だろう。
その勢いでジムにも行った。
クリスマス前は体力勝負だ。
トナカイに負けていられないからな。
夜になり、プレゼントの仕入れのためにATMへ。
必要なのは、大量の現金。
袋いっぱいに詰め込んだプレゼントと一緒に、店を出た――その時だった。
「ちょっといいですか?」
警察に呼び止められた。
どうやら、深夜に大金と怪しい袋を持つ老人は、
サンタではなく「危険人物」に見えたらしい。
気づけば取り調べ室。
数時間後、まさかの展開。
裁判。
俺はただのサンタだ。
プレゼントを配る側で、奪う側じゃない。
……そう主張したが、結果は有罪判決。
ノリノリで始めたはずの旅行は、
まさかの最悪エンディングを迎えた。
教訓?
サンタは、
雪国から出てもトラブルからは逃げられない。
今年のクリスマス、
俺はちゃんと帰れるんだろうか。




