表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

わたしのちいさなざんげ

作者: 白沢トモ

 今私は父親から『お前なんのために生きてるんだ』と言われました。


 ここだけ聞くと父親が悪いのか私が悪いのか分かりませんが、今回は完全に私が悪いです。今回のものは完全に私の失言でしたね。


 涙がでそうです。涙はでませんが心に来るものがあります。


 こういう気分の時に人は自殺をするのではないかと思いますね。


 なぜこんなことになったのか……少し振り替えってみるとですね。


 私は現在、受験を控える三年生になろうとしています。まぁ実質もうなっているといっても過言はないんですがね。


 そんな時期になっていても、私の成績は底辺で、それなのになにもしようとしない……そりゃあ父親も怒るわけです。


 話がそれましたね。で、なんでこんなことになったかというと、そろそろもう完全に痺れをきらしたご様子の父親が今日、いつものように話をしたんです。(まぁ話と言っても只の説教ですが)


 その話をいつものように聞き流しつつ、相も変わらず懲りもせず携帯端末を弄くっていた訳でありますが、ふと私が「学校に行きたくないなぁ」と言ってしまったんです。

 これは完全なる失言と化しました。


 父は、「虐められたりしているのか?」と問いました。


 私は「そんなことはない」と答えました。


 「じゃあお前、友達とかじゃなくてただ学校に行きたくないんだな?」と再び問われました。


 「そういうことになるね」私はそう答えました。


 すると父は怒りました。お前はそんなにやる気がないのかと、そんなんじゃ勉強も上達しない訳だと、お前はただ将来ニートになりたいだけじゃないかと。


 いつもは聞き流しているだけでしたが、これはさすがに心に来るものがありました。自業自得とは分かっていても心に来るものがありました。


 実際あわよくば一攫千金と思っている私に対して、確かに間違ってはいない言葉でした。


 私には母親がいません。母は3年ほど前にこの世から旅立ちました。子宮癌でした。進行をもう止められなくなったとお医者さんは言っていました。


 母は子宮が生まれつき弱く私を産む前にも四回ほど流産していて、それでも子供が欲しいと無理に産んだことが原因なのか、癌になりました。


 父は言いました。「こんなんじゃ、お前を産まないで母が残ればよかったじゃないか」と。「そんなんじゃ生きてても意味がない」と。


 生きてても意味がない、はたまに言われることがありましたが、お前を産まなければよかった、なんて事を言われたのははじめてだったとおもいます。


 もしかしたら、言われていたことに気付いていなかっただけなのかもしれませんが、はじめてだったとおもいます。


 ここまでの話だけだと、父親が冷たく悪い人のように聞こえるかもしれませんがそんなことはないです。私が悪いんです。私だけが。


 普通の人だったら、ここでじゃあ頑張ろう! となるはずですが、私はなりません。明日も明後日もそのまた次の日も、なにも変わらないまま。


 私はいつまでも変われません。このまま、堕ちるところまで堕ちてしまいそうですね。


 そんな自分は嫌だと思いつつも変えようとしない、そんな人間が私です。





 ___そんな私のこれはざんげ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 文章が語るような口調で描かれていて良かったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ