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レッド  作者: kabochan
16/34

奈々の告白


私は部屋のソファーに座り

大志が来るのを待っていた。


あれから大志とは一回も会っていない。


こんなにも会わなかったことは今までにない。

いくら仕事で忙しくても週に一度は会うようにしていたのだ。


大志は何度も会おうとしてくれていたが、

適当に理由つけて断っていたし、メールも随分そっけなくしてしまっていた。


きっともう大志には嫌われてるだろう。


でも、この間華に言われたように、ちゃんと私のお腹の中に私と大志の子供がいたことを

言わないと、少しの間だとしても私のお腹で生きていた赤ちゃんに申し訳ない。


大志が来たらちゃんと言うつもりだ。




そんなことを考えていると、

インターホンが鳴った。


私は一瞬ハッとしたが、気持ちを落ち着かせ出た。


インターホンの画面に大志が写る。


私はロックを開け待っていた。



やっぱり顔を見ると急に言うのが怖くなってきた。



家に上がった大志は少し心配した様に

言った「大丈夫?」


私は頷き謝った。



大志はソファーに座りながら、いつも通りのなんてことない話をしだした。


私はとりあえずその話を聞いていた。




大志は私が話すことを嫌がる様に

ひたすら自分から話をふっていた。


私がなにか言い出すことを大志は分かっているみたいだ。



「大志。あの、聞いてほしいことがある。」

「なに?」

大志は不安な声で言い、私を見た。



「私、お腹に大志の赤ちゃんがいたの」


なんだか思っていたよりも落ち着いて言うことが出来た。



すると大志は私に抱きついてきた。


「本当?」


大志は嬉しそうに私の顔をみた。



その瞬間私の抱えていた不安はスーっとなくなり、声を上げて泣いてしまった。



「でもね、ごめん。いなくなっちゃったの」

私は泣きながら言った。



すると大志はまた私を優しく抱きしめた。


「なんですぐに言ってくれなかったの…。ごめんね。辛い思いさせて。」


私は大志の優しさ全てが嬉しくて、でも凄く悲しくて、大志の胸の中でしばらく泣いていた。



その時、私は頭の中で自分を責めた。


赤ちゃんのことなぜすぐに大志に伝えなかったのか。

大志が喜んでくれないんじゃないかって思っていたこと、

なんで赤ちゃんなんか出来ちゃったんだろうって一瞬でも思ってしまったこと。



ごめんね。本当にごめんなさい。



私は涙が止まらなかった。



すると大志は私の肩を持ち私を離した。

そして私の顔を見て言った。



「俺は少しの間でも、奈々のお腹の中で俺たちの赤ちゃんがいてくれたこと凄い嬉しい。今はもういなくなっちゃったけど。奈々、ありがとう。」


私は頭を横に振った。



「奈々。俺と結婚してください。」



大志の言葉に私は思わず目を丸くして

大志を見つめた。


「このタイミングじゃなかったかな…」


と大志は恥ずかしそうに言った。



私の答えはもちろん決まっていた。



嬉しかった。


本当に心から。



「はい!」


私は大志に抱きついて、また泣いてしまった。



あんなにも悩み抱えこんでいたものが

こんなにも簡単によろこびに変わるなんて。



私は全てに感謝した。


受け止めてくれた大志。

私のとこにきてくれた赤ちゃん。


そして、

話を聞いて一緒に泣いて背中を押してくれた華。



本当に、本当にありがとう。





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