表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/42

31:聖じょ…………げふん。

 



「やっと来たか。待ってたんだぞ?」

「ジョンおじさん! ご無沙汰しておりました」


 深々と礼をすると、そんなに畏まらなくていいと言われてしまいました。


「それよりも、ほら! このまえ王都に出かけてな! オリビアちゃんに似合いそうな服を仕入れていたんだよ」

「まぁ!」


 この辺りの方々は、基本的に機能性重視なので、ブラウスとスカートやズボンといったセパレートタイプの服装です。ですが、王都の若い子たちはワンピースなどを着ていることが多いのです。

 私の元々の持ち物もワンピースが多かったことと、着慣れているので、ワンピースを欲しがっていたことを覚えてくださっていたようです。


「ちょうど冬物があったから、村の奴らも欲しがるだろうと色々と仕入れてきたんだよ」

「まぁ! でも皆さん、機能面重視だと言われていましたけど……」

「あぁん? あいつら本当はオリビアちゃんみたいな格好をしてみたいって言ってたぜ?」


 それなら、仕入れしてきて売れ残ってしまうとかはないかも? 私のせいでジョンおじさんが損をしてしまったのなら、大変申し訳なく思ったのですが……。


「んーなもん、気にしすぎだよ! 全く、聖じょ……んんっ、ゲホッ。オリビアちゃんは優しいなぁ」


 いま完全に『聖女』と聞こえました。もしかしてジョンおじさんというか、この村にもバレバレだったのでしょうか…………。


 ちょっとドギマギしつつ、冬用のニット製ワンピースを選びました。コート、マフラーや手袋などは、私とセシリオ様の両方の分を。

 別のお店に移動して、薪などを買い求めつつ、冬の準備をどのくらいしておいたほうがいいか聞きました。


「そうだねぇ。今回ので一週間分よね?」

「はい」

「雪で道が閉ざされる場合もあるからねぇ。二ヵ月分くらいは貯めといたほうが良いと思うわよ」

「二ヵ月分ですか」

「あぁ、オリビアちゃんとこの近くには薪向きの木は生えて無いしねぇ。それに今からじゃ乾燥が間に合わないだろう?」


 まだ冬前だからそんなに値上がりもしてないし、注文しておけば二週間くらいで用意できるとのことでした。

 ちょっと大きな出費にはなりましたが、いざという時になくては本当に困るので、先払いで注文を済ませました。


 そしてやっぱり、なんとなく住んでいる場所が荒廃の砂地だとバレているような気がします。というか、ほぼ確定風に話されていました。

 だけどやっぱり、皆さん明言は避けてくださるので、私もそれに乗っかっておこうと思います。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ