復讐のアミューズ
俺はミサを抱え馬小屋を出た。そして、村長のところに連れて行くと村長と俺の母のオトネ=アルビィノースそして、片腕の無い短髪の黒髪に革の羽織にタイトな黒ズボンを履いている。ここらへんでは見ない服装の20代後半の女性が立っていた。ミサをベットに置いてから地下の村長の会議室に来るように指示され、それに従い地下室へと向かった。
地下室に着くと村長に4人掛けテーブルの空いている席に居るように促されその席に座る。多少の沈黙を破ったのは初対面の女性だった。
「この少年は王都に行くに値しない。」
「なぜですか?」と母が問う。
「それを今から説明する。ノアがミサを抱えてミサの部屋に行っている時私の鑑定眼で彼のステータスおよびスキルを覗いた。彼の持っているスキルは料理だ。賢者ではない。」
俺はそれを聞いた瞬間鳥肌がたった。スキル料理は前々世で俺の相方の使っていた実質勇者よりも最強のスキルだったから。
「じゃあ、本当に前々世の記憶を持って生まれてきたというのか?にわかには信じられん。」
「その説が一番可能性が高い。しかし、この最弱のスキルでは王都に入るのは不可能だ。」
「もし、最弱のスキルではないことを証明できれば王都に入れるのか?」
「少年、頭が高いぞ。私は貴族で軍の中では5本の指に入るほどの実力を持ち合わせている。そんな私に最弱スキルではないと証明するのは不可能だ。」
「証明できたら王都に連れてってもらえると?」
「構わん。お前が私に勝てたら王都の学校への招待状および男爵の勲章を授けよう。」
「では、3日後の12時ごろこの村の外れの森で実践的な勝負をしよう。楽しみにしてるぞ。」と言って村長の家を出て行き朧月が微かな光で照らす中、王都の方向へ歩いて行った。
俺は母と一緒に家に帰り寝床についた。
王都 王城にて
「国王陛下ご報告があります。」
「よかろう。話してみろ。アラム=ネクターク」
「3日後に下民との勝負を行うこととなりました。その上でもし私が万が一負けに屈することがあれば、その下民に男爵の勲章と王都の学校への入学を条件としてよろしでしょうか。」
「よかろう。しかし、珍しいなお前がそんなに目にかけるようなげ民がいるとは」
「不可解なものを持ち合わせておりまして。」
「不可解な?まあいい。良い報告を楽しみにしている。」
「失礼します」とアラムは王の部屋から出ていく。
「メルス。アラムを追跡し、アラムが負けそうになったら両方とも殺せ。これは私からの命令だ。」
その応答に応えるメルスは不敵な笑みを浮かべていた。
2日後、俺は母と一緒に父のいない初めての朝食を迎えていた。
前日は朝から村長と母を交えてこの世の秩序について話していた。勇者がいて民のために死んでいったという事になっていた。そして、前々世から変化したことが多数あった。魔法は弱体化していた。教育という檻に閉じ込めて魔法は弱いものだと思い込ませていた。また、カーストという身分制度があり身分が下の者が上の者に対して逆らえない秩序がこの世に書き加えられていた。この制度によって身分の差が時間をかけて拡大し外民と貴族が生まれた。
「箸すすんで無いけどしょっぱくない?」
「いや、そういうわけじゃない。考え事してただけ。」
食器に箸が当たる音だけがこの朝食を包み込んでいく。普通に接してくれているが夫が死んでかなりショックだったはずだ。正直気まずい。ここは、朝食を食べ終わったらすぐに外に出て明日の戦闘に向けて準備しよう。俺はさっさと朝食を食べ終え外に出て行った。村の中では目が気になるため少し危険が伴うが森に足を踏み込もうと思い村の外に出て行った。
森に入ると昔とは違い森は静寂に包まれていた。森は魔界との境目でもある森をに抜けたらそこには魔界がありその森を出たところで聖戦が起きていた。俺はその静寂に包まれた森を進み5分ぐらい経って小川が見えた時森が静寂たる理由を目の当たりにした。
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