華と飯塚
仕事終わり、私は飯塚さんより先に
帰りの支度がすんだので
みんなに挨拶をして仕事場をでた。
飯塚さんには一緒に帰ろうとは言わなかった。
なんとなく断られる気がしたからだ。
なので外で待っていた。
飯塚さんが出てきたので
少ししてから、飯塚さんに駆け寄った。
不自然にならないように
ちょっとコンビニに寄ってたのだと伝えた。
向かう駅は同じだ。その流れで横に並び歩いた。
飯塚さんは何も喋ろうとしない。
「飯塚さん今日このままご飯食べに行けませんか?」
思い切って誘ってみた。
男の人を誘う訳でもないのに私はドキドキしていた。
「え、」
俯いて歩く飯塚さんが驚いた表情で私を見た。
「無理しなくていいんですけど、よければ」
私は何故か焦ってこのセリフを加えた。
「え、いや、そんな無理とかじゃないんですけど。」
「じゃあ行きましょうよ!」
「でも、小宮さん私みたいなのといたら変な目で見られますよ」
「何で?」
「え、いや、だって、小宮さんと私って服装とかも全然違いますし。私みたいなダサいのといるの小宮さん嫌じゃないですか?」
「何言ってるの?そんなことあるわけ無いじゃん。飯塚さんと話したいんだよね」
「ありがとうございます。」
飯塚さんは少し照れた様にまた俯いて歩き出した。
私たちは駅の近くの居酒屋へと入った。
お酒が入るまでは
私ばっかが意味のない話ばかりしていた。
だが、飯塚さんは嬉しそうに話を聞いてくれていた。
こんなに飯塚さんに話すのも、飯塚さんの顔を見たのも初めてだ。
私は凄い良い子だと思った。
そしてだんだんと飯塚さんも
話始めてくれた。
そして、少し気まずそうに飯塚さんが
言った。
「あの、小宮さん。私ファッションセンスとかなくて、服とかも全然持ってなくて。
でも、こんな私でも変われますかね?」
そう言って軽く俯く飯塚さんは凄く可愛くみえた。
「もちろん!」
私は力強く言った。
「小宮さんと居て、なんとなく私もオシャレしたいなって思って。
もし良かったらなんですけど、今度一緒に買い物行ってもらえませんか?」
そう言いながら遠慮気味に私を見た。
「行こ!」
私は嬉しかった。
凄く距離が縮まった気がした。
「じゃあこれからは先輩っぽく飯塚って呼ぶね!」
私はこんな事を言っていた。
お酒のせいだろうか。
それでも飯塚は
嬉しそうに頷いた。
きっと誰でも変われるチャンスはある。
ただ女の子には化粧に洋服。
簡単に変われるチャンスがある。
見た目が変わると性格も変わる。
私は決してうまくいってる訳じゃない。
恋なんか全然してないし
彼氏はいたことがない。
ただ洋服に関しては凄く自信があった。
そのおかげで人と向き合えてる気がした。
私はアパレル関係の仕事をしてる訳じゃないのに、
せめて飯塚の気持ちが晴れて
少しでも自信を付けてもらえたらと思った。
私達の休みがたまたま合った
次の火曜日に買い物へ行く約束をした。




