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貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?  作者: イコ
二学期編

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side女子大生 ー 6

【相馬蘭】



夏休みの終わり……私はやっと休みを取ることが出来た。



大学のキャンパスは授業が二か月ほど休みでないのだが、駅伝の練習やモデルの仕事でほとんど時間が取れなかった。


だけど、今日はヨルとお出かけすることが出来る。

ヨルの少しの時間だけだけど。約束できたんだ。



前に休んだときは、夏休みの最初に黒瀬兄妹と共に一緒にお出かけできたときだ。

あれが幻だったのではないかと思うほど久しぶりの休み。



それも、これもお盆にヨルからメッセージが送られてきたことが大きい。


今までは私の方から送ることが多かったメッセージ。


ヨルは、こちらが送ると返してくれる。


お盆前は忙しくて合宿所からメッセージを送れなかった。

このままどんどんメッセージが送れなくなって、関係も終わるのかと思っていたら、ヨルが送ってくれるようになったのだ。


しかも、お盆になって合宿から疲れて帰ってきた最初に見たメッセージは……



「ヌード!!!」



そこには綺麗な夜景と美しい露天風呂に入ったヨルの裸の姿だった。



帰ってきたのがわかっていたのかと言いたくなるほど、疲れ切った身体は一瞬で元気になって飛び起きた。



「ヌードダメ絶対!!!」



私は彼を叱るようにメッセージを送り、速攻で画像を永久保存した。


気分が高揚したせいで疲れが吹っ飛んだので、シャワーを浴びることにした。


合宿で随分と肌が焼けてしまった。


駅伝は好きだけど、モデルとの両立を考えるとこの一年でどちらに進むのか決めなければならない気がしてくる。



モデルの世界で勝負したい気持ちはある。



だけど、駅伝選手として活躍したい私もいる。



「ランさん、だから大丈夫です」



ヨルから送られてきたメッセージに気持ちが軽くなる。



私は私の夢がある。



どちらも両立できる間はどちらも頑張りたい。



「ねぇヨル。一緒にお出かけしない?」



自然に誘うことがで二人きりの二度目のデート。



ヨルの用事が終わった夜に待ち合わせして、一緒にある場所へ向かう。



「すいません。遅くなりました」


「いいのいいの。来てくれてありがとう。行こ」



今日の私はテンションアゲアゲなのだ。


少し暗い顔をして走ってきたヨルの腕に自分の腕を絡ませて歩き出す。


歩くと言ってもそれほど遠くはない。



「はい。これに着替えて」


「えっ?えっ?」



彼を更衣室に押し込んで、私は用意したとっておきの水着に着替える。


前も後ろも大事なところだけを隠しているだけのsexyなV字レオタード水着。


この日のために私は体を鍛えてきたんだ。


ヨルを虜にするために見せつけるんだ。



「あっあの。着替えてきました」



彼の表情はあまり良くない。

何か嫌なことがあったのだろう。


だからこそ今日は全力でヨルに過ごすんだ。


ナイトプールに現れたヨルは、黒いラッシュガードに白いビキニパンツ。


彼の鍛えあげられた太ももを見て息を飲む。



「ほっほら。今日は思う存分遊びましょう」



私が歩き出すと、ヨルの視線が私の背中やお尻に向けられるのを感じる。



「らっランさん?」


「どうしたの?行くわよ」



過激な水着を着ている私も恥ずかしい。

彼に顔が赤くなっているのを気づかれたくなくて、プールに飛び込んだ。



激しく動くだけでズレてしまう。



「ヨ~ル~こっちよ」



誰もいないからこそ、彼の全てをみたい。



気持ちを固めたヨルはラッシュガードを脱ぎ捨ててプールに飛び込んだ。



鍛え抜かれた男性の身体。


女性の中で身長が高い私が見上げる身長。


六つに分かれた腹筋が近づいてくる。



「ふぅ~気持ちいい」



目の前で水しぶきを上げて顔を上げるヨル。



「ハァ~」



うっとりと彼に見惚れてしまう。

髪をかき上げ、オールバックになるヨルはいつもよりも大人っぽくて……元々輪郭がハッキリとした大人っぽさがより強調されて、セクシーでダンディーな印象を与えてくる。



「ランさん。凄い綺麗ですね」



ドキッとしてしまう。ずっと陸上をして体は鍛えてきた。

モデルをするようになって顔や肌、髪なんかも手入れをしている。


全て頑張っている自身はあるけど。ヨルから直接言われるとヤバい。



「ほら」



ヨルに手を引かれて夜景が見える場所へと誘導される。



あっ、私のことじゃない?



「ランさんには負けますが、夜景も綺麗ですよ」



……もう……ズルい。



「バカね。えい」



私は近くにあった水鉄砲でヨルを攻撃する。

泡が出る水鉄砲は、ヨルが泡まみれで逃げていく。



私が追いかけると、ヨルは反転して私に近づいてきた。



「捕まえた」



ヨルが私を抱きしめる。



「もう、いたずらっ子ですね」



肌の面積以上に少ない水着姿で抱き合う私達。


ヨルは分かっているのだろうか?彼の大切な物が私のお腹に当たっている。


凄く熱くて我慢したくない。



「ヨル!」



私は気づいたら、ヨルに抱き着いて唇を重ねていた。


情熱的に彼を求めてしまう。


もう止めることはできない。



だって……ヨルは言ったもん。



「私なら大丈夫なんでしょ?」



驚いているヨルに私は笑いかける。



「いけない人ですね。ええ。ランさんなら大丈夫です。むしろ嬉しいです」



ナイトプールで二人きりのキスをもう一度……

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