帰還、そして司令官に
「……軽率すぎますよ、アマノ大佐…」
「面目次第もございません…」
真竜討伐の顛末を話したらアリスがすごく呆れてる…
正直僕も軽率だったと思う。装備を過信して出撃したけどもし予定通りバハムートを討伐しようとしてたらおそらく全滅してただろう。なんせバハムートの防膜は予想以上に強力だったし下手したら真竜2体を相手に戦わないといけなかったかもしれないから…しかもバハムートは真竜の王とも言われてるからその力は並の真竜なんかじゃ傷もつけられないレベルの強さなわけで…
アリスは今回僕が現場でどんな判断をするのか知りたかったから出撃を許可してくれたらしいけど念のために援軍の準備もしてたみたいだし、ほんとに頭が上がらない…
「過程や準備などに不備は見受けられますが功績は充分満たしているので無事アマノ大佐は本日付で司令官に昇格となります。ただ、ご自分の幸運に感謝してくださいね。後ほど簡単に司令官位の授与式を行いますので取り敢えず礼服に着替えてもう一度この司令室に戻ってきて下さい。」
「了解。」
ーーー
「アマノ大佐であります。失礼いたします。」
「それでは大佐、この司令章を授与します。これを付けた時からあなたはこの基地の司令になります。それでは宣誓をお願いいたします。アマノ司令。」
ーーー
「お疲れ様でした。アマノ司令。」
「ありがとう、アリス。これからもよろしく頼む。」
「こちはこそよろしくお願いいたします。」
「早速だけど近いうちにバハムートが来るかもしれないからその準備を頼む。対応は連邦の国賓待遇にしてくれ。」
「了解いたしました。」
それからしばらくこれからの運営方針を話し合っているとアリスが急にかしこまって話があると言い出した。
「司令。今回無事に司令となった事でこの要塞の全てをあなたの権限で動かすことができるようになりました。そこで今まで話していなかったのですが司令官のままではこれからもし他国と交渉する際に様々なものが不足することが予測されます。なので提案なのですが、国を興してはいかがでしょうか?知っての通り地球連邦は連邦制なのでそれぞれの代表とその上に位置する大統領が指導者でしたが、現在地球連邦市民は司令お一人ですのでご自身に投票することが出来ない以上大統領になることはできません。なので新しく国を興し、そこで指導者となる方が色々な問題がありません。主に私の機能的には司令官に従う様にプログラムされているので問題なく国を興すことが可能です。以前であれば叛乱防止のためにそれこそ何百通りものプロテクトが掛かっていましたが、現在では司令より上の権限を持つ方がいらっしゃらないので問題ありません。」
突然何を言い出すんだろうこの人は…?
僕が国を興すだとかその国の指導者になるだとか…そもそもここにいるヒトって僕とアリスだけなんだから(いや、アリスは厳密にはヒトじゃないけども…)国も何もないと思うんだけど。
そもそも他国との交渉とかは全く考えてないからなあ…
「提言ありがとう、ただ今のところ他国と関わる気はないから今のところは司令官のままでいいかな。」
「かしこまりました。ただもしその必要が出た場合はすぐに行動に移せる様にしていてもよろしいでしょうか?」
「そうだね!何事も準備は大切だからね!!」
ほんと自分で言ってなんだけど耳が痛いなあ。
「ふふ」
アリスが母さんみたいな目で見てくる…
うん、ほんと気をつけますからユルシテ…
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