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F.F.F.  作者: 佐久間
序章
1/14

おやすみ

 君が泣いている。

 自分はそれを、一枚隔てたこっち側からしか知ることができない。

 温度のない――眠るように音のない――目を閉じるように色あせた――壁に額を押し当てる。


 君が泣いている。


「あと一回」


 うん。


「あと一回だけだから」


 わかったよ。


 君が、泣いている。

 自分は笑顔を浮かべて待っている。すべてが終わるのを。

 終わった後にあるのが幸せなのか、それとも君を黒く誘う道なのかはわからない。

 でももう、こんな風に泣かなくても済むのなら。

 答えの出た涙に、なるのなら。


 もう、十分すぎる。これ以上なんて、必要ない。

 すべてが終わったなら、そうしたら――


『……おやすみ』


 その時、自分は君の隣にはいられないけれど、許して。

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