表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
津軽藩以前 (1568-1576)  作者: かんから
偽一揆 永禄十二年(1569)正月
7/105

第一章 第三話 初めての策謀

 「ある。」


 為信は即座に答えた。

 

 「事が成った暁には、他国者にも禄をはらませよう。お主はどうだ、面松斎。」


 他国者が為信の家来になるということ・・・。彼らにとっては、たいそうな驚きに違いない。しかし・・・。


 「金はどうするので。一揆も何かと物入りですぞ。」


 「鯵ヶ沢の理右衛門から借りる。あやつなら他国者に理解はあろう。私とも親しい。」


 長谷川(はせがわ)()()()()・・・。船問屋である彼は、多くの他国者を津軽の地に連れてきていた。為信と同様、他国者の扱いを哀れに思っている。


 「では、為信様は本当に我らを雇えるのですかな。周りの者が嫌がるのでは。」


 「心配ご無用。私の手柄によって、そのようなたわごとはねじ伏せる。」


 若様よ・・・そううまくいくものか。


「もし、一揆に失敗した場合はどう責任を取ってくださる。」


 その時は、さらに他国者の立場は悪くなる。

為信は瞑る。・・・突然カッと目を開き、面松斎に訴えた。


 「このままでお前らはいいのか。」


 生意気な・・“お前ら”なんて。


「お前らにしてみれば、進むも地獄、止まるも地獄だ。ここで成功すれば禄にありつけるだけではない。話せばわかる奴らなのだなと、在来の民は知ることになる。そこから、対話が始まるのではないか。」


 まだ、早口は治らない。


 

 面松斎は・・・筮竹を手に持った。当たるも八卦、当たらぬも八卦。・・・占いなど、もともとは為政者が民を従えるための道具に過ぎなかった。それに、占いの修行などしたことがない。真似てやっているだけ。


 偽占い師の結果がでる。


 本掛・・・“風雷益”


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=684254948&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ