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⑸『マッド・エラー』
⑸『マッド・エラー』
㈠
いつにもまして、天気が暑さを標榜していた日、マッド・エラーは精神にやって来た。いわゆる、一種の苦痛である。俺は誰なんだ、という不確かsな不安。しかし、マッド・エラーは、実に奇妙だった。どこに誰が居る、俺は白昼に、絶望に誘われる。
㈡
それでも、戦うべきは、マッド・エラーであって、マッド・エラーさえなくなれば、俺は必死に生き血を体内に保有しようとするだろう。死にたくない、地獄で叫んでいる俺を俯瞰する、もう一人の俺が、興ざめしているのが不思議だ。
㈢
あいにく、俺には大金がなかった。そういう訳で、マッド・エラーが起こっても、不自然ではなかった、という訳なのである。であるからして、俺は俺なりに、理解しようと努めたその先に、マッド・エラーは、派生し、点在している様である。