武田拓斗のプロローグ
俺は最近、人を信じられない。
例えば『勉強』
例えば『友情』
例えば『恋愛』
例えば『学校』
例えば『家族』
例えば『部活』
『勉強』毎日毎日なんのために勉強をしなければいけないんだ?
『友情』誰が本当で誰が嘘を言っているのか分らない。
本当の友情ってなんだ?
『恋愛』好きってなんだ?
俺には好きなやつなんて居ない。
『学校』教師は勉強勉強うるさい。
生徒のためとか言っておきながら最終的には自分だろ?
『家族』毎日同じように毎日同じ家族に毎日同じような話しをする。
毎日が平凡だと思うのは俺だけか?
『部活』俺は一応部活には入っている。
陸上部だ。でも部活も毎日同じ事ばかりだろ?
本当のことなど分らない。
俺は真実かどうかを見抜くことなどできない。
だからこそ人を信じることができない。
「もう人なんか信じない」
そう決めたあの日から、
あの瞬間から、
俺は何のために生きているのか、
誰のために生きているのか、
なぜこの世界が存在するのか、
すべてが謎だ。
「俺とお前の友情は変わらないぜ☆」
そう言って裏切られた。
あの頃はアイツを怨んでいた。
だけど今は感謝している。
アイツのあの言葉を聞くまで、
俺はこの世界の本当の姿を、
本当の人の心を、
知る事ができなかったから・・・・。