清く正しく
女子特有のアレとか、生々しいネタあり。
嫌かも…と思われたら、Uターンお願いします。
「私は認めないからね」
「認めなくても現実は変わらないよ?姉上には俺だけを見て、頭の中は俺で一杯にして欲しい。でないと、俺、何するかわかんない」
イェゼ君はいい笑顔だ。なんで笑顔なのに物凄く怖いの!?
「イ、イェゼ君…なんか、言ってることが、穏やかじゃなくない…?」
「……嫌われたくないから、出来るだけ寛容でいたいけど。番から思い違いだなんて言われちゃあね」
イェゼ君は、ほふっと息をついた。
「脅してもダメ。弟大好き姉で、勘弁して?」
手を合わせてお願いする。
『何するかわからない』かぁ。
そう言われても、まだまだ君は子供だと思うんだ。
そんな風に思うのは、先日、私は一歩大人になったから。
少し前、私にも女の人の印がきた。
前から、私もそろそろだよ、って、周りに聞いてたから、血を見て吃驚はしたけど怖くはなかった。
普通は母親がそういう事を教えてくれるらしいが、私に母はいない。でも、ずっと私の面倒を見てくれてたお世話係のマルラおばさんが準備してくれてた。
私の成長を待っててくれたのが、とても嬉しかった。
余談だけど、お祖父様とお父さんにも報告されて、お祝いされたのは、なんか無性に恥ずかしかった。
あと、女性の体のことなのに、彼等はそういうことを知ってるんだ…って、妙に感心した。マルラおばさんにそれ言ったら「そうですね」と微妙な笑いが返ってきた。
でも!イェゼ君は、そんな大人の階段があることを、絶体まだ知らないと思う。
そして、もうちょっと知らないままでいて欲しい。
だって……大人の男女は、なんかエグそうだから。
大商人のお祖父様の屋敷はとても大きくて、使用人も多い。水場等で女が集えば、そこは情報交換の場。外では人見知りな私も、そこは気楽に交ざれる。そして、ここしばらくの話題は私の事だった。大人女性の先輩方は私を囲んで、それは色々と教えてくれた。
マルラが教えてくれたのは主に対処についてだったけど、お姐様方からもたらされた情報は、時に赤裸々過ぎて、ちょっぴり脳ミソ溶けかけた。
女だけじゃなく、男も成長して変わる。
教えてもらった男の子の変化は、声が低くなり、髭が生えるってだけじゃなかった。
今まで教えられていた危険に、女故の心配が増えた。
これから少しずつ女性らしくなっていくと、これまでよりも、男には注意して接しなきゃダメだ!と、散々言われた。
危ない例として、教えてくれた話は、すごく生々しくて…痛そうだった。一方的に襲われて、子種を入れられたら、もう私でも赤子が出来るなんて恐怖でしかない。
よかれと思って色々聞かされ、12歳にしては相当な耳年増になった。
もう一杯一杯なのに、それでも大人の道はまだまだ遠く、もっと胸が膨らんだら、女の魅力の有効活用方を教えてくれるらしい。はぁ…。
皆から脅され過ぎて、最近、男の人が、盛った野良犬みたいに思えてならない。もちろん皆が皆じゃないけど。
だから余計に、イェゼ君は綺麗に見えた。
番とか、まだ言わないで。
思考の淵からよっこらしょと出て、また弟君と向き合う。
「若いのに、まだ決めなくていいじゃない」
「考えて決めたんじゃないよ。自然と欲求が湧いてくる。姉上を独り占めしたいって。でも、閉じ込められたくないでしょ?」
監禁!?
「当たり前よ!怖いこと言わないで」
「怖くないよ~。ちょっと竜種の愛は重いだけ」
笑って言うな。余計に怖いわ!
全く話が進みませんが、この先もたぶんこんな調子です。ごめんなさい。