第一章 第十九話
第一章 第十九話
隣室のレセプション会場は、途中休憩の時とはがらりと様相を変え、テーブルには白い布でクロスがひかれ、料理を並べる小皿も手の込んだものが準備されていた。すべてサクシードの協力によるものである。
チハルが準備したのはこの時代、タライバン島でも材料が手に入る未来の和食≪親子丼≫と≪天ぷら≫、その天ぷらを使った天丼と
魚介の澄まし汁である。干した海藻と魚、食用キノコでとった出汁と、酒、塩、砂糖の配合に苦労して完成したこの時代ならではの割り下を使った一品で、イ神官と宮廷料理人の協力の下完成させた自慢の一品である。タライバン島で対岸から渡って来た住人が自宅で製造していた味噌の上澄みを≪醤油≫の代わりに使っている。
すでにチハルが再現し、試食済みのイ神官と宮廷料理人は一度で濃厚なダシの風味の虜になってしまい、宮廷料理人たちはプライドをかけて調理技術の再現に尽力してくれた。
日本では天ぷらの原型料理が奈良、平安時代に渡来したと考えられており、精進料理としてお寺などで製法が工夫されていった。現代とほぼ同じ形の天ぷらは15-16世紀に考案されたと考えられており、江戸時代には庶民にも広く普及した。タライバン島で再現したものは、チハルが製造した氷によりグルテンの生成を抑え、衣がカリッと揚げられてている。この時代のイャワト、日本にもない天ぷらである。
天丼は一説によると浅草、雷門付近で1837年に創業した「三定」という店が発祥で、他の説によると1831年、新橋で創業した「橋善」が発祥であるとも言われている。正確な年代は分からないが、少なくともこの時代より200年以上先の料理である。
親子丼の発祥にも諸説あるが、天丼よりは新しい。一説によると1887年頃に日本橋の軍鶏料理店「玉ひで」で、軍鶏鍋の締めに卵でとじたものをご飯に乗せて食べるものを「親子煮」と呼んだのが始まりであるという。これを始めからご飯にかけて提供し始めたのが1891年で、当時は猫まんまと同じような下劣な料理であるとされて店内では提供していなかった。また1903年に大阪で開催された内国勧業博覧会で、大阪の料亭「とり菊」の店主が考案したという説もある。
タライバン島では稲作も盛んで、住民の必要分を補って余りあるコメが製造されていた。余剰分は対岸へ向けて販売もされている。チハルはその米を使った未来の料理の再現を考え、天ぷら、親子丼、天丼の再現に成功した。イ神官と宮廷料理人以外に実食させるのは今回が初めてである。
チハルの後を追って幾人かの聴衆が隣室のレセプション会場へ入って来た。
「おお!」
「チハル殿!これは!」
「なんだこれは?卵か?こちらは……、揚げてあるのか?それとスープ?」
すべての料理は一人前ずつではなく、小ぶりの皿に数口分と少量ずつ取り分けられている。チハルは特に指示していなかったが、さすが宮廷料理人、盛り付けにもこだわりが見える。
「さぁ、さぁ、未来の僕の国の料理です。食べてみてください。美味いですよ!」
先ほどの休憩時にチハルが作ったというクッキーとタンポポコーヒーをすでに知っている面々である。恐る恐る器を手に取り、あるものは箸で、またあるものは匙を使って料理を口に運んだ。
「!む、これは!」
「おお、これは美味いな!」
「甘い!?いや、これはカモ?いや、キジか?卵と……!」
「こ、おお、この音、口の中で崩れるが……、一体どういう。」
全員が全員一口目を口にした瞬間に驚きの声を上げた。チハルの知る限りメルイーウやタライバン島の料理で、和食ほど出汁を活用した料理はない。この時代には≪うま味≫という概念がないので、現代和食の味を表現する単語がない。各人が思い思いにおいしさを表現し、あるものは詩のような表現でその味を表した。最初に親子丼に手を付けたものは次は天丼を、天丼に手を付けたものは親子丼を手にし、口直しに香草の天ぷらを食べ、油っこさを感じればスープで流した。
「チハル!これは見事だ!こんなに美味いもの王宮でも食べたことがないぞ!あっぱれである。」
少し遅れて入って来たショーピン姫が、チハルに近寄ってきて料理を絶賛した。
「作ったのはあそこ、あちらの宮廷料理人のシャウさんです。僕は作り方を教えただけ。」
チハルに紹介された宮廷料理人のシャウ・ピーフがニヤリとしながら姫を見た。メルイーウの食習慣では料理人が食事中に姿を現すことはない。しかし今回のレセプションではチハルが「調理の実演を参加者に見せたい、天ぷらはそちらの方がおいしい」という意見を通した。
円形に並べられたテーブルの中央に油を注いだ鍋と七輪が設置されており、シャウとその部下の料理人がこれまたチハル考案の調理服をまとって立っている。
「ショーピン姫、ほら、こっちだ。ここから食べたいものを選んで。」
「む?なんじゃこれは?生の野菜か?こちらは魚か?どれも生であるな。」
チハルはテーブルの一角にある材料を乗せた皿の近くへショーピン姫をいざなった。
「好きな野菜はあるか?」
「うむ?まぁ、コレ……、とコレか。でも生では食わぬぞ。」
「魚は大丈夫か?」
「いや、食べるが、生であろう?気持ち悪いわ。」
「よし、えー、ハイ、皆さんも少し注目してください!」
チハルはショーピン姫の選んだ食材と、いくつかの魚の切り身をピックアップし、空いた更に菜箸で取り分けてシャウ料理長に渡した。皿を手渡すときに料理長が頷き、チハルもそれに頷いて答えた。
シャウ料理長は食材に手早く衣をつけ、油に入れた。
ジュワ……、パラパラという天ぷらを揚げる音が室内に響き渡った。
「おお!なんじゃこの音は?!おお、あれか、あそこの油で揚げておる音か?面白いな!チハル、これはなんじゃ?」
「これが"天ぷら"だ、俺の国の伝統料理だな。まぁ、すぐにできるから見てろ。」
料理長は油を時折菜箸でかき混ぜながら、材料をつついて衣に火が通ったかを確認している。材料は何度か浮き沈みを繰り返し、その後引き上げられた。
数分待って揚げたての天ぷらが油きりの紙を引いた皿に乗せられてショーピン姫に返された。皿の端には岩塩と乾燥させた海藻や香辛料を合わせて挽いたものが数種類添えられている。
「その皿の端にある色のついた塩があるだろう?それをかけて食べるんだ。好きなものを使えばいい。」
「こうか?この赤い塩はなんじゃ?これが先ほどわらわが選んだ野菜か?(パクリ、シャク、シャク)……、おお、おお!美味い!熱!おいしいぞ!」
その様子を取り囲むように見ていた聴衆らが我先にと材料を皿に取り分け始めた。シャウ料理長の腕の見せ所はここからだ。本来ショーピン姫ほどの身分になれば食事にはいちいち毒見が必要なのであるが、ショーピン姫はことあるごとに毒見前の料理を食べ教育係を青くさせていた。本人に言わせれば「私に毒を持ったところでなんの意味もない」だそうである。何度指摘しても治らないので教育係の宰相らは食事に関しては手も口も出さないでよいという王の許可も取っていた。
「んまーい!なんという味じゃ!今日この場に来て本当によかったわ!チハル、そなたはすごいのう!ほめて使わすぞ。」
ショーピン姫は初めて食べる天ぷらに子供のように大喜びである。それを遠巻きに観察している教育係の宰相と神官長もどこか嬉しそうだ。メルイーウでは王から招きがあった場合以外は、王は配下と食事をともにすることはない。そのため今回のレセプションにも王は不在である。もちろん作り置きしてあった親子丼、天丼、天ぷら、スープは豪華な器に盛り付けられて別室の王の食卓へ運ばれていた。
「さぁさぁ、みなさんも、今日は講義に参加していただきありがとうございました。ささやかながらこうして未来の料理を準備させていただきましたので、時間の許す限りお楽しみください。」
その後チハルは聴衆らに講義の感想を聞いたり、技術の相談などをしたりしながら楽しく時間を過ごした。全員が満腹になり、宴もたけなわといった頃、この日最後の未来の知識が披露された。
料理人が部屋中央の調理場から撤収し、一度室外に出た。しばらく後に料理人が手に広い盆を持ち、液体を注いだグラスを乗せて再入城した。
これもチハルが苦心の末考案した未来の料理。≪カクテル≫、特に焼酎を用いた≪チューハイ≫である。
タライバン島は年中を通して気温が高いため、清酒の製造には適さず、その技術も知識もない。庶民らの間では米やサツマイモを使ったどぶろくが飲まれていたが、お世辞にも美味いとはいえる代物ではなかった。チハルはそれを蒸留することで焼酎を得ており、製造した氷と組み合わせた焼酎ロックをひそかに晩酌として飲用していた。もっともチハルはそれほど酒が強いわけではないので、夜空が見ながらなど、あくまで雰囲気を楽しむために一口二口飲むためにである。この焼酎はサクシードにも提供されており、近いうちに小規模な蒸留工場も製造に着手する予定であった。
「はーい、みなさん、今日はこれで最後です。これを飲んだらお開きです。残って談笑しても良いですが、料理は片付けますよ。あとこれ、お酒ですので量に注意してくださいね。」
チハルが作ったのはタライバン島産の焼酎と酸味の強いレモンのような果実の絞り汁を合わせた≪チューハイ≫である。他にも焼酎に香草を漬け込んだトニックのようなものもいくつか作ってある。さすがにレシピごとにグラスを変えるまではできなかったので、すべて、ぐい飲みのような小型のカップに入れてある。
「ほほう、酒とな?どれ、わしが一杯飲んでみよう。」
その反応だけで酒好きとわかる宰相クダレムが、ずいとチハルに歩み寄り、促されるままテーブルに並べられた盆の上のグラスを手に取った。
「…、む、ふぅ。」
「どうです?」
「ふはー。これは、美味いな。果物、ジュージの実を混ぜてあるのか?どれ、もう一杯。」
「あ、ちょっと、それ、思ってるより強いですよ?」
「構わぬわ。どれ、ん、むーぅ。ンハー。うむ、美味い」
「(カクテルってああして飲むものだっけか?)ど、どうも、これ、チューハイって言います。お酒自体に名前はついてないので、そうですね。最初に飲んだということで、クダレムさん、これに名前を付けてください。そういう習慣なんです。」
「お、名前か?この酒に?」
「はい、何でもいいですよ。」
クダレムは薄く目を閉じ、鼻で息をしながら口内に残った酒の残り香に集中した。最初の一人に命名の権利が与えられるとあっては、身分の低いものはおいそれと手を出しにくい。クダレムが最初の一杯を飲んでから、他のものはそれを取り囲んで見守っている。
「うむ、これだ。"星に針"などどうだろう?天空の星に針を刺す、この酒の酸味が針よ。天に昇る刺激である。」
イ神官に意味を翻訳させたチハルは、その表現に驚いていた。チハルの世界でウォッカをベースに同じカクテルを作れば≪スクリュードライバー≫という名称になる。混ぜるのに使った工具の名前をそのまま使ったという名称だが、ここタライバン島では文官の最高峰が命名したこともあり、なんとも詩的な名前になってしまった。
「いいですね!さあ、後二種類、だれか一杯飲んで名前を付けてみませんか?歴史に残るかもしれませんよ!」
「む?ではわらわが!」
ショーピン姫が一歩前に進み出た。
「いや、まてまて、お前酒飲めるのか?子供はだめだ?」
「わらわを子ども扱いするでない、果実酒など食事と一緒に飲むこともあるわ。こちらか?こちらを選べばよいのか?この杯の縁のこれはなんじゃ?塩か?」
「いや、まてまて」
チハルは宰相と神官長に目をやった。気分の良くなったクダレムが、大きな声で返した。
「ショーピン姫、年頃の娘がこれくらい飲めないでどうする。そうだな、どうせなら思い人の名でも付けるがよかろう。」
そういうと、神官長がすぐに割って入った。
「いや、またれよ。姫がどのくらい飲めるのか私も知らぬ。ここでつぶれては介抱するものがおらぬ。」
チハルが二人の意見の違いに戸惑っているうちに、ショーピン姫はチハルの脇を抜けて縁に塩が塗られたグラスを手にした。それをくいっとあおり、ごくごくとそのまま全量を飲み干した。
「あ、それ、そうやって飲むものじゃ……。」
チハルが用意した三種類のカクテルのうち、最もアルコール度数の高いものを一気飲みしてしまった。グラスの縁に塩を付けたウォッカとグレープフルーツジュースのカクテル≪ソルティ・ドッグ≫を模した焼酎ベースのカクテルである。グレープフルーツが手に入らなかったため、先ほどの「星に針」と同じ柑橘系の果実と薬に使うという苦みのある樹の根のエキスを少量加えてある。
「ふー。」
ショーピン姫が先ほどより色気を増した顔でチハルを眺めた。
「苦い。」
「そりゃそうだ。それ、グラスの端の塩があるだろ、それを舐めてみろ。」
「!?お、おお!」
ショーピン姫はグラスの反対側に残った塩を舐め、杯の底に残ったわずかなカクテルを吸い取るようにして飲み干した。
「仕方ねぇなぁ。じゃ、名前だ。」
「うむ、そうじゃな。」
ショーピン姫はチハルの顔をじっくりと眺め、それからグラスの縁に残った塩の跡を見た。
「≪線の向こう≫じゃ。塩の線を越えねばこの酒は飲めぬ。そして門の向こうから来た通門者チハル殿ともかけておる。どうじゃ?」
「お?いいな。じゃ、これからこの酒は"線の向こう"と呼ぶことにします。あと一つか。我こそはと言う人はいませんか?」
「俺だ。」
「いや、私が。」
「いやいや、私が。」
それぞれ酒好きなのであろう、数人の男たちが同時に前に出ようとしてぶつかった。チハルは険悪な雰囲気になるかもしれないと一瞬思ったが、そこは同じ宮廷内に勤める自他ともに認める酒飲みたちである。全員が顔見知りであったのようだ。
「おお、おぬしか!」
「やはり、酒飲みにはこういうのがあるからたまらぬな。」
「ふむ、やはりおぬしらか。ここは俺に譲らぬか?」
「いやいや、俺に譲れ。別の機会に酒をおごってやる。」
全員仲良く会話を始めた。
「はいはい、じゃ、全員同時です。一杯飲んで、一番面白い名前を付けた人のものにしましょう。」
「うむ、それでよい。」
「そうだな、武官には負けぬよ。」
「面白い名前ですよ?では、全員グラスを持ちましたか?それでは。」
最後の酒はチハルのこだわりで銅のマグカップに入れて作られている。こちらは元々ウォッカをベースにジンジャーエールやライムジュースを加えた≪モスコ・ミュール≫を焼酎で作ったものだ。銅のマグカップに入れて出すというオリジナルを再現した一品で、チハルの面白半分でショウガを強めに効かせてある。
全員がほぼ同時にグラスを空けた。
「おお、センガーが効いておるな。これは刺激がある。」
「ほう、景気づけに良さそうな味だ。」
「おむ、これはもっと飲みたくなる。」
「良い酒だ、タライバンでこれが作れるとは……。」
各人が初めて飲む酒に感じるものがあったようだ。
「はい、では名前です。面白いのお願いします。」
「わしは簡単に≪太陽≫だな。このセンガーの辛さが良い。」
「チハル殿に敬意を表して≪門の男≫はどうだろう?」
「それは先ほどの"線の向こう"と似て面白みがないな、≪メルイーウの剣≫が良いだろう。」
どれも悪くないが、いま一つインパクトに欠ける。チハルが最初に宰相に促したことで、図らずも大喜利のようになってしまったが、根がまじめな官僚たちではあまり面白みのある名前は付けにくいのかもしれない。
「他にないですか?」
チハルがそう促すと今まで黙っていた一人の男が口を開いた。
「うーん、私の故郷ではセンガーを薬に使います。その……、汚い話ですが、"痔"に使うんです。私は子供のころから痔持ちでしてね、子供のころはセンガーだけでは辛いので、果物の汁と合わせて飲んだものです。コレ、その時の味がします。」
「……。」
会場は一瞬静まり返った後。
「……、ぶ、ぶわっはっは!」
「痔の薬?これがか?」
「な、なんと、はっは、おぬし痔持ちであったか?それは難儀であるな。」
全員がその男の発現に苦笑し、イ神官に翻訳してもらったチハルも思わず吹き出してしまった。
「それです!そういうの!この酒はこれから≪痔の薬≫と呼びます。そう呼ばないと飲めませんよ!いやぁ、ナイスセンス!そういうの!それでこそカクテルです。さぁ、みなさん、どんどん飲んでください。一人1-2杯分は作ってあるので、どんどん飲んで!今日はいい気分で帰りましょう。」
「では、俺は"線の向こう"を。」
「私は"星に針"。」
「いやいや、名前が良い。"痔の薬"をもらおう。」
メルイーウでは正式な酒宴でもない限り特に乾杯の習慣はない。各人が思い思いのグラスを手に取り、会話に花を咲かせた。クダレム宰相もご機嫌で、ちびちびとカクテルを舐めるようにして飲む神官長と楽しそうに話している。
先ほど"線の向こう"を飲み干したショーピン姫が、"痔の薬"を手にチハルの側にやって来た。
「おう、楽しいか?それも強いから一気には飲むなよ。」
「うむ、ほろ酔いじゃ。チハルよ、そなたは良い男じゃな。未来の知識を知っとるだけでこうはならんぞ。」
ショーピン姫はそういって笑い声の絶えない会場を眺めた。
「俺も少しは気を遣うわけよ。」
「うむ、それはよい。なにか困ったことはないか?何かあればわらわを頼るがよい。」
「それ、普通逆だろう?何か困ったことがあればおまえが俺に聞けよ。」
「そうか?こう見えてもわらわに言えば大概のことは何とでもなるぞ?」
「そのまんまお返ししてやろう?実現可能かどうかはおいといて、俺に聞けば大概のことは今より良くなるぞ。」
二人の間に数瞬の沈黙が流れた。
「他に何か、面白い未来の話はないか?そうじゃ、スードクじゃ、あれは面白い。他にああいう遊びはないのか?」
「ゲームか?あるぞ。それこそ腐るほどある。」
「げーむ?あるのなら何か教えてほしい。」
顔が赤くなり色気を増したショーピン姫に頼まれてはチハルも断れない。
「そうだな。遊びと言うなら……、今やれるのは……。うん?ちょっとやってみるか?お前帰らなくていいのかよ?もういい時間だぞ?」
「なんじゃ?忘れたのか?ここがわらわの家であるぞ?」
「あ、仮王宮ってそうか。なら付き合え、盛り上がるぞ。」
「良い。何なら帰らなくても良いのだぞ。ふふ。」
「そういうのは間に合っとる。それで、メルイーウに人を食べる怪物の話はあるか?人の形をしたとか。」
「怪物か?あれじゃな、コワクじゃな。墓から出てきて人を喰う怪物じゃ。」
「コワク?それでいい。では"コワク探し"と名づけよう。」
「コワク探し?」
「≪ワンナイト人狼≫って遊びがあってな。おーい、イ神官!」




