こんなラノベ展開…!!!
お久しぶりです!!
テスト終わりましたので新しいシリーズを始めます。もうひとつの方は案が思いつかないので今は中断してこちらを書きました。
恐らくだが、今俺が見ている光景は世界中どこへ行っても見ることは出来ないだろう。可能性は限りなくゼロに近い。
俺だってこんな光景は初めて見る。自室の何倍、何十倍、いや何百倍くらいあるだろう。うまく言い表せないが、講堂っぽい、しかし、誰かが公演をしたり、劇団が劇をするような舞台はなく、俺が立ち尽くしている一直線上に赤いカーペットがシワなく敷かれている。
天井も勿論比べ物にならないくらい高い。
見上げた先にはゴチャゴチャと小さな装飾品が規則的に取り付けられた、これまたどデカいシャンデリアがこの空間一番と言えるくらい、存在感を放っている。
壁には縦長の意外とシンプルな黒縁の窓が等間隔で行儀よく並んでいる。
外は大雨らしく、風も強い。縦長の窓が先程からガタガタと鳴っている。おまけに雷だ。あ、光った。大きなのがくるぞ。
ゴゴォーーーン!!!!!
もの凄い音と、衝撃に身震いしてしまう。多分、どっかに落ちただろう。大丈夫かな?
いや待て。今一番心配すべきはこの状況だ。何故俺はこんな見たこともない意味のわからない場所にいるんだ?さっきまで、家で本読んでなかったっけ?
「ふふふっ」
な、なんだ?この不気味な笑い声は。声はカーペットの先から聞こえた。恐る恐るそちらに目をやる。大きなシャンデリアは見かけによらず、ほとんど光を放っておらず、先が見えない。
「誰だ?誰かいるのか?」
「えぇ、いるわよ、ふふふっ」
返事が返ってきた。誰かはいるようだ。声音からすると若い女性だろうか。少し子供っぽい声でもある。相変わらず相手の姿が見えない。
「誰なんだ?」
「あら、下僕のくせにそんな言葉遣いをしていいのかしら?」
「下僕?なんのことだ?」
「ふふふっ、あなたは私の下僕。もしかして、何も説明も受けてないの?」
「ああ、説明されてない。だから、この状況が理解できないだ」
「なるほど。少し待ちなさい」
暗闇の先から聞こえる声に従い、待つことにする。その間に整理でもしようか。
取り敢えず俺は女の子の声の主の下僕としてここに来た、いや、連れてこられたというべきか?でも、何故?俺が下僕?うーん、、、なんかよく分からないな。
「待ちくたびれたぞ」
ん?あの声だ。誰かに話しかけてるようだが。
「呼び出してから、30秒も経ってないですよ?」
「そんなもの関係ない!普通なら10秒以内で来るものよ」
「魔王様の御出迎えをしていたのですから、仕方がありません」
「ふんっ、まあいいわ。それより、あっちにいる私の下僕に今の状況を説明してあげて」
「あれ?説明されてないのですか?」
「なぜ私がしないといけないんだ」
「はいはい、かしこまりました」
どうやら、女の子の声の主が誰かを呼んだようだ。その人が状況を説明してくれるらしい。
と、今までやる気のなさそうに光を放っていたシャンデリアが打って変わって、目が眩むほどの光を放ってきた。
何とか目を細めて正面を見る。視界には2人の女性が立っていた。
1人は小学生くらいだろうか、身長がかなり低い。派手な赤と黒のうずまきソフトみたいな柄のドレスを着ている。
銀髪の髪をツインテールにしていて、顔立ちは整っているが、幼女じみている。普通に可愛い。見た目的に、最初の声の持ち主だろう。
もう1人は、一般的なメイド服を着ている。非常に似合っている。綺麗な黄緑の髪を下ろしていて、腰くらいまで伸びている。ドレスを来てる方とは違い身長も並にあり、綺麗である。
「こんにちわ、籠峰 夜伊人様。この度はこちらの勝手で見知らぬ場所に連れてきてしまい、申し訳ございません。私、アニール・ベルシルクと申します。以後お見知りおきを」
「は、はい」
黄緑の髪の女性が丁寧に謝罪と自己紹介をしてきた。なんて、答えればいいんだろうか。
「ちょっと、下僕に対して情けは無用よ」
「だから言ってるじゃないですか、夜伊人様は決して下僕ではなく、私の代わりにテア様の側近になられる方だと」
「そんなの私は認めないわ。アニール以外が側近だなんてありえないわよ」
そう言った、テアとかいう娘が俺にきっと視線を向け、
「勘違いしないで。あなたはあくまでも私の下僕。側近ではない」
「ごめんなさい、言ってることが分からないです」
すると、テアの顔が歪んだ。
「はぁ?このくらいの理解力もないだなんて、やっぱり人間は無能だわ」
「失礼ですよ!テア様」
「たかが人間、私達、魔族の足元にも及ばない、ゴミ同然の存在」
なんだあいつ、偉そうに。アニールは申し訳なさそうにこちらへ向き、ジェスチャーだけで謝り、テアの頭を叩いた。そして、説教が始まった。側近がそんな事していいのか?
そんな疑問を頭に浮かべている内に、説教を終えたようでアニールはかしこまったようにこっちへ向いた。
「それでは改めて、夜伊人様。あなたはテア様の側近になることを誓いますか?」
「は、え?いや、何言ってるんですか?意味わかんないです」
「え?あ、説明を忘れてましたね。ごめんなさい」
苦笑しながらペコッとお辞儀をした後、アニールは説明をし始めた。
「ここは、夜伊人様のおられる世界で言う、異世界と呼ばれる世界。ここは、ジェネロ大陸にある魔王城でこの方が魔王の娘にして、将来の女王が仮ではありますが決定している、テア・イルフリート様。ここまでは理解できますでしょうか?」
「えっと、まあなんとなく」
この答えは決して嘘ではなく、今までに異世界もののラノベを読んできた俺なら、なんとなくなら理解できる。いつか、こういう展開を期待していた俺も居たので、取り敢えずこの状況を期待することにした。
「それは良かったです。それでは続けますね。ここから本題です」
「は、はい」
本題……、一体、下僕やら、側近やらどういう事なのか……。それが今から分かるのか。
口角が上がる。にやけてしまう。今から何を言われるか、何をされるか分からない。正直少し怖い。でも、楽しみだ。
本当にこんなことが起きるのだと。
だってこれ、まじでラノベ展開じゃん!!
どうでしたか?2作目。て言ってももうひとつの方も全然進んでないんですけどね笑笑
取り敢えず楽しんでもらえたら幸いです!
読んでくださった方ありがとうございます!!