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パクス・レガリア-ロリ化した無法者のサイバーパンク的日常-  作者: 東山スバル
プロローグ 根拠はないけど平気だね

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006 創麗の襲撃

「ゴホッ……。みんな、無事!?」


 若葉は寸のところでダーク・マターを使い、衝撃を吸収した。しかし、他の連中を守れるほどのブラックホールは作れなかった。


 高杉は起き上がる。「なんとかな……」

 理人も寸前で伏せていたようだった。「クソッ、カチコミか! 上等だ、皆殺しにしてやる!!」


 波留は別の部屋にいたので、安否は分からない。桑原も不明だが、おそらくテレポートでビルから抜け出した可能性が高い。風穴からぼぉおおお……という唸り声が聞こえる中、若葉は次の攻撃に備えるべく、近くにいたふたりへ指示出しする。


「高杉くんは下から来る敵の兵士を血祭りにあげて。相川くんは僕といっしょに、空挺部隊の迎撃に当たろう。そしてふたりとも、兵隊に連絡しておいて!」

「「あぁ!!」」


 高杉はパラシュートを背負い、下階へと落下していった。高杉ほどの実力者であれば、まずやられないと踏んだ上での指示だった。

 対して相川の能力は、あまり戦闘向けではない。彼は透明人間になれるため、暗殺にはこの上なく適した人材だが、この状態だと透明化も役に立つとは言いにくい。だから若葉は、仮眠室に置かれていたアサルトライフルを相川に投げ渡す。


「若大将。相手は、スターリング・ファミリーのオフィスを直接狙うような連中だ。創麗か、新世界同盟のどちらかと思う。まぁいずれにせよ──!!」


 蜘蛛のようにビルに引っ付きながら、戦闘服とフルフェイスヘルメットを被った兵隊が若葉と相川の前に現れた。連中がふたりを眼前に捉え、ライフルの引き金を引きかけたとき、


「やらせるかよ!!」


 透明になって、兵隊たちの後ろに回った相川が兵士たちの胴体を撃ち砕こうとする。激しい破裂音が響き、マガジンから弾がなくなった頃、相川は勘づく。


「コイツら、創麗の上位兵士か……!! ただの銃弾じゃ装甲を貫けねェ」

「良く知っているな、相川理人。そのとおり。おれらは殺しのプロなのでね」


 まるで若葉へ警告するように、わざとらしく相川はそう言った。


 創麗の上位兵士。身体改造と能力を発現させる〝ギア〟という道具をつけている、殺しのプロフェッショナルどもだ。相川に渡したアサルトライフルでは、そもそも身体改造の硬さを貫けなかったのだ。


 となれば、若葉がなんとかするしかない。彼は銃火器を使わず、両手の間に黒い膜を作る。


 すると、


「……ぐぉおッ!? 重力が、重たさかァ!?」


 目に見えるのは、黒い膜だけ。それなのに、オフィスの地面がえぐれるほどの重力が働き始めた。上位兵士たちは地面に這いつくばり、しかし必死に重たさから逃れようと藻掻く。


「若大将! あまり重力をかけると、ビルが倒壊しちまう!!」

「分かってるさ……!!」


 黒髪セミロングヘアの少女は、不敵な笑みを浮かべた。彼女は両手の間に流れる膜を消滅させる。

 必死にあがいていた兵士たちは、突如なくなった重たさを訝りながら、砂ホコリだらけの少女があの状態を作ったと悟り、一斉攻撃をしかけた。


 だが、それこそ若葉の思うツボであった。


「なぁ、あらゆる物質をすり抜ける物質を知ってるかな?」


 若葉は、まず自分へ突撃してきた兵士の腹部を拳で貫いた。グチャッ、と肉の砕ける音が聞こえる。


「て、テメェッ!?」

「知らないんだ。君ら、高校レベルの勉強もできないの?」


 遠距離では、謎の膜で重力を押し付けられる。近距離に詰め寄ったら腹部を穿かれる。なら、中距離戦闘をすれば良い、とでも思ったのだろう。残った兵隊9名は、一斉に異能力を発生させた。


「なら、更にヒントをあげよう。仮定の世界で存在する、といわれている粒子はなーんだ?」

「知らねェよ! クソガキがァ!! ──ぎゃぁあ!? なんで炎がおれの身体に!?」 


 若葉は、四方八方で起こり得る異能力にバグを起こして、自爆するように粒子を飛ばした。黒髪の少女は、うざったい悲鳴に右耳を塞ぐ。


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