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レッド  作者: kabochan
29/34

二人の買い物


私はいつも時間を守っているのだが

流石に後輩相手に15分前に着いてるのは良くないかな…と思ったが、そのまま待ち合わせ場所で待つことにした。



すると飯塚はすぐにやってきた。



これは気を使わせてしまったなと思いながらも私たちは近くのファッションビルへと向かった。



新宿は久しぶりだった。

でも飯塚と一緒に買い物なので、表参道や代官山といった路面店よりかはビルの中にいくつものお店がある方が飯塚には見やすくて気が楽なんじゃないかなと思った。



飯塚は少し緊張している感じで俯きながら歩いていた。



「あんまり来ない?」


「はい。全然。やっぱ私浮きますね。」


「そんなこと気にしなくて平気だよ」


「でもやっぱお店入るのなんか怖いです。」


「私も正直最初は怖かったな。

お洒落な店員に、私バカにされてるのかな?とか、こいつダサいって思われてるのかな?って思ってたけど、

こっちはお客だし、自分が好きな服選んで、似合うか合わせてみて、買うだけ。」


「そうですよね。頑張ります。」


飯塚はそんな風に言った。



しかし頑張るもなにもお店に行ったら

テンション上がるはずに違いない。



最初のお店は、今の飯塚からは想像もできないくらい可愛らしいワンピースなどが売ってるお店を見た。



確かに飯塚はそのお店に馴染んではいなかったが、新宿のファッションビルなだけに色んな人が来るのだろう。店員は嫌な顔一つせずに接客していた。


それに安心したのか飯塚は目を丸くしながらも一つ一つ洋服を見ていった。



私はカジュアルな服が好きなので、このお店はあまり利用したことがなかった。


だが、私の趣味を押し付けるより、飯塚が自分で“かわいい”とか“好き”と思える物を買って欲しかったし、着て欲しかった。



しかしそのお店では何も買わずに出た。



「小宮さん!凄いですね!なんか今凄く不思議な気持ちです」


飯塚は目を輝かせながら言った。


なんだか昔の私を見ている気がした。


昔からお洒落をするのが好きではあったが初めて入るお店や、今でこそカジュアル系統で落ち着いているが、そこにたどり着くまで様々な系統の服を着ていた。


なので新しく入る店などには自分でも目が輝くのが分かるくらいだった。



「あの、でも私、自分に何が合うのか分からないんですよ。小宮さんどう思いますか?」

飯塚は少し遠慮気味に私を見た。


そう言われたので私は飯塚のつま先から頭のてっぺんまで見た。


「うーん。私はカジュアルが好きなんだけど、飯塚もカジュアルが似合うかも」


「本当ですか?じゃあオススメのお店連れてって下さい!」


「うん!じゃあ行こう」


そう言って私もよく利用するカジュアルとトレンドが混ざった様な洋服を揃えているブランドへと入った。



「あの、私本当に初心者で分からないんで、今日だけでも小宮さんがコーディネートしてくれませんか?」


飯塚が照れくさそうに言った。


私は誰かをコーディネートするなんて、テンションが上がった。



それに私好みのお店でだ。


「うん!じゃあこのニットかわいいよ!」

「あーこっちの色の方がいいかな」


私の言葉に飯塚は頷きながら「本当だ!」「なるほどー」などの言葉を繰り返していた。



「じゃあこのニットにこのスキニーを合わせて試着してみてよ!」


私は持っていたニットのトップスにスキニーを渡した。



店員さんに声をかけ、

試着室に案内された。


店内は意外と混んでいて、


試着室に飯塚が入ると店員は

では失礼しますと言い離れていった。


「どう?履いた?」

私が声をかけると飯塚は試着室から出てきた。


私は一瞬時間が止まった気がしたか。


いつも飯塚はダボっとしてるデニムを履いていたからか全然気づかなかったが


スキニーを履いた飯塚はスラッと長く細い脚だった。

そのスキニーに華やかなビジューの付いたニットが凄く似合っていた。



「小宮さん。どうですか?やっぱ似合わないですかね」

と恥ずかしそうに聞いていてた。


「そんなこと、凄く似合ってるよ!」


飯塚は鏡越しにキラキラと目を輝かせていた。



試着が終わったのを確認して店員が戻ってきた。


「お疲れ様です。サイズの方はどうですか?」

そう声をかけると

「あ、大丈夫です。」

と飯塚は答えていた。


すると店員はスキニーの丈を確認する様に飯塚を見て

「そうですね。ピッタリそうですね!凄くお似合いですよ」

と声をかけていた。


それに飯塚はまた目を輝かせていた。



「これお願いします!」


「かしこまりました。新しいのをレジでご用意しておきますね」


「ありがとうございます」


そんな飯塚と店員のやり取りを見てると、この短時間で飯塚はだいぶ変わった気がした。


もちろんいい意味で。



その調子で違うお店を周り

さっき買ったトップスとスキニーに合うコートや靴に鞄にアクセサリーまで買い揃えた。



両手いっぱいになった紙袋を持っている

飯塚をみてから

腕時計を見た。


時間は既に15時になっていた。


お昼ご飯も食べずに買い物をしていたので

いきなりお腹がすいてきた。



「お腹すかない?」

「空きました」

「なんかどっか入ろうか」


二人はようやくカフェレストランに入り一息ついた。



「どう?楽しい?」


私は待ち合わせしたときに会った飯塚とは違う様な、凄く前から可愛がってる後輩に話すように聞いた。



「はい!本当に嬉しいです!小宮さん、本当にありがとうございます!」


そう言った飯塚の目は輝いていた。


私達は

じゃあご飯食べたら

次はデパート行って化粧品を買いに行こうと話していた。


「私化粧にはそんな自信ないから二人で店員さんに色々教えてもらお!」


なんだか同じ趣味を持った可愛い後輩ができた気がして私も凄く嬉しくなっていた。



「はい!ありがとうございます!」


飯塚も凄く嬉しそうだった。





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