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第10巻:如月令嬢は『銀のおたまが凍る洋館を温めない』(下)  作者: アリス・リゼル


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第4話『連鎖』 ~section1:現場の制圧と隔離、そして探索への移行~

 パチリ、と。

 如月瑠璃の純白の綿手袋に包まれた手の中で、銀色の古い機械式懐中時計の蓋が、極めて硬質で冷たい金属音を立てて閉じられた。


 そのわずかな音響的衝撃が、まるで空間の分子運動そのものを強制的に凍結させる絶対零度のスイッチであったかのように。それまで談話室の空気を暴力的に支配していた狂乱のパニックが、ピタリと、文字通り一瞬にして鳴りを潜めた。

 分厚い防音ガラスの向こう側で荒れ狂う、ベルグラヴィアの深い森を根こそぎ削り取るかのような暴風雨の轟音。それすらもが、このオレンジ色の非常灯に不気味に照らされた閉鎖空間においては、まるで遠い異世界の出来事であるかのように、極端にくぐもったノイズへと変質していた。


 圧倒的で、息の詰まるような沈黙。

 親友であるシェリーを無惨な密室殺人で失い、喉の粘膜が裂けんばかりの金切り声を上げ、周囲の大人たちへ向けて醜悪な罵詈雑言を機関銃のように浴びせかけていたメアリー・ノアは、見開かれた充血した瞳からボロボロと涙を溢れさせたまま、声帯の機能を物理的に奪われたかのように硬直していた。

 長年培ってきたはずの貴族の矜持を完全に忘れ去り、顔を茹でダコのように真っ赤に紅潮させて怒号を散らしていた館の主、グランバール卿もまた、メアリーを殴りつけようと振り上げた太い腕を空中でピタリと静止させ、開いた口から間抜けで白い呼気を漏らしている。


 泥水に塗れ、高価なペルシャ絨毯の上に無様に崩れ落ちていたミハイルは、「オーマイガッ……」と掠れた声を喉の奥で鳴らしながらガタガタと震え、執事のサモンは青ざめた土気色の顔で、胸の前で十字を切ったポーズのまま完全に石化していた。

 壁際では、パニックを起こしかけていた鳴海が佐伯を庇うように強く抱きしめ、佐伯は鳴海の背中に顔を埋めて、ヒック、ヒックと声にならない過呼吸の発作に耐えている。

 その場にいるすべての人間が、部屋の中央で漆黒のベルベットドレスを優雅に纏い、氷のように冷たく澄み切ったアメジストの瞳で僕たちを見下ろす一人の女子高生を、ただただ息を呑んで見つめていた。


 それは、暴力や大声による制圧ではない。

 自らの理解を遥かに超えた『絶対的な知性』という名の異物に対する、人間という生物の根源的な畏怖だった。

 有線の通信インフラが物理的に切断され、唯一の陸路である山道が土砂崩れによって完全に崩壊し、見えない殺人鬼が密室で人間を解体するという、大人の論理と秩序が完全に崩壊したこの絶望的なクローズド・サークルにおいて。彼女ただ一人だけが、物理と化学の絶対法則という揺るぎない玉座に腰を下ろし、この血塗られた狂気の空間を『解き明かすべき美しき数式」として、遥か高みから見下ろしているのだ。

 その圧倒的な事実が、パニックによって沸騰していた大人たちの交感神経を強制的に冷却し、暴走する情動をシャットダウンさせていた。


「……ようやく静かになったの。やはり人間という有機物は、圧倒的な質量を持った真理を突きつけられれば、自らの無駄な音声出力機能を停止させるよう、脳の防衛本能にプログラミングされておるらしい」

 如月さんは、静まり返った大人たちを、路傍の石ころでも見るかのような極めて冷淡な視線で一瞥すると、手にした銀の懐中時計を、ベルベットドレスの隠しポケットへと滑り込ませた。


「き、如月……さん……?」

 明宮海翔先生が、まるで神聖で不可侵な儀式を邪魔するのを恐れるかのように、酷く掠れた声で彼女の名を呼んだ。

 如月さんは明宮先生の方へゆっくりと首を向け、その彫刻のように美しい顔に、一切の共感も同情も含まない、純粋な傲慢さだけを乗せた冷笑を浮かべた。


「これ以上、お主らの愚鈍な情動でこの館内を無秩序に動き回り、喚き散らすことは一切許さぬ。いいか、よく聞くのじゃ」

 彼女の凛とした、しかし絶対零度の冷気を孕んだ声が、冷たい石壁に反響し、僕たちの鼓膜を打つ。

「人間が未知の恐怖から逃れるために行う無計画な移動は、大理石の床に残された犯人の微細な靴跡や、空中の埃の堆積状況といった『物理的ルーツ』を回復不能なまでに汚染し、破壊する。お主らが恐怖で大声を上げ、過呼吸を起こすたびに、口から無駄に排出される大量の水分エアロゾルと二酸化炭素が、現場の相対湿度と空気抵抗を急激に変質させ、微小な証拠の劣化を早めるのじゃ。……これ以上、わしが読み解くべきキャンバスを、お主らの吐き出す不純物で汚してはならぬ」


被害者であるシェリーやジェームスの死を悼むどころか、自分たちが恐怖に慄き、助けを求めて叫ぶことすら「現場のルーツを化学的に汚染する不純物」として容赦なく切り捨てる、冷酷極まりない宣言。

 しかし、そのあまりにも人間離れした、絶対的な自信と論理に満ちた言葉は、皮肉なことに、絶望のどん底で溺れかけていた生存者たちの心に『この異常な少女の頭脳ならば、あるいはこの死の迷路から自分たちを導き出してくれるのではないか』という、歪で身勝手な希望の光を強制的に植え付けていた。


「清瀬主任、そして桐生院」


 不意に、如月さんは引率の現場責任者である清瀬瑞希先生と、エリートとしての自負を完全に打ち砕かれて壁際に立ち尽くしていた桐生院誠の二人を、明確に名指しした。


「は、はい……!」

「な、なんでしょうか……如月さん」


 二人が、まるで軍隊の上官に呼ばれた新兵のように、弾かれたように背筋を伸ばす。


「お主ら二人に、この談話室の『物理的な封鎖』を命じる」


 如月さんは、純白の手袋の指先で、談話室の分厚いマホガニーの扉を真っ直ぐに指し示した。


「わしとサクタロウがこの部屋を出た直後、内側から真鍮のシリンダー錠とデッドボルトを頑丈にかけるのじゃ。そして、いかなる理由があろうとも、わしが戻って直接声をかけるまで、絶対に誰もこの談話室から一歩も出してはならぬ。恐怖でトイレに行きたいと泣き叫ぼうが、外の土砂崩れの様子が気になると喚こうが、物理的手段を用いてでもドアノブから引き剥がし、阻止するのじゃ。それができなければ、お主らも暗闇の中で殺人鬼の鈍器の餌食となるだけじゃぞ」


「僕たちを……ここに閉じ込めるというのですか?」


 桐生院が、眉を深くひそめながらも、努めて丁寧な敬語を崩さずに尋ねた。彼のエリートとしての自尊心は、同い年の令嬢に完全に支配されているこの状況に激しい拒絶反応を示していたはずだが、彼の高い知能は『彼女の指示に従うことが生存確率を最大化する』という事実を冷徹に弾き出していた。


「左様。この中に犯人が紛れ込んでいる可能性は、物理的にも状況的にも極めて高い。わしが外で現場のルーツを解体している間、殺人鬼にこれ以上の工作の猶予と自由な動線を与えるわけにはいかぬ。お主らをこの部屋に『パッケージング』し、空間ごと完全に隔離する。……清瀬主任、お主は教育者として生徒の命を守るという義務感で。そして桐生院、お主は無駄に高いプライドと論理的思考力を用いて、互いの、そして大人たちの『情動のベクトル』を冷徹に監視し合うのじゃ。誰か一人でも不審な動きを見せれば、複数人で即座に物理的に拘束するがよい」


 それは、容疑者たちの隔離と、安全地帯の構築を同時に行う、極めて合理的かつ冷酷な指示だった。

 先ほど自分がいくら論理的な正論を振りかざしても、大人たちの醜い罵り合いを一切止められなかったという挫折の事実が、桐生院に己の無力さを深く痛感させていた。


「……分かりました。この部屋の人間は、僕と清瀬先生で完全に監視します。だから……必ず、この異常な状況の真実を見つけてください」


 桐生院は、ギリッと関節が白くなるほど両拳を握り締め、深く、重々しく頷いた。


「当然じゃ。わしを誰だと思っておる」


 如月さんは短く鼻を鳴らすと、最後に、部屋の隅のソファの陰で息を潜め、事態を見守っていた僕の方へと、真っ直ぐにアメジストの瞳を向けた。


「行くぞ、サクタロウ。お主の出番じゃ」


「……え?」


 僕は間の抜けた声を上げ、自分自身の顔を指差した。


「ぼ、僕も行くんですか……? この、見えない殺人鬼がうろついているかもしれない真っ暗で寒い洋館の探索に……?」


「当たり前じゃ。先ほど言ったはずじゃぞ。お主はわしの助手であり、有能な工具であるとな」


 如月さんは、一切の反論を許さない態度で、顎で廊下の方をしゃくった。


「な、なんで僕なんですか……。暗闇を歩くなら、明宮先生や桐生院くんの方が、腕っぷしもあって絶対に役に立つじゃないですか……」


 僕はガタガタと震える足を持て余しながら、情けない声で抗弁した。殺人鬼が潜む閉鎖空間を、非力な女子高生と二人きりで探索するなど、小市民の僕にとっては生存確率を自ら下げるだけの自殺行為にしか思えなかった。今すぐ布団の中に潜り込んで、安全な場所で推しのライブ映像でも見て現実逃避したい。それが僕の偽らざる本音だった。


「明宮や桐生院ではダメなのじゃ。彼らでは、わしの『ノイズキャンセラー』にはなり得ぬ」


 如月さんは、僕の情けない命乞いを完全に無視し、淡々と物理的な理由を述べ始めた。


「わしの持つ『情動の視座』と『物理的観察眼』は、対象のルーツを極限まで精密に解体し、過去の事象を再構築する代わりに、周囲の人間が発する恐怖、疑心暗鬼、怒りといった無駄な情動の周波数まで、過剰に拾い上げてしまうという欠点がある。……知性の高い者や、心に何か重い秘密を抱えた大人がそばにいると、その複雑に絡み合った思考のノイズが、わしの鑑定の精度を著しく落とすのじゃ」


 如月さんは、すたすたと僕の目の前まで歩み寄り、その美しくも恐ろしい顔を、僕の鼻先数十センチの距離まで近づけてきた。ほのかに香る、古い紙と高級なインクのような、清潔だがどこか浮世離れした匂いが僕の嗅覚を掠める。


「その点、お主は素晴らしい。極限状態に置かれても、ただ『怖い』『逃げたい』『早く帰って推しの動画を見たい』という、単一で極めて底の浅い情動しか出力せず、裏で小賢しい計算や隠し事など一切していない。お主という純粋で空っぽなフィルターを通すことで、わしは外界の無駄な情動ノイズを完全に遮断し、純粋な物理的証拠のみに自らの演算能力を全振りできるのじゃ」


 空っぽのフィルター。相変わらず、褒められているのか徹底的に馬鹿にされているのか分からない物言いだ。

 だが、如月瑠璃という天才の頭脳が、この狂気の館において最も安全で強固な盾であることも、僕の生存本能は正確に理解していた。ここに残って、いつ誰が狂い出すか分からない疑心暗鬼の大人たちと密室で過ごすより、この傍若無人な令嬢の隣にいる方が、生存確率は間違いなく高い。


「……分かりました。お供しますよ、如月さん」


 僕は小さくため息をつき、腹を括って立ち上がり、如月さんの隣に並んだ。


「頼みますよ、如月さん、朔くん……。くれぐれも、気をつけて……。絶対に無理はしないで……」


 清瀬先生が、祈るような眼差しで僕たちを見送る。

 鳴海と佐伯が不安そうに見つめ、ミハイルが泥だらけの顔を上げる中、如月さんは一切振り返ることなく、談話室の分厚い扉を開け放ち、非常灯の薄暗いオレンジ色だけが頼りの、冷え切った廊下へと一歩を踏み出した。

 僕も彼女の背中に続く。


 直後。

 バタンッ! という重々しい木の衝突音に続いて、ガチャリ、ガチャリと、内側から堅牢なシリンダー錠とデッドボルトが回される金属音が、冷たい廊下に反響した。


 それは、僕たちと、生存者たちを明確に隔てる『境界線』が引かれた音だった。

 容疑者となるかもしれない大人たちを談話室というパッケージの中に完全に封印し、僕たちは、殺人鬼のテリトリーである広大な闇の中へと、たった二人きりで切り離されたのだ。


 廊下は、暖炉の火があった談話室の中とは比較にならないほど、凍てつくような冷気に満ちていた。

 空調システムが完全に停止しているため、外の猛吹雪の冷気が、石造りの古い建物の目地や窓枠の隙間から容赦なく侵入してきているのだ。僕は思わず両腕で自らの体を抱きしめ、自分の吐く息が真っ白な霧のように染まるのを見た。


「懐中電灯をつけるのじゃ、サクタロウ。まずは第一現場のルーツを、再度精密に解剖する」


「はい……」


 僕はガタガタと震える手で、ポケットから支給された小型のLED懐中電灯を取り出し、カチリとスイッチを入れた。鋭い白色の光の円錐が、分厚い絨毯の敷かれた廊下の深い闇をスパッと切り裂く。

 僕たちは、自分たちの足音だけが不気味に反響する静寂の中を、エントランスホールの方角へと向かって慎重に歩き始めた。


 やがて、光の円錐の先に、見覚えのある忌まわしい光景が不気味に浮かび上がった。

 ジェームスが忽然と姿を消し、シェリーがパニックを起こした、すべての発端である第一の現場。

 壁に掛けられた巨大なアンティークの姿見。その分厚いガラスの表面は、まるで巨大な蜘蛛の巣のように無数の亀裂が走り、その中心には、純銀製の重厚な『おたま』が、まるで鋭利な刃物のように深々と突き刺さったままになっていた。


 そして、その鏡の真下の大理石の床には、赤黒く変色し始めた大量の血液が、生々しい水溜まりを作って広がっている。


「うっ……やっぱり、すごい血の匂いが……」


 酸化した鉄と、人間の体液特有の生臭い匂い。僕が口元をハンカチで強く覆って顔を背けると、如月さんは全く動じることなく、血だまりの縁ギリギリまで歩み寄り、純白の手袋を嵌めた手で銀のルーペを取り出した。


「サクタロウ。光をおたまの柄と、鏡の亀裂の中心に集束させるのじゃ。……この血とガラスの飛散状況(フラクトグラフィ)から、ジェームス消失の瞬間の『物理的弾道』を逆算する」


「えっ? ジェームスさんの事件は、もうさっき見たじゃないですか。それに、血の跡はシェリーさんが殺された東棟の『開かずの旧客室』まで続いていたんだから、そっちを追わなくてもいいんですか?」


 僕は怪訝な声を上げた。


「愚鈍な。東棟の密室は、犯人が最後に完成させた『結果』のパッケージに過ぎぬ。真実のルーツを解体するには、犯人が最初に仕掛けた物理的干渉の起点――すなわち、この『ジェームス襲撃のタイムライン』に潜む致命的な矛盾を、数式として暴き出さねばならぬのじゃ」


 如月さんのアメジストの瞳が、ルーペのレンズ越しに、冷たい知性の光を放ってギラリと輝いた。


「矛盾……? タイムラインの矛盾って、なんですか?」


「順を追って証明してやる。……だがその前に、お主の光を、この大理石の床の血だまりの『もう一つのベクトル』へ向けてみるがよい」


 如月さんが、ルーペの先で、鏡の真下の巨大な血だまりから、廊下の別の方向へと続く、微細な痕跡を指し示した。


 僕が恐る恐る懐中電灯の光をそちらへ向けると、そこには、東棟の『開かずの旧客室』へと続くシェリーのヒールの跡や、血と泥の太い引きずり痕とは全く異なる、もう一つの軌跡が存在していた。

 それは、点々と一定の間隔で大理石の床に滴り落ちた、丸い血の滴下痕(ドリップマーク)だった。


「血が……点々と落ちている……」


「左様。法医学や流体力学の観点から見れば、血痕の形状はそのルーツを雄弁に語る。九十度の角度で垂直に落下した血滴は、ほぼ完全な円形を描き、周囲に小さな棘を生じさせる。だが、移動しながら滴下した血滴は、進行方向に向かって細長く伸びた楕円形、いわゆる感嘆符の形状になるのじゃ」


 如月さんは、床の血滴を一つ一つルーペで追いながら解説する。


「ここにあるのは、見事なまでに細長く伸びた楕円形の血痕。誰かが、鋭利な鈍器で傷を負い、大量の血を流したまま、自らの足で歩いたか、あるいは何者かに担がれて運ばれた痕跡じゃ。そして、その楕円の尖った先端が示す『進行方向』は……東棟とは真逆じゃな」


 その血の点線は、この館のさらに深く、分厚いオーク材の扉で閉ざされた、未探索の領域へと真っ直ぐに伸びていた。


「この先は……確か、ディナーの前にグランバール卿が自慢していた……」


「左様。ドリス家の歴史と、年代物のワインが眠る……『地下ワインセラー』へと続く扉じゃ」


 如月さんは静かに立ち上がり、血の滴下痕が続くその重厚な扉の方へと向き直った。


「ジェームスという質量は、東棟の密室には存在しなかった。ならば、彼の肉体の終着点は、間違いなくこの地下の底冷えする石室の中にある。……行くぞ、サクタロウ。まずは第一の被害者のルーツを、物理的に確認する」


 如月さんは、漆黒のドレスの裾を揺らして歩き出した。

 僕は生唾を飲み込み、震える手で懐中電灯を握り直すと、血塗られた鏡に背を向け、彼女の後に続いて、地下ワインセラーへの重い扉に手をかけた。


 扉を開けた瞬間、廊下よりもさらに数段階冷たい、カビと湿気、そして熟成したワインの強烈なアルコール臭が混ざり合った、地下特有の重い空気が顔に吹き付けてきた。

 そしてその奥には、非常灯の光すら届かない、完全な暗黒の石階段が、まるで巨大な怪物の喉元のように、ぽっかりと口を開けて僕たちを待ち受けていたのだった。



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