奈々の気持ち
華と私は、歩いて家まで帰った。
その間は私たちが幼稚園の頃に初めて話した時のことや、
小学校の時の担任の話などをしていた。
昔から二人の性格は真逆にも関わらず、
喧嘩など一回もしたことがない。
私は華といるこの空気間が大好きだ。
華に男がいないのが私は不思議なくらいだけど、
変な男につかまってしまうんじゃないかと、
いつも心配してしまうし、
もし華に恋人ができたなら、なんか華をとられてしまう気がして
不安である。
私の家の前まできたとき、華は
「なにかあったらいつでも連絡してね。」
といつもの優しい表情で言った。
私は頷き、華と別れた。
家に入り、携帯を開く。
大志からの連絡はなかった。
一人になった瞬間また不安が襲ってきて、
電気もつけず暗い玄関に座り込み私は泣いていた。
お腹にいるこの子にもっと素直に喜びたかった。
私は頭の中で、
幼稚園のとき将来の夢は何かと先生に聞かれたとき
「好きな人のお嫁さんになって、お母さんになりたいです。」
確かこんなこと言ってたことを思い出した。
もちろん成長していくなかで、仕事を頑張りたいという思いが大きくなっていったし、お嫁さんになって子供を産むことの方が、
ずっと簡単に思っていた。
こんな私は、こんな弱い私はお母さんになれるのかな。
そんなことが頭の中を駆け巡り涙が止まらなかった。