詩とは何か?
詩論、前回までは
芸術作品→自分の思考を、何らかの方法で表現したもの
それでは試しに、詩を定義してみましょう。
詩とは
自分の思考を、言葉で表現したもの
では……
半分正解です。
もちろん間違ってはいないのですが、これは詩以外にも当てはまりますね。
ここで簡単に、芸術を分類してみますと、
・文学(言語芸術)
・美術(造形芸術)
・音楽(音響芸術)
・舞台、映像(総合芸術)
・意匠(応用芸術)
となるみたいです。
(Wikipedia情報。日本語で統一したかったので、デザインは意匠と表記した。)
やはり文学・美術・音楽が基礎的な立ち位置で、複数入り混じったものを総合芸術、芸術を用いて作った機能的なものを応用芸術と呼んでいるみたいですね。
ここでは造形芸術を美術と呼んでいますね。なるほど……。
潮風的に定義・分類するなら、視覚で認識するなら造形芸術、聴覚で認識するなら音響芸術、二次的な言葉で認識するなら言語芸術、といった感じでしょうか。これだと、文字は視覚、音韻のみだと聴覚、とさらに区別できそうです。
二次的というのは、それそのものを直接的に見たり聞いたりして認識するのではなく、それの意味を読み取って認識するもののことです。ちゃんとした専門用語で何と言うかは、ちょっと分かりませんが……。
これだと、例えば、「空色」という言葉があったとして、これが何なのか、は各人によってイメージが異なります。言葉は、あやふやで不確かな表現方法なのかもしれません。
これでさっきの定義、
自分の思考を、言葉で表現したもの
は、文学全般に言えることとなります。
じゃあ、詩とはなんなのか? 潮風もずっと考えてきました。
そして答えを見つけました。
分かりやすく説明するために、小説と比較してみましょう。
小説の純文学と、詩の散文詩が隣り合った近隣ジャンルだと考えます。
潮風流の定義では、純文学→言葉の一語一語に気を使って書かれた物語。散文詩→小説のような文体で書かれた詩。
ここで鍵となるのは、物語、です。
純文学は、いくら言葉が巧みで凄くても、それだけでは成立しません。あくまで物語、ストーリーありきなのです。つまり、小説の"武器"は物語です。物語を以て伝えたいことを表現したものが小説となりえます。
対して散文詩は、いくら小説風に書かれても、ストーリーがメインとなることはありません。もちろん句読点の有無も問題ではありません。(これは後ほど説明しますが、使わない方が"間"を感じ取りやすいので、詩には使われにくいのだと考えています。)
では、詩の"武器"は…………
それは、「言葉そのものの美しさ」です。
言ってしまえば、簡単ですよね。言葉そのもののみを用いて、伝えたいことを表現する。他には何も頼らない。
たとえるのが難しいですが、ゲームでたとえるなら詩は無属性といったところでしょうか?
詩とは、
自分の思考を、言葉そのもののみを使って表現したもの。
これは、かなり幅が広いと思います。
なのに、なのに、詩はいまだマイナージャンルです…………こんなに自由なのに。
はい。これが前回、詩は絵をライバル視しているといった理由です。
詩が言語芸術の無属性代表だとすれば、きっと絵は造形芸術(二次元)の無属性代表だと思います。
絵はメジャーで、絵を描くのが趣味だと言っても何ら違和感はありません。
しかし、詩はどうでしょう。芸術的な絵を絵画と言ったりして、絵画を鑑賞したりもしますが。芸術的な詩を詩歌と言うことはめったにない気がしますし、詩歌を鑑賞することもめったにない気がします(笑) 落書きするみたいに詩を書く人も、少ないと思います(笑) 詩を書くのが趣味だと言うのはとても恥ずかしい(笑)
と、少々熱くなってしまいましたが。
潮風の願いは、詩は絵と同じくらいみんなに愛される芸術または娯楽になってほしい、ということです。それを踏まえて、詩のライバルは絵、と書いたのです。
ちなみに、友達は音楽としたのは、詩は音楽と同じくリズムも大事にするからです。音楽は誰かの作品を演奏する"再芸術"であることが多いですが、文学の再芸術として、朗読があります。朗読を描いた漫画『花もて語れ』はオススメです。
詩について分かったところで、次頁はもう少し掘り下げてみましょう。
BiSHのライブ行ってみたい。