来訪者
はじめましての方は、初めまして
というのも、実は私 YouTubeの方でストーリー物の動画を投稿していたりします。
https://www.youtube.com/channel/UCPIs_4eGTKNYQybjNXUoT6Q?view_as=subscriber ←ここ
まぁ、興味があったら見に来てください!!
さて、今回のお話はもうすでに動画として投稿し好評(?)だった【弾幕と黄昏クラフトZERO】を小説化してみました!!
拙い文章ですがよろしくお願いします!!
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~鐘が鳴ったら外に出てはならない~
妖々跋扈 百鬼夜行 怪怪奇奇 異形の類がのを跋扈する・・・
弱き凡骨に勝つるすべなし
~日が暮れる前に祠に入ってはならない~
祠といっても洞窟のようなものなのだが・・・
これは、先人が村の結界に綻びが出来たときに、異形達から人々を護るためのものである。
「ちなみに、日照センサーで動いているため夜になると自動で入口が閉まります。つまり出れなくなります。」
以前掟を破り、閉じ込められて出れなくなったという青年が喜々として語っていた・・・
~何があっても、あの門を超えてはいけない~
この門の向こ賛は、妖譁�縺怪代まう繧ソ繝シ繝ウ讖溯�繝サ遐皮ゥカ
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第1章 来訪者
桃色の髪の少女は、コワレていた。
彼女は人の心を読むことが出来た。 故に、誰よりも人間のことが分かっていた。 人の心は醜いものだ、常人なら数日と持たず狂い死んでしまうだろう……
故に彼女はコワレていた。 人の心を知っていても平然としていた。 彼女には、心がないのだ……
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『ったく…さとりのやつも人使い荒いんだから…』
崖の上から人々の営みを眺める、もとい監視している少女がいた。
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『正邪さん… 申し訳ないのですが、あの崖の上から村を監視してもらえないでしょうか… あの…門を超えて私たちの領域に入ってこられては……』
『はぁー?? なんであたしそんなことしなくちゃなんなんだよ、めんどくせぇ〜』
(さとりのやつ……人間が怖いんだな…)
『心配してくださるのはありがたいんですが… ただ人間が怖いだけじゃないんですよ…』
『誰も心配なんかしてねぇっての…ったく…どんな御都合主義の頭してやがる?』
(人が団結するのが怖いのか?? 私たち妖怪の敵じゃないろうに…)
『人間一人一人の力に恐れる事はありません、私が恐れているのは、人間が身につけた文明というもの… 彼らが身につけた文明の前では、私達の妖術や体術などは意味をなさない…』
『あのさぁ…さっきからツッコミたかったんだけどよ?? 人の心を読みながら話すのやめてかんねぇかなぁ…』
(ったくしゃあねぇな…付き合ってやるか…)
『フフフ…あなたって素直でいいと思うわ…』
『どーゆー事だよ!』
(どーゆー事だよ!)
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『まぁな…人間怖いもんなぁ……』
人間達にとっては、妖怪は怖いものであろう。しかしそれは妖怪にとってもそうだ。 妖怪という生き物は、人間が怖いのだ。
人間の怖いところとは、自分達の強さを自覚していないところにある。
いつからだろう…人間が傍若無人に振る舞うようになったのは… 人間は決して一人では戦わない…群れをなして、自らの手で成した武器を持って戦う…
『そんなところで何してるの…??お姉ちゃん??』
『!!!!!』
声にならなかった… 口から心臓が本当に飛び出るなら間違えなく飛び出ていただろう…
…見つかった…人間に……
近頃人間に見つかって惨たらしく殺された妖怪も少なくはない。 どっちが妖怪なのか分からない…
その人間は、幼かった…… まだ七つにも満たない稚児…
そんな子供がどうしてこんな険しい山の上にいるのか…
冷静になればわかる事なのだが、そんなことにさえ気がつかない程天邪鬼は動揺していた。
『お前は怖くないのかよ……人間の癖に…』
それは苦し紛れに吐いた、最低限の抵抗だった。 どうせ殺される。 里の大人達に言いふらされて殺される… 口封じにこの子供を殺したところで時間稼ぎにしかならない……
時間稼ぎでも構わない… 1秒でも多く逃げる時間を稼げたら…
人間とは違う。 二日もあれば砂漠を超えて隣町まで行く事は出来る。 道中に出てくる異形など私達の敵ではない…よしそうと決まれば……
無理だ…いくら命を守る為とはいえ、こんなに小さい子供の命を奪う事なんかできない……
そんな葛藤を搔き消すように晩鐘は鳴り響いた……
『それじゃあお姉ちゃん!! 今日はこんな時間だからもう帰るね!!』
稚児は、足取り軽やかに山を下って行った……
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