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ロストソードの使い手  作者: しぐれのりゅうじ
ホノカ編

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六十七話 祈り手の朝

 久しぶりのコノとの添い寝で、明日の緊張からか起きた時は寝た気がしない、ずっと半覚醒していたような感覚で起床した。重い瞼を開けると隣にはもうコノはいなくて、ホノカの部屋で一人残されていた。


「い、今って……」

「あ、おはようございます、ユウワさん」 


 まさか寝坊したのかと眠気が吹っ飛んだすぐ後に祈り手の服である緑のミニスカ巫女服姿のコノが戻ってくる。いつでも大丈夫というように、長い髪は綺麗に整えられていて、当然あのヘアピンも付けていた。


「おはよう。儀式は……まだだよね」

「はい。今日の夕方からです。だからまだゆっくり寝ていても大丈夫ですよ」

「……そうしたかったんだけど、寝坊したのか焦って眠さがなくなっちゃった」

「でしたら、ユウワさんの朝ご飯がもうあるのでまべますか? コノ達は先に食べました」

「そうするよ」


 僕は寝巻きであるモモ先輩が描かれてる服から瞬時に、改造された制服に着替えた。


「ユウワさん、今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ。コノ、頑張ってね」

「はい! ユウワさんの応援で百人力ですよ!」

 コノは可愛らしくガッツポーズを取って、自信を見せてくれた。


*


「おぬしか。昨晩は眠れたか?」

「不足はしていますけど、眠れはしました」

「今日は、この島の安全にまつわる重大な日だ。それに、恐らくは奴らも姿を現すだろう。準備はしっかりするのだぞ」

「はい」


 朝食を食べ終えた当たりで、オボロさんが大部屋に来て、僕の向かい側に座った。

「オボロさん、ごちそうさまでした。美味しかったです」

「お粗末様。量は足りたか?」

「もう満腹で、元気が出ました」


 いつもと変わらない味で、バランスも多分いいと思うし、十分に胃に入れることが出来た。


「うむ。食器は後でこちらで運んでおく。それと、ホノカが呼んでいたから一度彼女の部屋に戻ってくれ」

「わかりました、ありがとうございます」


 僕は立ち上がり部屋を出ようとする瞬間にオボロさんに呼び止められて。


「おぬし、祈り手の事もそうだがホノカの事もよろしく頼んだぞ。あの子の未練を断ち切ってくれ」

「……必ず断ち切ってみせます」


 昨夜に別れを言い合ったのだろうか。オボロさんはもう覚悟が決まっているようだ。僕もその期待に添えるよう、そう口にして退路を断った。


*


「おはよう、ホノカ。用があるって聞いたんだけど」

「ユウワ、おはよう。まぁ用ってほどのものじゃなくて、ちょっと話したかったんだ」


 ホノカもコノと同様に赤色のミニスカ巫女服を着ていて、ヘアピンもしっかりと付けている。表情は多少硬さはあるもののいつもの様子でいて。


「オレさ、じいちゃんは侵入は難しいって言ってたけど、あいつらは来るんじゃないかって考えてるんだ」

「でも、周囲には凶暴な魔物の障壁があるんだよね。それに、そこ以外は村の警備も強くなって簡単には侵入できない」

「それはそうなんだが、同じ半亡霊だから、わかるんだよ。この状態ならどんな強い攻撃にも耐えられる、そんな気がするんだ」


 確かに、ギュララさんもアオの攻撃を余裕で耐えていた。彼の方が強いだろうから単純に比較はできないけど。


「仮に無理でも、大人数でいけばいける、そう考えて特攻してくるかもしれない。だからユウワ、油断せず戦闘の準備はしっかりしろよ」

「わかってる、コノもホノカも守ってみせる」

「オレも……か。ははっ、頼りにしてるぜロストソードの使い手さん」


 八重歯を見せて照れが混じった笑顔を浮かべた。そこには活発な可愛らしさが多分に含まれていて。


「それとだな、未練に関してもよろしくな。オレは今日、この霊の生活を終わらせる」

「……ホノカ」

「今日、オレは祈り手の仕事を終えたらコノハに告白するんだ」


 そうキリッとした表情でホノカは典型的な死亡フラグゼリフを言い放った。でも、ホノカの場合はもう霊だから適応されない気がする。


「だからしっかりと見とけよ。全力でぶつかって敗れ去るオレの姿を!」

「見届けるよ、ホノカの頑張りを」

「ああ!」


 負け戦だというのに、勝ち気で快晴のような明るさでいた。そこにはホノカの強さが溢れていた。


*


 ホノカはまたコノの部屋へと戻っていってしまい、一人になる。そうすると必然的に色々な考えが巡り出す。特に、来るであろうマギア解放隊に対してどうするかは悩ましい。もし来るなら、本気で命のやり取りをする事となる。彼らの未練を断ち切ることなく倒す、それを躊躇なくできるだろうか。強襲を受けて、すぐに駆けつけてコノ達を守りきれるだろうか。不安は尽きなくて。


「……そうだ」


 一つコノが襲われた時に役に立つ物を思い出す。しばらくリュックに入れっぱなしだった。あれなら時間稼ぎができるはずだ。

 僕はリュックからそれを取り出して早速コノに渡しに向かった。

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