表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密~私の秘密の三角関係~  作者: 環すのこ
3/5

3

 湊先輩の家から、帰ってきた。

 私はすぐにお風呂場へ直行してシャワーを浴びる。湊先輩としたこともお湯と一緒に流したくて。流れてほしくて。


 長めのシャワーを終え、自分の部屋へ向かう途中、お母さんに声をかけられた。


「優ちゃん。おかえり。ご飯は? いる?」


 朝帰りした娘に対する第一声がそれって親としてどうなんだろうって思うけど、私としてはありがたかった。


「いらない。寝るから、起こさないでね」


 これ以上話しかけられないように、急いで部屋へ入った。ベッドに横になると私はすぐに眠ってしまった。


 目が覚めた私は、スマホで時間の確認をする。もう13時か……結構寝たのにまだ体が怠かった。このまま二度寝をしようか悩んだけど、小腹も空いたからご飯を食べたらもう一度寝ようと決めた私は、居間へ向かった。


 居間に入ると、そこには何故か朱里が居た。しかもご飯を食べていた。


「おばさんの料理はおいしいから、何度でも食べたくなっちゃうよ」

「ありがとう。なら、朱里ちゃんも娘になる?」

「いいの? ママー」

「あらあら。二人目の娘は、随分甘えん坊さんね」


 朱里はお母さんに抱きついた。


「朱里、何で居るの?」

「……ちょっとね」


 快活な朱里にしては珍しく煮え切らない返事。チラッとお母さんの方を見た。

 お母さんがいる所で、あまり触れられたくなかったのか、わざとらしく話題を変えようとする。

「それより、おはよう優奈。休みだからってこんな時間に起きたら駄目だよ。夜更かし?」

「……ちょっとね」


 私も敢えて朱里と同じ返しをする。

 朱里が何も言うつもりないんだったら、私も何も言わないよっていうアピールだ。いや、私の夜更かしの原因は正直に言えないけど。私のアピールに気付いたのか朱里はムッとする。


「優奈の部屋に行ってもいい?」

「いいよ」


 ご飯食べたかったんだけどな……。

 私は、朱里と一緒に部屋へ戻ってきた。私たちは並んでベッドに座る。

 朱里は視線をキョロキョロさせ落ち着きがなくなっていた。

 どうしたんだろう。こんな朱里は初めて見た。


 ……いや、初めてじゃない。前にも一度あった。


「あのね。こんなこと優奈にしか相談できないの」


 言葉も一緒だ。そして、震える小さな手で私の手をギュッと握るのも。

 そう、あの時は


 湊先輩が好きだって


 相談されたんだ。


「湊先輩、浮気してるかもしれないんだ」


 相談内容は全然違うけど、前の相談の時と思ったことは一緒だった。


 聞かなきゃよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ