物語のはじまりwithロリ(16歳)
2話目です!
楽しんでもらえたら幸いです!
こんなラノベ的展開が今までにあっただろうか。いや、無かった。ある筈が無い。
そんなある筈の無い展開が今目の前で起きているのだ。マジで興奮する3秒前だな。美女とロリを前にして心は乱れている。決してロリコンでは無い。勘違いはしないでほしい。
「それでは、説明しますね」
いよいよ説明される。体がビリビリする。震える。目が泳ぐのを自覚しているくらいだ。
そして、アニールさんが説明を始める。
「単刀直入に言うと、夜伊人様はテア様の側近となり、人間世界で一緒に暮らしてもらいます」
「「え?」」
驚いたのは俺だけでは無く、テアもだった。
一緒に暮らす?このロリと?
それって、それって……さいこ…
「ちょっと待ちなさい!」
テアが叫ぶ。何事だ?
「何か問題でも?テア様」
「問題あるわよ!ていうか、問題だらけだわ!第一、何故私がこんな品が無さそうで、お金も無さそうで、モテ期も一生来なさそうは男と一緒に暮らさないといけないのよ!」
「言いすぎたろ!お前。何がなんでも酷いぞ!」
「あなたは黙ってなさい!!」
「ふぁ、ふぁい……」
あまりの威勢に萎縮してしまう。おいおい、マジでこいつロリかよ……
「まあ、そんな気はしますね」
「アニールさんまで!?」
ニコッと言ってきたアニールさんには恐怖心さえ抱く。この人、意外と怖いぃ!!
「それでも、顔立ちは良いと思いますよ?」
はぁ〜!!!なんだなんだ、いい人じゃないか!それに俺のことをよく分かってる!
「タイプではないですけどね!」
っ…!?はは…ははは……
「それはそうと、やっぱり嫌よ。そもそも何故人間世界に?こちらでいいでしょう」
「それがダメなんですよ」
「なんでよ?」
「先祖代々、魔王や女王になられてきた偉大なお方は人間世界にて、人間と共同生活を高校2年間送ってきたのです」
へぇー、そうなのか。そう感心していると、
「そ、そんなの嘘よ!そんなわけないじゃない」
「残念だが、そうなのだよ」
「お父様!?」
「魔王様」
威厳と格のあるドスの効いたの声。それを聞いた瞬間身震いした。
後方から聞こえたので振り返ると、そこに立っていたのは、スーツ姿の1人の男。
こ、これは!!……って、スーツ?え、なんでスーツ?おかしくない?魔王なんだろ?魔王ってもっと、暗い色の服に、マントとか着て、紫色っぽいオーラルを出しながらドスドス歩いてくるものじゃないのか?
しかも、声に見合わずすらっとしていて身長が高く、髪の毛はワックスで固めている。
いかつい、茶色のサングラスをかけていて、スーツがよく似合っている。
「どうした?若者よ。そんなに驚いたような顔をして」
「いや、本当に驚いてるんですよ!魔王ってこうなか、マントとか着たり、凄い強そうなオーラ放ったり、ていうか魔王は強いんですけど」
「私達はね、アニールが言っていた通り、代々人間世界で高校2年間人間と暮らしてきたんだよ。だから、人間世界の文化が混じっているんだ。それに、スーツの方が着心地がいいんだよ」
なんかこれは、要するにギャップ萎えだな……
「人間世界の文化ですか……あぁ、それより、人間世界で暮らすというのは本当なんですね」
「あぁ、本当だ」
「私は認めない。絶対にね」
テアは頑なに、人間世界で暮らすのを拒んでいる。俺と暮らすのが嫌なのか、そもそも人間世界に行くのが嫌なのか。
変なことは考えないでおこう。
「ふむ。なら別に行かなくて良い」
「本当に!?」
「しかし、女王にはなれんぞ?」
「な、なんでよ!」
「魔王、または女王になるための義務なんだ」
「……義務なんて………」
「そういう事なので、テア様、覚悟を決めて夜伊人様と人間世界へ行かれるのです」
「うぅ……わかったわ、義務なら仕方がない。行くわよ!」
「ようやくですか…。ということなので、夜伊人様、今後は人間世界でテア様を宜しくお願いしますね」
アニールさんがペコッとお辞儀をした。しかし、その目は心配そうにも見えた。
「あの、拒否権は?」
「え?あるわけないじゃいですか!」
うわ!!満面の笑だよこの人!やっぱり怖い!アニーさん怖いぃ!!
「では、テア様、あちらに人間世界に繋がっている扉がありますので」
アニールさんが手を向けた方には禍々しい、紫色と黒色が混じったような扉が佇んでいる。
まさか、こんな展開とはな。ロリと二人暮しか。
ん?いや待てよ?さっき、高校2年間って言ってたよな?じゃあ、まさか……
「すまないが、テア。今いくつだ?」
「16歳よ。高2年間って言ってるじゃない。やっぱり、あなた無能だわ」
「あー、はいすいませんでした…」
テアの口の悪さに萎縮する。
いやしかし、16歳だとは。まじで小学生に見えたじゃないか。
「まさかあなた、私がまだ10歳くらいだと思っていたの?」
なに!?心を読んだ!?
「そ、そうだが?」
「ふんっ!見た目で判断しもらっては困るわ」
「そう言われても見た目が第一印象だし。それに恐らくだが、10人中9人は小学生だと答えると思うぞ?」
「な、なによ、なによ!小学生っぽくて悪かったわね!」
ぽんぽんとお腹を拳で殴ってくるが、か弱だ。涙目のテアはどこか可愛らしくも見えるが…
これで俺がロリコンじゃないということは証明できた!
「それじゃ、夜伊人君。テアを頼んだぞ」
ドスの効いた声には相変わらず恐怖心を抱く。
「は、はい…」
「そろそろ、行きましょう。それではテア様、御健康と御武運を祈って、ちゅっ」
アニールさんがテアの頬にキスをした。その瞬間、テアの顔が赤くなり、
「や、やめなさい!恥ずかしいわよ…」
「別にいいじゃないですか、女同士ですし」
「むぅ……」
はぁ、今からこいつとの二人暮しが始まるのか。なんだか気が重いな。ただ……、俺は主人公になるんだ。この物語の。それって最高じゃないか?夢にまで見た物語の主人公。こんなのラノベだって書けてしまう。
果たして俺とテアはどうなるのか。今のところ俺のテアに対しての印象はロリだ。決してロリコンではないぞ?
「テア様、夜伊人様、準備が出来ましたら、いつでも扉へどうぞ」
「わかりました」
「はぁ、気が引けるわ」
こっちのセリフだよ!と、口に出しそうだった。危ない危ない。
「それじゃ行くわよ夜伊人」
「お、おう」
「なに?緊張しているの?」
「多少はな」
「まあ、思春期真っ盛りの時期に女の子と二人暮しですもんね。興奮くらいするかしら」
「そ、そんなことねぇよ」
動揺してるのを隠そうと、目を逸らすも、
「動揺してるのバレバレだわ」
「ギクッ!?」
バレてたか…この女、鋭いぞ!
「はぁ〜全く、ほら、グダグダしてないでさっさと行くわよ」
「はいはい」
「お父様、アニール、行ってくるわ」
「行ってらっしゃいませ!テア様」
「おう、気をつけてな」
アニールは今にも泣き出しそうに、魔王様は表情こそは変えてないものの、目には心配の色が。2人ともやっぱり心配だし、悲しいんだな。
そうとなると、俺がしっかりと支えないと。今の調子だと無理だろうけど。
それでも……
「行くぞ、テア」
「わかってるわよ」
扉の前に並んで立つ。と、テアが手を握ってきた。
「べ、別に何でもないのよ。あなたが怖そうだからその……」
「俺は何も聞いてないぞ?」
調子良さそうに言う俺に、
「こ、この…!!」
言葉を失うテアだった。
「じゃあ、くぐろうか」
「う、うん」
なんだよ、怖いのかよ。魔王の娘のくせしやがって。
俺とテアは足を揃えて一歩を踏み出した。
これから俺とテアの物語が始まる。この先俺とテアがどうなるのかは誰もわらがない。なんとなくだが、いい方向には進むと思う。
だから、俺は、
"物語の主人公の頂点になってやる!!"
2話目、どうでしたか?
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それでは3話で会いましょう!