妖響山
「あーあ。そっちいっちゃ駄目だってば」
妖響山4合目にて大問題発生!?
新たな危険が迫る急展開の第5話!
「あー、そっちいっちゃダメだって!って聞こえるわきゃないか。双眼鏡で確認出来る場所だし。ま、もしもの事態のときはアタシが出ればいいだけだしね♪」
妖響山4合目
「道に迷いますた。」
笑羊を先頭にしたことをもう8回位後悔したうえ、今すぐ神に懺悔したいテンションまで俺は落ちていた。
「あのとき···」
『なぁ、リーダーどーする?是非とも俺がやりたいんだけど!』
『お前でいいんじゃないの?』
うぉぁああああー!!あのとききちんと真面目に決めていればー!!と、いつまでもキレていても始まんないのでとりあえず歩くことにした。
ん、別れ道···じゃなくて分かれ道だ。
右側からはどっす黒い殺気を感じる。
左はまるで音楽を聴いているような甘い···
「ていうか、音楽聴こえてこない?誰かいるかも!」
そういって笑羊は行ってしまった。
···風のエレメンタラーって皆速いのかな?
「イェーイ一番のりだぜー」
笑羊は一足先に付き、岩影から様子を伺ってみた。
音楽の鳴るような物はないな···っ!?
ドカーンと言う音と共に笑羊は空中へと投げ出された。
「えっ?なぜっ!?」
下を見ると巨大なもぐら型のモンスターがいた。
なるほど、あのドリルみたいな鼻に突き上げられたんだな。···まてよ。このまま行くと愛しい風斬さんがダメージを負ってしまう!
間に合え!真空波!
ビュゴツという音と共に風の刃が猛烈に飛んでいった。
「やれば出来るじゃん、オレ。」
しかし、直撃したものの傷一つついていない。このモンスターはメタルクロラーといい鼻以外の体全体が鋼鉄で出来ているため風のエレメンタルとは相性が悪い。
力を使い果たしたせいか、受け身も取れずドサッと落ちた体は動かない。笑羊はただ自分の無力さに覆われていた。
「くそ!クソクソ!!オレにもっと力があったら!···何がリーダーだよ。」
空を見上げ、痛さと無力さに気力を無くした笑羊の頭上を何かが過ぎ去った。
嵐が呼び寄せられた様な気がした。
どうも!今回は予定よりも笑羊君の出番が多くなってしまったです。
負けたことにより、少年が成長する、みたいなのがやってみたかったんですが、これがなかなか。
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