夏は来ない。
高校二年の夏。彼は呟いた。
――俺は、独りでいい。
自らを陰キャと自覚し恋愛には決して手を出そうとしない、そして周囲に無害であることを使命だと言い張る彼、望月柊。
それなりに自分が可愛い事を知っていて、ほんの少し威張ってしまった瞬間クラスから嫌われた、言わばいじめられている少女、雨宮桜。
彼は、選ばれる。
彼女に、そして――
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