ヴェディーユの配下蹂躙~魔人風景~
獣タイプの魔物の首が飛び跳ね、胴体が分裂し、肉片が宙を舞う。そして死体はアイテムボックスに回収される。
それは一瞬のことで、辺りは血の霧が漂い、死の空間となった。空から見ていた魔人は何が起こったのか理解出来るはずもなく、ただ唖然として状況を見ていることしか出来ない。
「は? ……一体、何が?」
その台詞を発しった魔人はアイテムボックスとアイテムボックスに挟まれ潰れて死んだ。当然、死体はアイテムボックスの中に入れた。
その異常な光景を見た他の魔人は一旦、距離を置こうとして後ろに下がろうと……上空へ上がろうとする。が、アイテムボックスに弾かれ、地面に叩き落とされた。
意識の外からの攻撃。魔人であっても意識が混濁する。その状態で周囲を確認するため頭を上げ、状況を理解しようとしてみた。
--目の前には『死を司る』デーモンが4体いた。そのどのデーモンもスケルトン、ゴーストなどの死霊系統に属し、物理攻撃・魔法攻撃に対し圧倒的耐性を持つ。ただでさえデーモンは耐性が高いというのにそれに加え、このデーモン4体は状態異常攻撃無効で神聖属性か炎属性の攻撃でないと攻撃は効かない。
こいつらがまだ目の前にいる。なら、勝てる。
「やれ! その二人をころ……」
指示を出し始めた時にはもう、そのデーモン4体の姿が消えていて、代わりにそのデーモンがいた位置に謎の黒い空間があった。
「へ? な、なにがーー」
その魔人の疑問からとっさに出てきた声は続くことはなかった。アイテムボックスに頭を潰され、死体となった身体が収納されたから。
--ある魔人は『地面に叩き落とされた』ということがすぐに理解できなかった。下がろうとしたら地面に寝ていた。そんな状態。ただ上空から落とされ地面に追突したくらいじゃ魔人は死なないし、たいしたダメージにもならない。
だが、何故自分が地面に伏しているのか分からなかった。そして顔を上げたら蹂躙が始まっていたことに気付く。
デーモンの。
真っ赤な敵(相手)に向かってデーモンが両手で剣を握って振り落とす。デーモンのサイズは敵の4、5倍大きい。そしてその振り落とした剣は敵の2倍以上大きく、到底防ぎようもない攻撃に見える。
が、次の瞬間にはデーモンの剣が腕ごとが吹き飛んでいた。そして敵がデーモンの胴体に手を添えたと思ったらデーモンの上半身が弾け飛び、その衝撃に煽られて下半身が後ろに倒れ込む。
その光景を目にした魔人はその敵と目が合った気がした。そう思った時にはもうその魔人の瞳には光は映っていなかった。
魔人の中で誰一人としてこの結果を予想し、理解することが出来るものはいなかった。
次話は来週金曜17時投稿




