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ロストソードの使い手  作者: しぐれのりゅうじ
ホノカ編

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四十八話 襲来

 村での生活三日目、四日目そして五日目と僕は学び舎へとコノに付き添って、放課後にはホノカと共にトレーニングをするという日常を繰り返した。その間にはアクシデントは何一つなく、単調な時間が流れた。

 それから六日目となり、僕はいつものと言ってもしっくりくるようになった学び舎からの放課後とトレーニングのサイクルをこなしていた。


「初めて勝てた……」

「まっ、他は全部オレの勝ちだけどな」


 今日も行った対決で、最後の戦いでようやく白星を飾った。何度もやっているとホノカの攻撃の予備動作や足の運びを覚えていて、それに合わせて行動を選択できるようになってきていて。次も勝てるようなそんな活路が見いだせていた。

 ホノカは一回だけの敗北でも凄く悔しそうにしていて、それを隠すように勝ち誇っている。


「ホノカがそんなに悔しそうにしてるの久しぶりに見たなー。もう村の中じゃ上の方だもんね」

「……確かにそうだな。それに何か死んじまってもこんな気持ちになるんだって、ちょっと変な気持ちする」


 二人の会話を聞きつつ、その気持ちが何か未練に繋がっていないだろうかと考えた。例えば、あのウルフェンにリベンジしたいみたいな想いがある可能性も無くはないだろう。

 この数日間で二人とは仲良くなれたと思うけど、本当の未練についてはまだわかっていなかった。正直、半亡霊状態だから早めに解決したいのだけど、問い詰めることもできなくて、話してくれるのを待つしかないため歯がゆさもあって。しかも、二人と長く過ごすほど、ロストソードで断ち切って別れさせづらくなってもいた。


「ヒカゲさん、難しい顔をしてどうしたんですか?」

「あ、いや。何でもないよ。ちょっと疲れちゃっただけ……ってうぉ」


 思考の沼にはまっていたせいで、いつの間にか至近距離にコノがいたのに気づかず心臓が跳ねた。


「結構お疲れみたいですね。明日はお休みの日で学び舎もないので、ゆっくりしましょうね」

「そうするよ。ホノカもそれでいいかな」

「いいぜ。つぅかそのつもりだったしな」


 コノの回復魔法のおかげで身体の疲労は大したことはないものの、実際精神的な疲弊は少なからずあったので助かる。

 一旦それで話を終わらせ、僕達は荷物を持って家路につくことにした。

 もうそろそろ夕暮れになるので家に戻る村人と多くすれ違う。神木がある広場にはもう人はいなく、僕たちだけだった。


「じゃオレはここで……」


 神木前でホノカが立ち止まる。そして別れの言葉口にしようとした、その時に。


「奴らが来たぞー!」


 南の方からそんな叫び声が聞こえた。緩やかな日常は一変して危険な非日常へと。


「いやぁ……」

「早くコノ家に……」

「待て、囲まれるぞ」


 東側から二人のウルフェンが姿を現した。さらに後ろの西側からも同じくもう二人がいて。それを見たコノは僕とホノカの間で身体を震わせて顔を青くさせていた。


「さっきまでいなかったのに」

「多分、周囲の森から柵を越えて来たんだろ。だが森には凶暴な魔獣が大量にいて、無事にいられないはずなんだが……」


 彼らを観察するも、大した傷も見受けられなかった。違和感としたら何だか少し儚げな感じはするくらいだろうか。


「そこをどけロストソードの使い手」

「悪いけど、彼女は殺させない」


 僕はロストソードを手にして、剣先を二人に向けた。


「赤の祈り手……死してなお邪魔するか」

「当たり前だろ。悪いが負けたままあの世にいってたまるかよ」


 反対側ではホノカが相手と向き合っている。やはり未練は復讐なのか、そんな事を思っていると南側からまた一人のウルフェンがやってきて。


「全く面倒だな。あの日に殺しておくべきだったぜ」

「……まさか」

「よぉロストソードの使い手。あの時は世話になったなぁ」


 その姿と声はしっかりと覚えていた。現れたかウルフェンは僕よりも一回り大きく、黄色い鋭瞳を持ち虹色の鉢巻を巻いている。

 そう、その正体は初めてこの島に来て戦い、グリフォドールに連れ去られた人だった。

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