JOB.10:東ノ果テヘ。
とうとう、第10話まで来ましたね(^^)
起承転結でいうと、もう転から結の部分にはいますね。
あと少し、です。
もう少し御影たちにお付き合いください<(_ _)>
――逢魔ヶ刻。
御影を筆頭に、三人は魔都の外れに来ていた。
〈玖刻〉東端の山間部には、既に冷気が浮き始め、呉竹をさわりさわりと揺らしている。
緑の壁を切るように敷かれている石畳。
〈魔絡魔堂〉への、唯一の道。
其処は、既に蠢く闇に包まれている。
石畳に、等間隔に建っている篝火だけが頼りだ。
御影たちは、二重の五行結界を崩さないように慎重に潜り、石畳を緊張気味に歩いている。
静香は終始俯きがち。
顔色は何時にも増して青白い。
「…ホント、気が滅入る仕事」
飛鳥がうんざりとした口調で、ぼやく。
「仕事です。割り切りましょう」
御影が黒の短外套を翻しながら返す。
学帽の鍔下から覗く瞳は、何よりも冷え切っている。
――其処で。到頭。
――闇が動いた。
呉竹が激しく軋み、篝火の焔がちらちらと揺れる。
「雑魚共のお出ましか」
飛鳥の瞳に攻撃的な光が宿る。
闇に霞んだ竹林からのそのそぐずぐずと姿を現したのは、二匹の、醜い甲蟲だった。
しかし、その大きさは常識の範疇を遥かに越える。
人一人分の背丈はある、闇に犯された大きな蟲だ。
甲殻を篝火の焔で妖しく光らせ、きりきりきちきちと小煩い鳴声を発する。
「〈風斬斑猫〉に、〈蠕動百足〉か」
御影たちが言う〈怪現象〉というものは、〈現象〉とは性質が異なる。
様々な要因が重なり具現化する〈現象〉とは違い、〈怪現象〉は速効性で繁殖に富む。
異様に感染率が高いのだ。
それに加え、単発で指向性を持つ攻撃的なものが多い。
害虫のような存在である。
「これくらい、淳一郎の手を煩わせる事も無ェな」
洋杖を抜こうとしていた御影を制し、飛鳥は一歩前に出る。
煙草の煙が後ろに流れる。
風が、出てきた。
「さぁ、出番だよシスター」
飛鳥は、言葉を風に乗せ、楽しげに笑った―――




