アイテムボックスでダンジョン攻略(蹂躙)1日目~ただし、2日目はない~
(なっ、この女、俺にツッコミをさせただと!?)
俺は驚愕した。だが、まぁ、いい、
魔石を拾おう。アイテムボックスの範囲外はレヴに拾ってきて貰うとして…。
いやぁ、それにしても武器を使ってこの数のモンスターを倒すってのは気持ちいいね!
あの『冒険譚』のように敵に囲まれ、足手纏いを庇いながら己の武器を使って切り抜ける。ってのが再現できたな。
「誰が足手纏いよ!誰が!」
うおい、心の声…ってか、ナレーションにツッコミを入れるなよ。レヴ。
「心の声って…、マスター口に出してたじゃない。」
「え!?マジ?」
俺は驚愕した。だが、まぁ、いい。レヴだしな。呆れたようにレヴは言うがどうでもいい。ほら、さっさと拾えレヴ。と、ナレーションで命令してみた。
「いや、もうこの際、奴隷なのは諦めるわよ。命令されるのも諦めるわよ。ただ、ナレーションで命令はなんかムカつくらからやめくんない!?」
はいはい、わかったよ。と言いたげな顔をする俺、そして不満げでツッコミをしたそうな顔をするレヴ。とりあえず魔石回収をして、モンスターハウスを出る。
「ここは何層だ?レヴ。」
「知らないわよ。マスターがわざと転移トラップに掛かったのが悪いんでしょ!?…中層くらいのどっかじゃない!?」
イラつきながらも呆れ声でおおよその場所を教えてくれた。やっぱ、異世界のことは異世界人に聞くのがいいな。
「レヴ、今日の目標はとりあえずこのダンジョンの制覇だ。とっとと行くぞ。」
「…はぁ!?バカじゃない!?無理でしょ!バカでしょ!不可能でしょ!」
ダンジョンとは浅いもので20層あり、深いと100層以上あるとされている。深い100層超えダンジョンは未だ最深部に到達したものはいない。そんな中、このダンジョンは50層の中級者用のダンジョンだ。
通常、50層前後のダンジョンは4人パーティーが一月から一年かけて攻略されるものである。5層ごとにチェックポーターがあり、そこから入口まで転移できるし、入口からチェックポーターまでの転移も可能だ。そのチェックポーターを活用して5層づつ攻略するのが一般的である。
それをこの男は今日1日で攻略する発言をした。レヴが荒ぶり、罵る気持ちもよくわかる。だが、この男には関係ない。アイテムボックスがあるからだ。
この先のアイテムボックスの使い方を見れば何故これ程の自信があるのか、何故アイテムボックスでダンジョン攻略を1日で済ませることができるのか、それがわかる。
それは-----。
俺達はわずかモンスターハウスを出てから数時間で最深部・第50層ダンジョンラストボスの部屋の前にたどり着いた。
次は明日の15時投稿




