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とある木の下で

あの時、違う選択をしていれば――。

そう思ったことはありませんか。


これは、自分の選択を後悔した男が綴る、記録の物語。

「はぁ~今日も平和だな......」


心地よい木漏れ日を浴び、今日も平和だと俺――セツは改めて思う。


しかし、今日は......いや、最近は違った


「あんた、暇なの?」


そう言って、その女は隣に座る


「お前こそ、いちいち俺のところに来て暇なのか?」


俺はそう問い返す。


隣に座った女子はここ二か月ほど俺に絡んでくる同じクラスの委員長、サツキだ。


入学した去年から同じクラスではあったが、当時はほとんど関わりがなかった。だが最近になって少しずつ話すようになっていた。


サツキはばつが悪そうに答える。


「私はいいのよ......あんたに質問してんだから答えなさいよ」


その様子をうかがいながら、俺は答える


「暇か暇じゃないかで言ったら、まぁ暇だが」


その瞬間、サツキの顔が少し明るくなる


「なら、明日休みだから暇なら私とデートしない?」


思わず言葉に詰まる。


するとサツキは慌てたように続ける


「いやならいいんだけど......」


少し落ち込んだ表情を見せ、すぐ顔を取り繕う


「まぁ、暇だからいいけど」


そういうとサツキの顔は、ぱぁっと明るくなる


(こいつってこんな顔するんだな......)


サツキは真面目で、普段はほとんど表情を変えない。

こんなに嬉しそうな、顔を見るのは初めてだった。


「詳細は家に帰ってから連絡するから、連絡先交換しない?」


サツキはなぜか少し顔を赤らめながら言う


今日のサツキはどこか様子が違う。

......まるで、何かを隠しているみたいだった


だがこのときの俺には、その理由に気づくことなんてできなかった。


「了解。って、去年連絡先交換してなかったっけ?」


「え、だって私たち去年はあまり関わりがなかったじゃない」


言われてみれば、ちゃんと話すようになったのは最近だ


昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る


「ほら、行くぞ」


なぜ急に仲良くなったのかなんて、聞かれても分かるはずがない


だが一つ言えることがある


――俺の人生の分岐点はここからだった......


もし、ここで断っていれば。

もし、この後に起こることを知っていれば。


俺は――こんなにも、この選択を後悔することはなかっただろう。


それでも。


少しでも現実と向き合うために。

少しでも彼女との思い出を振り返るために。


ここに、記録として残していこうと思う。

――あいつとの思い出を、忘れないために。

......たとえ、それがどんな結末でも

ここまで読んでくださってありがとうございます。

感想や応援をいただけると、とても励みになります。

続きも書いていくので、よければまた読みに来てください。

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