僕が勇者で君が魔王で、勇者が君で魔王が僕で
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これはある世界の勇者と魔王のお話。
そこに才色兼備のそれはそれは美しい魔界の魔王様がいました。その魔王を倒さんとするそれはそれは勇敢なそして何処にでもいそうな普通の顔の優しい勇者がいました。
そして勇者の仲間である戦士・魔法使い・賢者と共に勇者がいた国である『勇者の国』の国王から魔王討伐を言い渡され魔王がいる魔界へと向かいました。勇者達は魔王による過酷なそして壮大な苦難の闘いを繰り広げようやく魔王がいる魔王の城にたどり着きました。
このお話は勇者一行が魔王のいる魔王の城から始まる物語。
《僕が勇者で君が魔王で、勇者が君で魔王が僕で》
ここは魔界の魔王領。
草は生えず木も枯れ、そして水もない場所。
その奥には魔王がいる魔王の城があり、魔王の城の前には4人の男女がいた。
とても華やかな鎧と剣を持つ・・・がそれに似合わない普通の顔の勇者。
簡素なローブに身を包み、長い杖を手に持つ異性が見たら見惚れるようなそれは綺麗な魔法使い。
古傷のついた手甲を両手に付け、体も手甲と同じく古傷だらけの男気溢れる誰もが認める格好いいイケメンの戦士。
変わった帽子を被り、分厚い本を持つ同性にも異性にも保護欲を引き立てるとても可愛らしい賢者。4人の勇者率いるパーティーが魔王城の城門の前に居た。
「ようやく・・・ここまで来たな」
感慨深そうに、言う戦士
「はい。ようやくここまで来ました」
戦士の言葉に頷く賢者。
「魔王を倒せば、終わり」
無表情で呟く魔法使い。
「さぁ、行こう。みんな。魔王さんを倒して、世界を救うんだ」
勇者の号令に歩き出す3人
魔王の城の中に入り魔王の部屋の扉まで一気に走る。
だが魔王の城には一切魔物がいなかった。
不思議に思いながらも魔王の扉を勢いよく開ける勇者達。
だが勇者達はその場で固まってしまった。 いくつもの苦難を越えちょっとやそっとじゃ冷静さを失わないはずの勇者達が固まってしまったのだ。
それは何故か?
理由は部屋を見れば至極簡単だった。
勇者が開けた扉の先の風景は・・・・『勇者』の勇者だけの写真が部屋中に貼ってあった。
そしてそれを貼ったであろう魔王は、下着姿で勇者の写真を抱いて、転げ回っていた。
「えへへぇ~~、勇者が来る♪勇者が来る♪楽しみだなぁ~。う~ん、洋服どうしよう?可愛い系がいいかな、それとも綺麗系?あえて、セクシー系とかかな?きゃぁぁぁぁぁ、襲われたらどうしよう!。勿論受け入れるけど、あえて嫌がって見たりするのも一興かな!勇者様っとか言ってみたい~♪」
バタン。と無言で扉を閉めるのと同時に汗がダラダラと流れる。後ろを見ると仲間も同じ状況。あの魔法使いさえ、汗を流している。何時も、冷静な魔法使いがだ。
「どう・・・しよう?」
無言の仲間に聞く勇者。
「魔王はお前をご所望みたいだぞ」
戦士が無表情で言う。
「貴方が、頼めば、案外、どうにかる」
目が虚ろな魔法使いが言う。
「が、頑張ってください」
健気な賢者が言う。
みんなに言われてもう一度扉を開ける勇者。
「勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪勇者♪」
バタン。扉を閉める。
その場で息を吐いて後ろに下がる勇者。
「エクスゥゥゥカリバァァァァァァァァァ!」
剣から出る光の渦。
その光の渦が魔王の部屋を巻き込んで、外に貫通する。
「魔王は滅んだね。世界は平和になったよ。」
晴れやかな笑顔で笑う勇者。
後ろで震えている仲間。
すると、後ろから圧倒的な魔力を感じた。
「誰れ? 私の至福の時を邪魔するの奴は。せっかく勇者とあんなことやこんなことができていたとゆうのに・・・」
「エクスカリバー、エクスカリバー、エクスゥゥゥゥゥゥカリバァァァァァァァァァーーーーーーーーー!」
「この声は勇者・・・・・ニャァァァァァァァァ!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「「「勇者が不意打ちしていいの?(か?)(ですか?)」」」
「魔王相手には多分、きっと、ギリギリセーフだよ!」
息絶え絶えき叫ぶ勇者。
光が無くなり、今度こそ勇者達が勝ったと思った瞬間、勇者の体に纏わり付く黒い煙り。
煙りが晴れると、勇者が魔王に押し倒されていた。しかも、転移系の力も入っていた様で、ベットまで移動させられていた。
「勇者。よく来たね、楽しみにしてたんだよ? いきなりあれは無いと思うよ? でも、あれが君の愛なんだね。うれしいな、あんなに愛されて、私は世界一幸せ者だね。でも、気持ちは言葉で表して欲しいかな。もしくは体、でね? じゃなきゃ傷ついちゃうよ。傷ついてしまうと、世界を滅ぼしちゃうかもしれないな。私は君が居れば、それだけでいいんだから。君はどうなのかな? 聞くまでもないよね。・・・うん、わかってるよ。君は勇者で私は魔王。一生相容れない存在。だから、私、いいこと思いついたんだ♪」
と、言葉をそこで区切る魔王。そして、見惚れるような笑顔でニコッと笑った。
それを見て勇者の背中に悪寒が走る。
勇者は魔王の肩を腕で飛ばして離れた。
「ぼ、僕はあ、あなたをた、倒します!」
「それは・・・本気なの?」
勇者の言葉に魔王は悲しそうな表情をする。
「・・・魔王さんの気持ちは嬉しいです。でもぼ、僕は」
「分かったよ。それならもういい。・・・来るがいい」
そこから始まる勇者と魔王の死闘。
途中で勇者の仲間も集まり一斉に攻撃を始めた。
数時間後・・・。
「私を・・・倒すの?」
「・・・ゴメンな、さい」
途中から降り出した雨に打たれながら最後に勇者が放ったエクスカリバーにより決着が付き、魔王は消えかかっていた。
「私は諦めないよ?絶対喰ってあげる(性的な意味で)だからね、君に呪いをかける」
「え!?」
勇者が驚いた瞬間に魔王が勇者に向かって人差し指を向ける。すると黒い光に勇者は包まれた。
「君が魔王になればいいのだよ。君が魔王になって私が勇者になれば、魔王を倒した褒美に君を貰う事ぐらいできる。それだと誰も文句は言えないもんね。だから今、その呪いをかけたよ」
「ちょっとまっ「と、言う訳でちょっとだけ、さよなら♪」・・・て」
次の瞬間に魔王は消えた。
勇者が絶望の表情で手と膝を床に着けて倒れていると、
「またね、勇者様♪」
と言う言葉が聞こえてきた。
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この世界にそれはそれは勇者様に夢中の魔王様がおりました。
その魔王様は勇者様に倒されましたが、勇者様にある呪いを掛けました。
そして、勇者と魔王は再開します。今度は勇者が魔王で魔王が勇者となって。
これは、そんなお話。