帰り道のすれ違い
あの時、違う選択をしていれば――。
そう思ったことはありませんか。
これは、自分の選択を後悔した男が綴る、記録の物語。
ーー時は水族館の帰り道
「ねぇ、セツ......」
「ん?」
電車の揺れに紛れて、わずかな沈黙が落ちる。
「私ね......」
「どうした?」
サツキは何かを言いかけ、口を閉じる
「何でもないわ......」
サツキは頬を赤らめていた
「今日楽しかったね......」
揺れる車内で、サツキはもう一度口を開く。
「セツ......」
「どうした?」
「あのさ......私、セツと一緒にいれて楽しかった」
「それは俺としてはなにより」
「......バカッ」
サツキは少しだけ俯いたあと、小さく息を吸った
「......私、セツのこと好き」
電車の走る音だけが、やけに耳に残る。
「これからも、一緒にいたい」
少しの沈黙のあと、俺は答える
「......いいけど」
「......え?」
「別に、嫌いじゃないし」
少し間を置いて、
サツキは呆れたように、でも少し嬉しそうに笑った
「これからもよろしくね」
サツキは、どこか寂しそうに笑った
気まずい空気が流れる
車内アナウンスが流れる
『次は春影駅〜』
「降りよっか」
彼女は嬉しいような悲しいような顔をしていた
「ねぇ、セツ......」
彼女は一瞬だけ言葉を迷って、
「大好きだよ」
俺は急にそんなことを言われ、困惑する
すると彼女は
「早く降りなきゃ乗り過ごすわよ」
彼女は微笑む
「私は、もう――」
電車の音にかき消される
「え?なんて?」
「なんでもないよー」
彼女は、いつもみたいに笑った
「帰ろっか」
「じゃないと......帰れなくなっちゃう」
サツキは、聞き取れないほどの小さな声で何かをつぶやく
「ん?何か言った?」
「なんでもないよー、今日は移動ばっかりだったから疲れてるんじゃないの?」
なんて言い、ごまかす
「明日は学校かぁ......」
「また、いつもの日常にもどるのかぁ......」
「......そうかもね」
「学校は行ける間に行っとかないとすぐに行けなくなるわよ」
「そうか?」
「高校生なんてすぐ終わるわよ、意外と」
「今高2だぜ?まだ一年とちょっとあるぞ?」
「その一年とちょっとはすぐ終わるし来年は大学受験も控えてるわよ?」
そういや俺はこいつがどこの大学に行くか聞いてなかったと思い聞くことにした
「お前どこの大学にいくんだ?」
「成績と点数的には東大なんて余裕だろ?」
サツキは少し驚いたようにこたえる
「私大学にはいかないわよ?」
「なんで?!」
俺は思わず聞き返してしまう
「なんでって、いろいろあるのよ......」
そういいながら俺たちは帰路についた
ーー
あの時の写真を見返す
あの日の、水族館の帰り道
俺は、何も気づけなかった
「もう、3年前か......」
今回は、ついにサツキの告白回です。
物語も、少しずつ終わりに近づいてきましたね。
今回は会話が多めになってしまったので、読みにくかったらぜひ教えてください。
その意見を参考にしながら、より良い作品にしていけたらと思っています。
これからも応援よろしくお願いします。




