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第2版  作者: 八雲 辰毘古
【資料篇1】
37/57

【資料】用語集および表記について

 これまでの展開でいろいろとあって混乱してきたと思うので、読者向けに設定の整理を行います。基本的にネタばれはない(はず)なので、設定がこんがらがってきた方や、単純に設定集を読むのが好きな方はぜひご覧になってください。一部これから出る予定の用語もありますが、そこはご愛嬌ということでお許しいただければさいわいです。

 まとめてみると結構な量になりますが、べつに読まなければ話がわからない、ということではありません。要らねーよ、と思う方はスルーして本文でのみお楽しみいただければと思います。いちおう本文だけで楽しめるようには書いているつもりです。なおこれがすべてではないので、用語集のみで作品の価値を測るのはご禁物です。悪しからず。

□表記上の注意

〈〉→その世界の用語(主に世界観に関する語や専門用語)を現代日本語へと意訳したもの。ほとんどが造語になるため、誤読を避ける目的で初出時は必ず括っているが、必ずしも一貫していない。

 しかし固有名詞として扱われたり(砂海、大葦原、緑の礼拝堂など)、われわれの言語と類似した訳語を用いたり(叙事詩圏や星室庁、神殿など)、もしくは魔術における専門用語として現れたりする場合は、辞書的および一般的な意味との区別のために一貫して括るようにしている。


《》→表現としては訳したままであるが、発言者や文脈によって特殊な意味を帯びていることを示す。


『』→書名、作品名。本文中では、時空が異なる会話文を指し示すこともある。


「」→本文中では基本的に会話文や引用符として扱うが、作中世界における独特な言い回しや、いわゆる〜を示すさいにも用いる。




■世界・地理

*〈叙事詩圏(エポスパエラ)

 物語の舞台となる世界。教導会(旧訳・教導院→後述参照 宗教の項)の聖典:『神聖叙事詩』が普及している世界という意味を持つ。ルビはラテン語を参照に訳者が造語した。英訳すると「Epic Sphere」になる。

 かつては「古代魔法文明」と呼ばれる文明が存在したと言われているが、作中時代においてはアストライア聖王国が教導会の後ろ盾を得て覇権国家として君臨している。ちなみに国と呼びうる領域のほぼすべての領主および公家(こうけ)が聖王国の傘下(さんか)にあるだけで、聖王国が唯一というわけではない。


・内つ海

 〈叙事詩圏〉における「海」。〈竜の顎門(あぎと)〉と呼ばれる海峡で区切られており、四季を通じてとくに変化の少ない海域である。これに対して〈顎門〉の外側にある海域を〈()つ海〉または「大海(わだつみ)」と呼称し、無謀な冒険をすることを「海の外に向かう」と言い習わしている。


雲霧(くもきり)山脈

 〈叙事詩圏〉の東部辺境、〈大葦原(おおあしはら)〉(→後述参照)との境界にそびえる大山脈。その鋸歯(きょし)状の峰々は雲を貫き、年中霧のヴェールをまとい続けていることからこの名前が付いている。最高峰は〈星の火の峰〉とも呼ばれるセラト山で、その標高はわれわれの単位で六千メートルにも達すると言われている。


暗森(くらもり)

 〈叙事詩圏〉の東部辺境に広がる原生林。年中日も月も差さない暗闇の森であり、またかつ魔獣の主要な発生地点と目されている。しかし一方で〈森の守護者〉などの正体不明の妖精が闊歩(かっぽ)しているため、民間人はこれに近寄らない。ある研究家によると、天然の〈神殿〉(→後述参照 魔術の項)ではないかと言われている。


・大河アンカリル

 〈叙事詩圏〉を横断する大河。雲霧山脈に源を持ち、王都近隣を穀倉地帯にするような大地の恵みをもたらしている。しかし一説によると、古代魔法文明以前の原始時代では洪水が多く、ひとびとの暮らしを(おびや)かしたと言われている。また下流は内つ海ではなく、外つ海へと流れ出る。


琥珀(こはく)

 王都から西に向かい、大河アンカリルの末の方でたどり着く大きな港。外つ海に面しており、北方や南方へ向かう交易船や、西の(はて)まで向かおうとする冒険家たちが集まっている。名前の由来は湾に入り込む西日が琥珀のように美しいことから。



*〈砂海(さかい)

 〈叙事詩圏〉から見ると南東に位置する巨大な砂漠地帯。小国家群が入り乱れていることと、古代魔法文明の遺跡があることぐらいしかいまのところ分かっていない。訳者の力不足である。



*〈大葦原(おおあしはら)

 〈叙事詩圏〉から見ると雲霧山脈の向こう側、はるか東方に広がる大陸中原のこと。あまりに広大であるためにその詳細を明らかにすることはできないが、〈叙事詩圏〉のひとびとはよく異国情緒の代名詞として〈砂海〉とこの地域の名前を挙げる。ある種のオリエンタリズムである。



*南方大陸

 〈叙事詩圏〉から内つ海をはさんで南方に存在する大陸。ジャングルとかサバンナとかありそう。ある種の暗黒大陸だが、べつに邪悪な種族がいるわけではない。そんなことしたら人種差別のかどで訴えられてしまうのでできない。




■国家・組織

*アストライア聖王国(女王家)

 〈叙事詩圏〉における覇権国家で、物語のメイン舞台。元首は女王で、女王家は代々太陽処女神アストラフィーネの末裔(まつえい)を名乗る。教導会の後ろ盾もあってか、このことは共通認識として広く知れ渡っているらしい。

 首都は戴冠(たいかん)の都:リア・ファル。

 辺境の魔獣退治と他国の威圧のために騎士団を抱えている。ことに女王直属の「聖刻騎士団」の強さは〈叙事詩圏〉の中でも追随(ついずい)を許さない。こうした兵卒を獲得するために聖王国は騎士養成学校を運営し、育成に励んでいる。ここから輩出された多くの騎士団と、〈星室庁〉(→後述参照)の諜報(ちょうほう)網、そして教導会による信仰ネットワークを借りることで女王家は〈叙事詩圏〉の覇者となったのである。


・〈星室庁〉

 女王に仕える直属機関。訳語はわれわれの歴史用語との区別のために括弧でくくっている。表向きは女王の政務を補佐する諮問(しもん)機関ということになっているが、その実態は教導会ネットワークの後援を受けた諜報(ちょうほう)組織。聖王国の平和を揺るがす不穏分子の動き──おもに公領主議会(ランドスロード)(→後述参照)や危険思想、そして《魔女》結社などの動きを抑える役割を果たしている。



公領主議会ランドスロード

 女王家に臣従を誓う公家や領主たちの意思決定機関。表向きは女王家の配下にあるものの、じっさいは女王家やギルドに比肩する権力を有しており、この三者でバランスを取ることで聖王国の平和が成り立っている。

 また公領主議会の内部でも、家格(それに伴う権威)の差別化や、地理的な貧富の差による対立が頻発しているため、けっして一枚岩の組織ではない。逆に言えば、その対立構造を利用して女王家は覇権を握っているとも考えることができよう。

(ルビは古いスカンディナヴィアの言葉でLandsraad(地主たちの立法集会)より借用した。某SF小説をお読みの方ならばすぐにピンと来たかもしれない)


・英雄家:『神聖叙事詩』降臨の章に名を残した英雄にそのルーツを持つ家柄で、各血統で神器を伝承する。神器は合わせて三種あることから、御三家とも呼ばれる。その権勢と財産は女王家ですら無視できず、政治における強い発言権を有する。


・近衛家:先祖代々から「近衛騎士団」の家柄。軍閥(ぐんばつ)を形成している。



*ギルド

 〈叙事詩圏〉に広く展開している巨大な商会や、その下で活動する職能集団で構成された同業者組合の総称。公権力に振り回されない自由な商業・生産活動と、都市生活の権利の保障のふたつを目的とする。現代日本の視点で見れば、経団連とかがこれに近い。

 女王家(および〈星室庁〉)から関税免除や鉱山などの営業特権を認められる一方で、輸送網としての街道整備の費用をほとんど負担している。その人員という名目で騎士崩れの雇用も受け持つものの、これはギルドの経済力を削ぐ反面、軍事を含む影響力が、事実上女王家よりも大きいことを示す。このことが〈叙事詩圏〉の均衡を担う三脚のひとつである所以(ゆえん)である。




■宗教

*教導会(旧訳:教導院)

 〈叙事詩圏〉世界にあまねく存在する「星神教」の宗教組織。〈七曜の神々〉と呼ばれる神々を奉じ、神聖体系と呼ばれる白魔術の神学研究を中核としている。教導会の司祭はみな「導師」と呼ばれ、その中でも特に高位のものを「老師」と呼び習わす。老師は「夜の会議」という宗教会議を設けて教義を検分する役割を担っており、こと近年は、聖王国との政治的な結びつきが強くなっている。

 かつては政治に深入りしていなかったが、聖王国の樹立以来その為政に手を貸し、七曜の中でも太陽処女神:アストラフィーネを神聖視するようになった。またそれだけではなく、信者のネットワークや魔術体系をも共有し、その均衡保持を援助している。

(ちなみに旧訳において「教導院」としていたが、類似の造語が存在していたことと、その性質がむしろわれわれの知る「教会」に近しいことから、「教導会」へと変更させていただきました。多大なご迷惑をおかけして申し訳ありません)



*七曜の神々

 〈叙事詩圏〉における主だった神々の総称。それぞれ日月火水木金土の七曜に()せられるためにこの名称を用いている。これ以外にも神は存在するが、この七柱が特に強い力を持っているために別格として扱われる。具体的には以下の通り。


 太陽:〈星々の女王〉アストラフィーネ

 月:〈月の宰相〉ルクレフェデス

 火星:〈赤錆(あかさ)びた闘神〉ノーラーン

 水星:〈辰砂(しんしゃ)の奇術師〉メルクール

 木星:〈嵐の貴公子〉オルドー

 金星:〈明けの舞姫〉ミレイア

 土星:〈大地の元老〉サントゥス


 またこのことから〈叙事詩圏〉における暦は週七日の太陽暦を採用しており、われわれの世界のそれほどは正確ではないものの、比較的われわれと感覚は類似しているといえよう。日曜日を女神の祝日として安息日にする教義はキリスト教世界と一致しており、研究上の興味を掻き立てられる。



*『神聖叙事詩』

 教導会が奉じる星神教の聖典。作中世界の歴史用語では「星典」とも呼ばれる。均衡を重要視する星神教の教義を記した「ひとつにして万能の書」。神聖体系と呼ばれる白魔術の基礎にもなっている。その一方で、天地創造を記す開闢(かいびゃく)の章に始まり、太陽神アストラフィーネがいかにして地に降り、聖王国の建てたかを(うた)う降臨の章までの四章で描かれる壮大な物語絵巻にもなっている。

 章立ての詳細は以下に記された通り。


 開闢(かいびゃく)の章:天地創造〜竜と巨神の争い

 楽園の章:人類の無垢の時代

 試練の章:楽園追放〜混沌の大地

 降臨の章:女神の降誕〜聖王国の樹立




■魔術

※注記1:「魔法」と「魔術」について

 〈叙事詩圏〉およびその周辺世界では「魔法(英訳:Magic/Theurgy)」と「魔術(英訳:Magery/Magus Crafts)」は本質的な区別を有する。本来ならば前者が根幹にあり、後者は「魔法技術」の省略形として呼称するものである。しかし魔術を(ろう)する人間が自らを偽って「魔法使い」と名乗ったり、逆に自らの魔法の素質に気付かずに「魔術師」と呼ばれたりするなどで厳密な区別はいまだ判然としていない。

 教導会の発行している『魔術年鑑』および『禁呪目録』などでは「先賢の切り拓いたる精神の〈道〉を記憶し、自由に想起し、それでいて迷わぬものが魔を統べ、均衡を保つであろう」などと記載されており、あえて区別をしているようには見えなかった。(ちなみにこれらの表現から、〈道〉を踏み外した教導会の導師を「魔導師」や「黒魔術師」、または「魔道に()ちたるもの」として蔑称(べっしょう)することがままある。本文では上記の表現に依拠し、「魔道師」および「魔道士」、「魔導士」などのややこしい類語は用いないことにする)

 一方《魔女》側の史料によると、《記憶》というキーワードを置いてこれを再現するものを「魔術」、《記憶》そのものを作り変えてしまうものを「魔法」と呼びならわしているらしい。またある伝承によれば、魔法とは「世界を創造する神秘の法である」と記されており、いよいよ謎は深まるばかりである。


※注記2:魔法・魔術使用者の呼称について

 魔法使い/魔術師の話が出たのでここで併記しておくと、作中時代における「魔法使い」は絶滅危惧種──つまりおとぎ話や伝説の存在として扱われる。しばしば僭称(せんしょう)するものが現れるため、「魔法」という言葉に詐欺やぺてんの意味が付加される原因にもなった。

 一方「魔術師」は、「魔法技術」という魔術の正式名称に由来するように、この世界では技術者という扱いになる。あるいは、その総称を指す。魔術の専攻分野によって詳細はさまざまであるが、医術や薬学に特化した「施術師」や、建築魔術に特化した「築術師」、風を読んで海上運航を補佐する「風読師」などが活躍している。これらの技術は学習と研鑽(けんさん)を積むことで、資質に応じて開花するが、それゆえに危険も大きく、教導会が教育を独占している状態にある。魔術を修めるものはみな教導会の洗礼と導師の指示を受け、その傘下(さんか)に入らなければならない。ゆえに教導会に参加せず、独自の魔術体系を創造しようと目論む魔術結社を異端視し、これを〈星室庁〉などの手で抑制する動きが発生している。



星霊(せいれい)

 森羅万象を巡るモノの総称。星神教はこれを大いなる星の気の具象化としているため、このような造語を用いている。あらゆる事物を通過し、輪廻(りんね)転生(てんしょう)の流れに還元するらしい。宗教哲学は難しくてよくわからない。

 ちなみに魔法・魔術はこの星霊を媒介(ばいかい)として発動するとされている。ゆえに魔術に心得のある人間はこの星霊の性質を読み、把握する能力を求められる。なお、性質は火・水・風・土の四大元素と、天・冥の二属の六種類に分類されるらしい。これは魔法・魔術使用者の資質にも関連があり、地形や時間帯にも左右されると考えられている。



業魔(ごうま)

 人間の心に宿るとされる情念・欲求・衝動の別名。ひとの安寧(あんねい)を惑わすものとして見なされるが、「悪魔」ほど確固たる存在とは異なるためにこの語を用いている。教導会および星神教はその業魔を抑制し、正しい均衡に教え導くことを教義としている。キリスト教世界では心に宿る悪魔の話をするが、おそらくそのことと同義であろう。星霊によって浄化されるという点においても、両者の類似性を指摘できる。

 もちろんふだんは目に見えないモノなのだが、魔法・魔術が発動する特殊時空〈神殿〉(→後述参照)ではこれが実体化する。それがけものに憑依(ひょうい)すると魔獣になると言われている。



*〈神殿〉

 魔法・魔術が発動する空間設定。「神体」と呼ばれる呪物を核に、その周囲を「境界」で仕切って完成する。どちらかが欠けても〈神殿〉は成立しない。

 魔術師たちは星霊を封じる・閉ざすなどの言い方をしているが、要するに結界・結界石と同義。原理的には、星霊を本来あるべき流れから切り取って凝縮することで、魔法・魔術の媒介をしやすくしたということらしい。そのため研究によると境界の範囲が狭くて密閉されるほど、星霊の濃度が高まり、魔術の効力は強くなる傾向にあるようだ。



触媒(しょくばい)

 魔術を起動するために用いる道具や素材のこと。それ自体が独特ないわくや歴史を積み重ねた呪物であることが多い。〈神殿〉を形成する神体もしくは境界と親和性が高いと、より強い効果を発揮するとかなんとか。




■《魔女》

※注記:魔女と《魔女》について

 本文中における〈叙事詩圏〉の時代では、魔女(英訳:Witch)と《魔女》(英訳:Wicca)は別物である。厳密に言えばルーツに共通項を持つものの、魔女は古代の巫覡(シャーマン)や産婆、薬草学に通じた「賢い女性」という意味合いが強く、組織ではなく個人で、淡々と知恵を継承するとされている。

 一方《魔女》は作中の近代に刷新された政治的な結社の意味合いが強く、古代の魔女の知恵を「魔女術(英訳:Witchcraft)」として新たに体系化し、行使する集団となっている。そのため《魔女》には男性も存在する(しかし魔術体系には資質が一致しない)うえ、単なる女魔術師や、女魔導師とはまた別物であることを承知されたい。しかし魔道に堕ちた人間が《魔女》になることは可能で、そのため呼称の重複による混乱が発生する。



*〈イドラの魔女〉

 《魔女》による魔術結社。業魔を探究し、魔獣を使役する黒魔術を研究しているかどで異端密告を受けて以来、聖王国に反旗をひるがえす危険思想の集団とされてきた。現在そのメンバーは、秘密結社としては前代未聞の数百にも達する。そのすべてではないが、大半が魔術に通じていることを踏まえると、ゆうに国家を転覆させるだけの力を有しているために〈星室庁〉の危険レベルは最も高い扱いになっている。その組織構造は(カヴン)(→後述参照)を単位として動いており、上層で〈五姉妹〉と呼ばれる五人の最高幹部に集約される。

 〈五姉妹〉はひとりひとりが強力な魔術師であり、かつまた自身も(カヴン)の長である。ゆえに〈星室庁〉は彼女たちそれぞれに二つ名と懸賞金を掛けている。その一覧は以下の通り。


 〈永遠の魔女〉:???

 〈姫巫女〉:エスタルーレ

 〈冬将軍〉:イシュメル

 〈昏き星読み〉:オーレリア

 〈氷月の乙女〉:ヴェラステラ


 彼女たちの目的がどこにあるのかはまだ判然としない。一説によると〈魔王〉と呼ばれる冥府(よみ)の支配者を崇拝し、魔術による現世への顕現を目指していると言われるものの、定かではない。

(ちなみにイドラ(idola)はラテン語。フランシス・ベーコンによる哲学用語として著名。結社名の原語は〈幻影〉や〈偏見〉などの意味を持っているのだが、その一方で《魔女》世界における偶像(アイドル)的存在として見なされていた節があるために、全てを兼ねてこの語を用いた。ちなみにイドラはアイドル(idol)の語源である)



(カヴン)

 《魔女》の結社の単位。十三人で一単位扱い。〈イドラの魔女〉に限らず、組織としての魔女はすべてこのような単位で結社を組んでいる。一方で宗派によって時期は異なるものの、定例会(サバト)を設ける点において〈イドラの魔女〉も共通している。

 ルビは同義の、そして現実にも存在する魔女の集まりのことである。固有名詞以外は原則として日本語に置き換えるという都合上、「衆」という言葉を用いた。



*〈火の娘〉

 オーレリア配下の(カヴン)。〈イドラの魔女〉における諜報網を管轄すると言われている。その活動は〈叙事詩圏〉はおろか〈砂海〉や〈大葦原〉にも広がっているとされており、〈星室庁〉はその神出鬼没な動静に手を焼いているらしい。

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