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所持4枚 初戦と魔法

久しぶりの更新です!

「あ、あの?質問いい?」

「なんでしょう?」

 私が、衣装について…。コホン。いけない熱くなり過ぎていた…。里中さん微妙に引いてますしね…。


「その、魔法少女モノだと、ま、マスコット的キャラクターとかも重要な要素じゃない?」

 ほー、里中さんのくせにいいところに気付きましたね。

「なんかひどい事言われてる気がする…。」

「気のせいですよ。そうですね…。」

 そう言いつつ、熱弁をするために止めていた歩を進ませることにする。


「確かに魔法少女モノにおいて、マスコットは重要な位置を示しています。」

 今回は足を止めることなく、カードを探しながら話を続ける。

「外見が可愛いマスコット的な謎生物が実はとか、魔法少女を導く謎生物とか、基本謎生物が多いですよね。」

「そうそう、そういうの。」

「あれば、何か言うでしょうけれど…。あるんですか?」

「ふふ、そう何を―。」

「静かに!」

 里中さんの言葉を遮る。何か気になることを言おうとしていたみたいだが、今はそれどころじゃない。


「どうして?」

「ん?どうやら、“捕まった”みたいだ。」

 里中さんは自分の話を途中で遮られ悲しそうな顔をしていたが、私の言葉を聞いてその表情を顰める様にして、私達の前方を見た。

 そこには、失われた楽園はるやすみに入る前に、私にHENTAIについて教えてくれたおばあちゃんがいつものベンチに、座っていた。教えてくれた次の日には、いつものところに居なくなっていたのでてっきり成仏したと思っていた彼女が、カードの作った支配結界の中にいるのだろう?


「“捕まった”ってどういう意味ですか?」

「カードが支配結界を作る理由は覚えてる?」

「確か、魔力を溜めるためでしたっけ?」

「そうカードは支配結界を作って魔力を溜める。その方法はね結界内に生物やあそこの彼女のような霊体を“捕まえる”、つまり閉じ込めたモノの感情や生命力なんかを魔力とするんだ。」

 なるほど確かに、おばあさんの目は濁ったようになっていて、何もない虚空を見つめている。


「許せない…。」

「へ?」

「罪も無いおばあさんを、自分のためにこんな所に閉じ込めるなんて…。」

 里中さんが、こちらを目を見開きながら見ているが、この際それは無視する。


「閉じ込めるなら、変態共を捕まえてくれれば、私はひきこもる必要なかったのに!!」

「ああ、うん。僕の感動返して…。」

「感動?」

 何を言ってるんでしょうかこの人は。

「それより、おばあさんです。」

「あ、待って。」

 里中さんの言葉を振り切り、私は公園のベンチに座るおばあさんに駆け寄った。


「危ない!」

 里中さんが叫んだ時、公園の隠れる所が無い見晴らしのいい場所を走る私の元へ、右側から先の尖った小石大の氷塊が飛んできた事に、私は気付いた。

「くっ!」

 私は、走っていた足を止める無くそのまま前に跳んだ。そのままスカートがめくれるのもかまわず前転を決めて、体勢を立て直しつつ氷塊が飛んできた方向を見た。


 そこには、二人の少年と少女がいた。

「何でここに子ども?」

「それが支配結界内で顕現しているカードだ!」

 そう言って里中さんが叫ぶ。それに応える前にその少年と少女の周りに氷塊が浮かび、こちらに飛んでくる。


 それを、右側に避けつつ観察を行う。

 少年と少女はどちらも同じ顔に同じ服を着ていた。年の頃はおよそ小学校低学年とみえる。

 人形のような顔…、いやあれは人形だ。生物に見えるほど精巧に作られた人形は宝石のような瞳をこちらに向けている。

 服装は、白い貫頭衣に近いローブ。一見して違いが無いように見える人形だが、私にはわかるあれは少年と少女を模した人形だと!!な――


「っ!」

 語る前に、また氷塊が飛んできた。それを転がる様にして回避する。

「里中さん!これじゃあ語る時間も!!」

 里中さんに声をかけようとしても、氷塊は私に飛んでくる。

「封印する、時間もあり、ませんよ!」

「奏!魔法を使うんだ!!」


 しれっと呼び捨てしてきましたね、あのイケメン…。ああ、そこじゃないか。

「魔法って、どう使うんです?!」

「えと、魔法は9で、魔装ベトリギアスは13だったから…。“マジックボール”だ、奏!」

「マ、“マジックボール”!!」

 直後、鎖の先端青い宝石側に赤色の球体が現れた。

 ちなみに、私の基本武器である鎖は腰から伸びて、私の肘辺りから巻きついて手首の先から自由になっている状態になっている。つまり何が言いたいかというと、私の手の平のすぐそばでそんな球体が出現したということだ。


「へ?!」

 そして間抜けにも驚いて立ち止まって私に氷塊が迫ってきていた。咄嗟に頭を守ろうと腕を交差させるようにすると、手の近くにあった球体が氷塊へと飛んで行った。

 その球体が氷塊とぶつかると、軽い爆発音と氷が割れる音が響き、煙が生じた。その煙が晴れると、私の放った球体諸共、目の前に迫っていた氷塊が跡形もなく消えていた。

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