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3:お風呂事情。




 三日に一度、近くの村で食料や水、薪などを手に入れて、砂漠に戻るという生活を二週間ほど続けていました。


「あっ!」


 朝起きて外に出ると、井戸の周りの砂地が少し土っぽく変化していたのです。もしやと井戸に桶を垂らしてみると、まだ少し濁りはありましたが、水が溜まっていました。


 これならもう一週間程度で飲める水になるだろうと予測して、買い出しに出かけることにしました。

 今回は、農作物の種なども一緒に買ったので流石に怪しまれるかと思ったのですが、特に気にされることもありませんでした。

 なぜに? 結構不審な気がするんですけどね? まあいいですが。


「育て方でなんか困ったら、あそこの爺さんに聞くといいよ」

「ありがとうございます!」


 なぜかこういった気遣いまでもしてもらえます。ここらへんの村の方々は優しい人たちばかりで、とても心が温かくなります。


「おじいさん、あそこのお店の人に紹介されたのですが、今の時期に植えていい種はどれでしょうか? もしよろしければどんなふうに植えたらいいなどありましたらお教えくださいませんか?」

「お……! おお! ええっと、()()で育てやすいのは人参じゃな――――」


 種を植える間隔や覆う土の量など、細かに教えてくださいました。他におすすめの種なども教えてもらい、商店に戻って再度購入してきました。

 本当に、皆様すごくすごく優しいのです。




 それから一週間ほどして、井戸の水が完全に飲めるものへと変化していました。それと同時に、砂地の地面がかなり土の様になっており、うっすらと草も生えだしていました。

 教会で雑草が生えるのが早すぎるとか、よく聞いていました。何となくそんな予感がしていましたが、やはりあれもこれも私のせいでしたね。ちょっと申し訳ないです。


 水が常時手に入るようになったので、湯船に水を張りお風呂を沸かすことに決めました。

 

「っ、わっ!」


 桶で何度も何度も水を運び、家の通路を少し濡らしたりしつつ、段々とコツを掴みました。

 そもそも満杯にして運ぶからいけないのですよね。

 六分目くらいでぐっと我慢です。

 

 お水をためたら、薪で湯沸かしです。

 家の裏手がお風呂場に面しており、壁面に薪ボイラーが設置されています。薪に火を点けてしばらくしたら屋内に戻り、お湯の温まり具合を確認し、火力の調整。

 数度繰り返し、やっとお風呂タイムです。


「ふぁぁぁぁ、気持ちいい」


 両手両足を伸ばして、温かいお湯に浸かる。身体は濡れタオルで拭いていたし、髪もちゃんと洗っていたけれど、やっぱり湯船は格別でした。

 水を運んでお湯を沸かすのは本当に一苦労でしたが、これからは毎日でも入りたいですが、流石に大変ですし水も大切に使いたいので、二日に一度で時々半身浴で我慢くらいがちょうどいいのでしょうね。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

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