JOB,1:始マリハ路地裏デ。
ジャンル的には…怪奇とのバトルアクション、でしょうか?(人に聞くなよ(^_^;))
ですが、ちゃんと他の要素(例:笑い、ラブなど)もありますのでご安心ください!
昔の雰囲気が出せれば良いなと思います。
文体には、どうしてもモダンが混じりますが、ご了承ください。
それでは、共に魔都を駆け抜けましょう――!
時は大正、魔都〈玖刻〉。
其処には、夜な夜な奇怪が蔓延り、異形が跋扈していた。
これは、そんな魔都を駆け抜けた、ある学徒生のお話。
◆
赤煉瓦で舗装された道が、瓦斯灯で仄かに照らされ、
浮かび上がり始める時の刻。
人通りの少ない路地を、一人の青年が歩いていた。
身に纏う学帽、制服、短外套は全て黒。放って置けば、
いずれは薄闇に溶けてしまいそうな雰囲気。
こつこつと高らかに足音を響かせながら、
青年は路地を闊歩する。
その端正な顔は、人形のように無表情である。
――青年が立ち止まった。
空に籠める雲の隙間から姿を現した欠け金鏡、いわゆる三日月が彼のいる一角を静かに照らす。
月光によって隔離された路地の闇が、低くざわめいた。
それ自身が生物であるかのように、ぶるぶると蠢動する。
それを黙って眺めていた青年に、生気が宿った。
黒檀色の双眸は炯々と輝き、その口角はゆっくりと頭上の三日月を形作る。
「醜悪な怪奇譚なんて、この街にはいらないんですよ」
冷徹な、全てを押し殺したような声。
学帽を深く被り直し、青年は蠢く闇に一歩踏み込む。
――刹那、闇が膨張した。
「――劉黒杖」
ずしん、と大気が大きく震え、空間は歪み、
みしみしぎいぎいと不快な音を上げ、軋む。
「表の〈現象〉は間家に、裏の〈怪現象〉は御影家に」
青年の淡白な声が、闇の中から零れる。
その間も闇は、しゅるしゅると絶え間なく蠢く。
「御影流古典断怪術――」
声には嘲笑の響き。
其れは、死の宣告。
「廻天」
煌く紫電が真円を描き、闇が、内側から破裂するように、
轟音と共に、四方に霧散した。
優しい月光が、路地の全てを照らし出す。
再び姿を現した青年は、能面のような表情のまま。
しかし、以前と違うところが。
その手には、一振りの杖が握られていた。
英国紳士が持つような黒塗りの洋杖を手に、
青年は闇が消えた路地を後にする。
青年が去った後、路地には血に塗れたように朱い、
桜の花びらが、ひらひらと、宙を優雅に舞っていた――
さて、これからこの青年の仕事が始まります。
この青年は一体何者なのか?
あの杖は一体何なのか?
青年が倒した闇の正体は?
そして、今から、何が始まるのか?
全てが分かると時が来るような、そんな物語。
書けたら良いなと思います。




