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「突然何をする!!友よ!そなたはすでにボロボロではないか、そんなお前を傷つけたくはない!今すぐにやめて巣に帰れ!!」


「悪いが友よ、こちらには後がないのだ。」

こちらが不意をついてブレスで攻撃したにも関わらずまだこちらの身を案じてくれるとは、彼奴らが指定した相手が彼でよかった…


「何があったのか教えてくれ、お前がこんな無謀なことをする奴だとは思えん。」


本当に良い友だ…

何があったのか伝えようとするたびに奴に攻撃してしまうが奴の防幕は俺なんぞでは抜けぬというのに彼奴らも愚かなことだ。

いや…愚かなのは俺か…

ヒトと関わってなどいたから…

そんなことを考えながらも俺の体は止まらずに友を傷つけようと、効かぬと分かっている攻撃を止めることはない。奴らがここまで強力な魔法を使えたとはな…


「頼む友よ…俺を止めてくれ…」

どれほど戦っていただろう、やっと言えた言葉がこれか…


「すまぬ友よ…我にそれを解くことはかなわぬ。せめて苦しまずに逝くがよい。」

泣くなバハムートよ、いつものような豪胆さはどこに行った…お前は我ら竜の王なんだぞ…俺はお前にそんな顔をさせたいわけじゃないんだ…


「ッガッッ」

力が入らぬ…奴の攻撃ではない、なんだ…

地面が迫ってくるというのに恐怖はない。

不思議と抉れて内臓を吐き出す腹に痛みはないのがせめてもの救いか…


「友よ、我がトドメを刺さねばならぬのに、すまない…すまない…」


「良いのだ、俺を殺せばお前はそれを引きずってしまっただろうから…」

そうか、死ぬ間際には彼奴らの魔法の切れるのだな。


「闖入者には我がケジメをつけさせる故、バルバラにてその者を待つが良い…」


「良いのだ友よ、良いのだ。痛みもなく、最後にお前と言葉を交わすことが出来るのだから感謝しなければな。それにバルハラには我を待つものが大勢いるのでな、そんな暇はないわ。だから泣くな友よ。また…バルバラで会おう…」


「相分かった、お主がそう言うのであれば。我も言葉を交わせて嬉しいぞ友よ。また会おう…」


もう目も開けていられない…

様々なことがあった、ヒトと関わり気の良い友と言えるような者も出来た。大切だと思える者さえ現れたのだ。ヒトには色んな者がいる…それが知れただけでも良かったのではないだろうか。


「アリア…いま…あいにいくぞ………」


◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎


友よ…また会おう……


「…そろそろ出てきたらどうだ?ニンゲン」


「邪魔をしてすまなかった。だがあなたが泣いているのを見て、あなたに殺させたくはないと思ったんだ。」


我が友を殺せるとはニンゲンも成長したものだ。面白い。


◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎


「私を好きに処分してくれて構わない。」


「奴の遺言通りお主をどうこうする気はない。安心せよ。」


映像でバハムートが泣いているのを見て僕は自分が何をしようとしていたのか分らされた気がした。これまでは自分のことしか考えていなかったが、彼らのおかげで異端審問の後、いや、それよりも前の村のみんなと両親が死んでしまってから忘れていた命の大切さを思い出せて良かったと思う。


「寛大な心に感謝を。」


「良い、そなたには感謝している。そなた名前はなんと言う?」


「私はエイジ・アマノだ。地球連邦の軍人だ。」


「斯様にして聞いたことのない国だが、お主とその周りのものを見れば他の人とは違うのだろう。そなたの国に興味が湧いた。友の亡骸を弔った後で行っても良いか?」

あー…そうきたか…いいんだけどもさ…


「警戒せずともよい、友を一撃で殺せるような奴など相手にしたくないわ。純粋な興味が湧いただけのことよ。」

皮肉がキツすぎますよ…バハムートさん?殿?分からん…


「そう言うことでしたら歓迎致します。使いを残すので友を弔った後、その者達に言えば案内する様に命じておきます。」


「うむ。よきにはからえ。」


「それでは私はこれで失礼致します。」


「ああ、また会おうぞ。」


ーーー


怖かったあ!!!

ほんとさ、落ち着いてから考えたらよく漏らさなかったな自分!!


取り敢えず要塞に戻ってアリスに報告しよう。

状況はもう知ってるだろうけど…てかこれ昇級資格満たしてるのか…?


まあいいや、帰ろう。

大切なことを思い出せたんだ、それを喜ぼう。

週一か週二程度で更新するつもりですが、週によってはそれより多かったり少なくなったりすると思います!


お付き合いいただければ嬉しいです!

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