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イカバベル【仮】  作者: じー
1/3

フライカ

testちゅう

 みなさん転生したことありますか?僕はあります。転生者です。日本からなにもない田舎のファンタジー世界へ転生して14年ほど…。勇者になったりチート無双するかと思いきや、ほんとになにもなかった。まじで、なにもなく田舎のファンタジー漁村でお魚と戯れる日々。そんな一生を過ごすかと思っていました。


が!!!!とうとうきましたイベント!!!!!


納屋でロープを探していたら謎のアーティファクトを起動して光とともに美少女が召喚!!

なにこのイベント!すんごいんですけど!とうとうチート無双しますか!?勇者になっちゃうんですか僕!?


という期待感あふれる内心は置いておいて。とりあえず話しかけてみる。


「お、おーい」


召喚が終わって彫像のように佇む少女を見る。鮮やかなアクアブルーの長髪と雲よりも白く柔らかそうな肌。

いいもん食べてるねお嬢ちゃんってレベルじゃない。

すこし釣り目で中性的。可愛いともとれるし、綺麗ともとれるような顔立ちだった。

どんな性格なのか想像もつかなかった。

黒いローブに髪と同色の鮮やかな水色の装飾がついてる。

あまり居ないけど魔法使いってやつか?なんにしろ、普段使いの着こなしじゃないだろうし。胸のサイズは小さいのでもしかして男…?


「おわっ」


胸に気をとられている間にふと気がつくと、いつの間にか目を開いてた。

ちょっとビビッちまった。。


「お、おー「ここどこ?」


よく通る声だな。声量が大きいとかじゃないけど、なんというかカリスマを感じさせる声だ。


「イスタリカっていう漁村」


「ふーむ、知らん!しばらく世話になるのでよろしく!」


「うぇ?」


レスポンス迷いなさすぎるっていうか、こっちの方が状況掴めねぇ。なんだこい




ーーー




家の中に案内する事にした。この美少女から情報交換はしなきゃいけない。とりあえず椅子に座ってお茶でもどうぞとコップを渡した。

少女はコップをまじまじと見ている様だった。


「お茶だけど…この地方のは飲んだことは無い?イスタリカは知らないって言ってたけど国はわかる?クーシャンとかニドリアとかさ」


「わからん。思い出すのに時間がかかるのかもしれん。記憶が無い」


「なにそれ記憶喪失…てこと?」


「そうだ…」


暫し沈黙が流れる。

よく考えてみると、少女は落ち着いているものの日本でいう拉致に当たってもおかしくはない。今ズボンのポケットにこっそり入れた謎のアーティファクトが原因かはわからない。が、仮にそうなら責任はこちらにあるのでは?

やっべ。これやっべ。平和に生きてたけどお巡りさん案件じゃん。どうするべ…。


「責任…とってもらえるか?」


少女が不安そうな、泣きそうな声で言う。俯いて顔は見えない。

元々の可憐さもあってすごく悪い事をしてしまった気がする。記憶が無い以上、故郷に帰す手掛かりは乏しいがなんとかせねばなるまい。


「…わかった。当面の飯と寝床はうちを使ってくれ。できる限りの協力はする」


「その言葉待ってましたぁああ!よっしゃー!飯確保ぉ!ありがとございマース!」


いや、めっちゃ元気じゃねぇか。クネクネ変な動きしだしたし。なんの踊りだ。どういう生き物だこいつ。


「あー、ちょっと飯の調達や家事も手伝ってもらえたら助かるんだが…」


「気が向いたらで!責任とってくれるんでしょ?」


変なポーズしていい笑顔で言う。可愛い。

いや、困る。


「どうしても困る時は頼むぞ。今、家は1人だしお金も余裕がある訳じゃあないからな」


「ん?1人なのか?」


そうだ。つい最近まで親父が居たが、1ヶ月程前から姿が見えない。書き置きも無く、海が荒れていたわけでもないのでひょっこり戻ってはくるだろうけど、今は一人暮らしなわけである。


「親父が失踪中。それまでは二人だな」


「じゃあ、それまでは仮の許嫁になってあげようか?」


「はっ はぁ?」


「ふふ。フィアンセってやつ?お嫁さん候補?なってあげよっか?」


ニヤニヤなのかニコニコなのか微妙な感じだけど、こいつ弄んでやがる。男の純情なめんな。いや、今、好きな人居ないから別にいいのか?


「じゃあ、お願いしようかな。」


「うん」


そう言うやいなや、黒いローブを脱ぎ出した。純白の肌が露になっていく。局部は手で隠している。

ちょっと逆にからかってやろうと思ったら誤算である。

迷いなくスルスルと脱いだら、椅子に座って固まった俺に跨がるように座ってきた。妖艶さというか、怪しい魔の雰囲気すら感じる。

謎すぎる奇行もそうだ。どいうい教育をうけてるの!?ママから教わらなかったの!?お父さん悲しいよ!脳みそ壊れちゃうヨ。


少女が頭を俺の胸に預けて言った。


「on」


なにかの気配がする。大きななにか。なんなのかはわからないが、巨大なそれの手の上に握られたような感覚が。


「chant omission


flower-to-seed factor

Squid, Human, Majin, Connection, Disconnection, Regression


kin

Contract and Assignment


everything is underwater

everything is in our hands

I feel you Remember this feeling」


「英語…?」


「秘密」


元の雰囲気に戻った。一瞬だけ異世界転生したような気分だった。もう転生してるけど。

てきぱきと服を着ながら言った。


「あ、代わりの着替えとか家具の調達お願いね。じゃあ寝るね~」


どうやら親父のベッドを借りて寝るようだった。

ほんとに迷いねぇ。と、思っていたら戻ってきて少女が口を開いた。


「聞き忘れた。名前は?」


「俺はマオ。マオ・リーミンジー。そっちは?」


「名前忘れた!だから…うーん、フライカって呼んで?」


フライカ。よくわからんがよく似合ってると思った。


「いい名前だな。なんつーか、いいね」


我ながらあんまりな返しである。フライカはニカッと笑うとおやすみと言って早々にベッドで寝た。少し夜も遅くなったが同じく寝ることにした。




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