スタッフみんな
中に入るとやはり先に
先輩三人がいた。
またバカにされるのかもしれないと思うと
中々歩き出せなかった。
それでも勇気をだして、いつもの様に小さめの声で挨拶をして
ロッカーに向かった。
すると先輩達はびっくりしたように
「あ、おはよう。」
と声を揃えて言った。
今までは挨拶を返してくれたことがなかったので、少し嬉しかった。
そしてコソコソとなにか話している。
それでも私は気にしないで制服に着替えだした。
そこに、小宮さんが入ってきた。
「おはようございます」
小宮さんが言うと
私のおはようございますと言う声と
先輩三人のおはようと言う声が重なっていた。
そして小宮さんは私の方へ来た。
「化粧いい感じだね!」
「あ、ありがとうございます。おかしくないですか?」
「うん!」
そう言うと小宮さんは自分のロッカーへ行き着替えだした。
私はロッカーに付いた鏡を見た。
そして少し笑顔を作った。
今までロッカーの鏡を見たことがなかったし、こんなもんいらないと思っていた。
今なら、女の人が鏡を見る理由が分かる。
この日の仕事は思ってる以上に気分がいいものだった。
仕事終わりに私がお疲れ様でしたと声を掛けると三人の先輩も返してくれた。
そして、たまたまであろうが
私が着けたブレスレットをみて
その三人のうちの一人が
「あ、これ欲しかったやつ!私が行った店舗には在庫なかったんだよね。どこで買ったの?」
とブレスレットに飛びつき言ってから、私を見た。
その瞬間、「あっ」と言うように目を逸らした。
私はそのまま
「昨日、小宮さんと新宿に買い物に行って選んでくれたんです。」
と言った。
すると、いつもの私の返しではないからなのか
まつ毛で真っ黒な目を丸くして
「そんなんだ」
と言って、私に笑いかけた。
「飯塚さん、化粧してるほうがかわいいじゃん」
と言ってくれた。
そして小宮さんの方に向かって話しかけていた。
「やっぱ華のセンスは良いね!またオススメのお店教えてよー」
「わかりましたー」
という今まででは考えられない会話をスタッフルームにいるみんなで話してた。
そして三人の先輩は
それぞれ私の目を見て笑いかけてくれていた。
そもそもここで働いてる人は皆いい人なのだ。
ただ私から遠ざけていただけなのかもしれない。
見た目なんてほんの一部で私は性格に原因があったのだ。
それでも、見た目から入ることはいいことだ。
見た目が変わると性格も変わるから。
もっと早くから行動していれば。
もっと早く小宮さんに出会いたかった。
私を救ってくれた先輩。
心から感謝してる。
小宮さん。
ありがとうございます。




