表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ:花の夢

――世界は、もうすぐ終わる。


赤黒い空を裂いて、炎が降る。

焦げた風が、焼け落ちた街を通り抜けていく。

城壁の上に立つひとりの女が、静かに目を閉じた。


その瞳は、かつて空の色を映していたという。

今はただ、深い紫に染まり、世界の滅びを映している。


「これが、あなたの望んだ未来ですか……主様」


微笑とも嘆きともつかぬ声が、風に溶けた。

女の掌には、ひとひらの白い花が握られている。

どこから来たのかも分からぬ花。

戦火の中で、唯一汚れずに咲いていた。


彼女は花を胸に抱き、崩れ落ちる城を見下ろす。


「次こそ、きっと……」


そう呟いた瞬間、彼女の身体が光に包まれる。

光は時を超え、流れ、遠い過去へと消えていった。


その名を知る者は、もういない。

ただ、彼女の頬を伝う涙の跡だけが、かすかに輝いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ