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ファルとにゃんたは枝が倒れた方向に進んで居るが一向に抜け出せない。
それも当然この森は、迷いの森と呼ばれていて一度入ったら2度と帰れないと言われているがファルは、ずっとこの森で過ごしていたのでそう呼ばれている事は知らない。
そうでは無くても普通は、枝が倒れた方向に行けば行きたい所へ行けるはずがない。
「ルー、あっし少し休憩したいにゃ」
「そうだね、1時間ぐらいずっと歩いてたからね。はい、水」
バックの中から水筒を取り出し渡した。
「はぁー、生き返るにゃ」
もう日が暮れ始めてるな、今日中にこの森出るの無理だな、野営の準備しなくちゃ。
「にゃんた、今日中にこの森出るの無理そうだから、野営出来る少し開けた場所探そうか」
「分かったにゃ。ルーは疲れてにゃいか?」
「うん、大丈夫だよ」
にゃんたは優しいな。
「それじゃ、行くにゃ」
「にゃんた、疲れた時言ってね」
「分かってるにゃ」
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うーん、そろそろ野営の準備しないと何だけどなぁ。
「ルー!あっちに少し開けた場所があるにゃ!」
「本当!?ありがとう!にゃんた!」
つい、にゃんたを抱きしめてしまった。
「ごめん、にゃんた」
「気にするにゃ、それより準備をするにゃ」
「そうだね、にゃんたは落ちてる枝拾って来てくれるかな?テントは組み立てとくから」
「分かったにゃ」
にゃんたに枝を拾って貰ってる間に僕はテントの組み立てをしていた。
その時、がさがさと草むらから不意に音がした。
にゃんたかな?そう思ってたら、草むらからは小さなウルフが出てきた。
「どうした?あっ、血が出てるじゃないか!確かポーションもってきてたよな…」
小さなウルフは足から血を流していた。
それを見た僕は、反射的にバックの中からポーションを探していた。
「あった!ちょっと染みるけど我慢してくれよ」
「キャンっ!」
ウルフは痛がっていたが一応傷は塞がったみたいだ。
「よかった…」
「ルー、枝持ってきた…にゃ?なんにゃそのウルフは」
「草むらから出てきたんだよ、それで血を流していたからポーションをかけたんだ」
(はぁ、まったくルーは…またかにゃ)
「助けた後、襲われたらどうするにゃ!ちゃんと後の事も考えて行動するにゃ!」
「ごめん、でも、痛そうだったからつい…」
「でもじゃないにゃ!気をつけろにゃ!」
「………「返事をするにゃ!」…はぃ」
「食べ物とるから少し待ってて…ね…?」
「分かったにゃ、このウルフを見とくにゃ」
確かバックの中に、ラットの肉のサンドイッチがあるはず。
うん、あるな。
冷えてきてるから暖かいもの食べたいけど時間かける訳にもいかないしな。
今日はこれで我慢して貰おう。
「にゃんた、サンドイッチでいいかな?シチューとか作る時間無いから」
「ルー、そのサンドイッチの肉はなんにゃ?」
「もちろん、ラットの肉だけど?」
「本当かにゃ!」
「う、うん。本当だよ。明日はちゃんと作るから今日はこれで我慢して?」
「これからもずっと、これでいいにゃ」
「そういう訳にはいかないよ。ちゃんと栄養考えないと」
「ルー、もっとにゃいか?」
「もう食べたの!?もっとゆっくり食べなよ!」
「こればかりは、しょうがにゃい。どうしようもないにゃ」
「それで、このウルフの具合はどうなの?」
「ああ、それにゃんだが大丈夫だにゃ。ポーションが効いていて、傷は塞がってるから、今は疲れたて寝てるにゃ」
「僕らも食べ終わったから寝ようか、見張りはにゃんた先でいいかな?」
「分かったにゃ、ぐっすり寝てろにゃ」
「うん、おやすみ」
にゃんたに見張りを頼んだ僕はテントの中に入り、眠った。