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ドーナツ・ステーション  作者: モリス
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プロローグ続

夜行性の蝙蝠だって寝静まる真夜中に、赤いライトと耳障りなサイレンでちょっとばかし街を沸かしてしまったな。余裕を持って犯行に及んだはずが今回も警察のお世話になるなんて。ったく…相棒のお前がトロトロしてんのがワリーんだぞ、いつもはもうちょっとハキハキ動いてんだろ〜がっ!!

野次馬たちに向けて中指立てるつもりが後ろ手に拘束されていて、仕方なく「んべー」と舌を出してやった。

オレと相棒のコイツは宝石強盗として現行犯逮捕された。



最近の彼は異常だ、週一のペースで警察のお世話になっている。元より手グセは悪い方だが今はやることのタガが外れている。

今日の宝石強盗に足らず脱走なども含め、今では様々な罪を重ね指名手配されている始末だ。なんたって、捕まっても脱走のツテがあるからな。

ラッキーなことに手に入れてしまったのだ、相棒にドーナツ星人を。ヤツを逃がし屋としてそばに置くようになってからというもの、ハルキはおかしくなってしまった…。



連行されるパトカーの中で悪態をついたせいか後頭部を殴られたような気がする…意識を戻すのにどれぐらいかかった…?

多少のトラブルによる焦りがこみ上げてきたが目を開けると見慣れた鉄格子越しの景色を確認できた。警察に捕まったという自身の状況にかかわらずホッとしてしまった。

コンクリート打ちっ放しの箱だから直に座ってると寒くてありゃしない…って、寒いって感じてくるからだからここに入れられて大体1時間くらいか…そんなには経ってねぇな…。

大人しくしていたおかげか檻の外に見張りの姿もない…チャンスだ。


「オイ起きてんかドーナツ星人」


「…`$&0+.…#~*'&…。」


ったく、相変わらず何つってんのかわかんねー。ドーナツ語ってのはどうも耳馴染みのない音だ、一週間聴き続けてもさっぱり理解できねーよ。そのクセ、オマエの方はオレの喋ってること2日で理解しやがったんだからマジで、ドーナツ星人はすげーよ。

高い知能と宇宙一の肉体の強さを持つ人型生命体。それがドーナツ星人だ。船着場近くの寂れた星人奴隷市場だったが掘り出し物もあったもんだな。そのうえ日本語で喋ってくれたらもっと助かるんだがなぁ…って思うが生憎こんなバケモンにも欠点はあり、言語は理解できるが発音は苦手らしい。なのでもっぱら、ハルキとドーナツ星人とのコミュニケーションはハルキの手首に巻きついた腕時計タイプの翻訳機で行われる。


「えーっと…。」


「…`$&0+.…#~*'&……`$&0+.…+。」

『…動けない…少しも…動けない……。』


「はぁ!!!?これから逃げようってときに動けないダァ!!?ふざけたこと抜かすんじゃねぇよ?こっちはオマエを頼みの綱にしてんだ、こっちはオマエがタラタラしてたせいでピンチなんだ。おふざけ無しで頼むぜ??」


「@;:>?%…$!0+*,>?…`$&0+7=…。」

『冗談言わない…こんなときに…動けないんだ…。』

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