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◆ちくわ

◆ちくわ


 順当に読んだ人は都合七章にわたる忍耐力の試練をかいくぐられた猛者です。拍手。間違って最初にここを開いた人はせっかくなのでこのまま読んでくださって全然構いませんが、いちおうここからはメイキングムービー的な感じで制作秘話とか動機とかについて語っていきますのであしからず。

 さてまずは『◇論理迷彩』から。これはもう見た感じのまま直球のメタな作品です。作中のタイトルは途中まで書いた話のタイトルとか公募に送った作品のタイトルなど色んな所から持ってきています。かくも赤いあの星に、は作中大賞に推したとありますが、企画用に書き始めたはいいもののあんまり好きな作品じゃなかったので、没に。でも没にしたままでは十万字の苦労が報われないのでタイトルだけ出しました。気に入っているのはバロットで、これはとある公募に出した作品。いちおうフェアな謎解きになっていたはずですが、評価シート的には「キャラ萌えが少ない」という理由でn次落ち(nには自然数が入ります)。あとの章にもちょろっと同じネタを流用しています。『ど』はこれまでウェブに載せた作品が雑多すぎることから着想を得て、雑多な作品群にふさわしい名前は『ど』しかあるまい(だって響きがいいじゃない、何にでもなれそうな感じがして)と思いこれにしました。夏のサマリは友人が書いた小説から。彼は萌えキャラを描くのが上手く、嫉妬心から作中では貶しています。もちろん本人からは了承を得ています。

 二章目(断章なので前後のつながりはほとんどないのですが)の『◆変容と融和』では大学の話が出てきます。もの凄く私事なんですが、このたび国立K大の院へ編入を果たしまして、院からというものの、親戚連中に「天下のK大に入ったぞ!」と自慢できるネタが一つ増えました。脇道に逸れました。この章で描かれているできごとは八割実際のできごとです。社会形質学者のはしくれとして教授と共にインドネシアはマファリまで飛びました。リゾート開発を今まさにしようとしている最中だったので、工事の音が結構うるさかったです。いまもってマファリ島で研究発表会が行われたのかは謎のままですが。

『◇ここにある嘘』で書いた研究室はK大の院へ進む以前の研究室をそのまま書きました。名前を変えてはいますが、錦戸は実際に存在します。外見描写もそんなにかけ離れてはいません。この章にあった網状サイトの話は全盲の人に風景を見せる技術の先駆として研究していました。実際手術自体は簡単な物で、心臓に細胞シートを貼るほうがよっぽど難しいぐらいの技術です。ただ、金がかかるし、実用段階まではほど遠かった。それに目が見えない理由も人によって異なるため、全員が全員に使える技術ではありませんでした。

 第一章のリフレインとして存在する『◆空集合』はしいて語るべき所はないでしょう。前後の章の繋がりは希薄で、根底に流れるテーマしか同一でなかったりしますが、その移り変わりを感じていただければ幸いです。目に見えるところでの変化を書く、ということがこの章のテーマでした。

 きっと色々な人に突っ込まれるであろう『◇埋葬虫』。画家のダリはペテン師だった、ということはご存じでしょうか? ダリは大洞吹き野郎で、今で云う駄目男。そんな彼が絵を描く上でとった苦肉の策というかお馬鹿な策がありまして。それはというと口にスプーンをくわえて眠るという方法です。なぜこんなことをしたかというと、眠りに落ち、夢で見たインスピレーションを現実に持ち越すには、夢を見た瞬間に目覚めることでそれを覚えておかなければならない、という考えをしたためなんだそう。眠った瞬間スプーンは床に落ち盛大な音が鳴る。となれば自動的に起きられる。こう書くと一発でばれると思いますが、ダリのやったことを実践してみました。その結果がこれです。ダリはペテン師だったかもしれませんが、少なくとももっと不思議ワールドを展開していたので、常人では全く及ばない人間だったんだなと切に感じました。

 本格ミステリ界隈で有名な後期クイーン問題。第二の方はともかくとして第一の方はかなり考えさせられるものです。創作物は作者がいる以上作中で提示した証拠しか存在しませんが、登場人物(=探偵)にとっては現実なわけですから、全ての証拠が出そろっているかどうか分からないわけです。そんな不完全な世界でいくら端整な論理を構築しようが無意味じゃないの? みたいな、いったいいつほど前から云われ始めたかもわからないお話を使って見ました→『◆独活の大木』

 これで以上です。他の作品を楽しんでください! 祭りはまだまだ始まったばかりです! ではでは~。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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