表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

突っ走りさま

突っ走りさま

作者: pupuriko

楽しんで頂けると幸いです!

突っ走りさまからのえーるです!受験頑張って下さい!

「お願い!神様、仏様。何でもいいから合格させてよ!」



少女の白い息が夕暮れ時の空に吸い込まれる。辺りは物音一つない嵐の前の静けさだ。

そんな中、少女は真っ暗闇の中祈っていた。



「ねえ!お願い!」




「おーけー!おーけー!まかせて!」



明るい声が突如降ってきた。




「えっえっえっ!神様!?えっ!」


困惑した少女が辺りを見回すが、姿は見えない。



「そんなあなたには~でーーん! これ!」


元気な女性の声が一人盛り上がる。



「えっ!何が!?」



少女は一人あたふたしている。




「でもね、これは恐ろしいよ…飲んだ時は元気!効果が切れるとずーんだからね…」




ちょっ!神様なに恐ろしいものすすめてんの!というか飲み物…?

と思わず少女は心の中でつっこんだ。


だが、そんな少女の心中など気にせず、神さまは楽しそうに続ける。



「のーのー!心配しないで!全年齢対象!」




全年齢対象…どんな飲み物なんだ…少女はとても心配になった。



そんな少女の心配をよそに





「ねっね!今日はお祈りにきてくれてありがとね!」


神さまは明るく笑った。




「えっ!はぁ…」


次々と降ってくる弾丸に少女の頭は避けきれず、混乱する。









「でもね、のーのー!心配しないで!! あなたの頑張りは私が見たから。応援してるよ。つらい時はまた来てね。」




ふいに心のこもった温かい弾丸が降ってきた。





少女の頭に


心に深く弾ける。







少女のまぶたから涙が一筋あふれる。








しかし、穏やかな雰囲気を壊したのはもちろん…



「あっ!おーのー!ご飯の準備しなきゃー!はいっ!これね!」


神さまは少女の両手に冷たく固い物を握らせる。



「あとね!お賽銭よろしくね!」



神さまは明るく笑い、辺りは静けさに包まれた。





せっかくいい雰囲気だったのに、お賽銭って…あきれるわ。暗闇の中ふっと少女は笑った

が、そう言えばなんでこんなに暗いんだろう?と首を傾げる。





私は一生懸命目を閉じて……ってあっ!?



ばっと目を開ける。薄暗い光が入ってくる。




「目…閉じてた…」




どこの町にもありそうな古びた神社に少女は立っていた。




その少女の両手には





「これ、栄養ドリンクじゃん」




『キッズ!ファイト!ドリンク』

とラベリングされた栄養ドリンクが握られていた。




「もー!なんなのよ!ここの神様は!! これでもくらえ!」



少女は色とりどりのお守りがぶら下がったカバンから、黄金のコインを取り出し賽銭箱に飛ばした。





そしてくるっと回る。





「もー、なんなのよ。本当に!変な神様!…へん…だけど…




ありがとう」



少女は歩み始めた。

読んで頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ