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最終話 未来……

 暖かな日差しが差し込む部屋の中は柔らかな絨毯と多くの布団が引かれていた。


「チチ!!」「とう様!!「ちちうえ!」「とと」「とうさん」「とうちゃん」「おとうさん」「ダディー」


 可愛い娘達が目覚めた直後にタックルを決めてくる。


「おはようみんな。よく眠れたかい?」

「「「「「「「うん」」」」」」」


 仲良く返事をする愛する娘たちは、それぞれの母たちの血を色濃く受け継いでいる。

 息子ができないので、まだまだ子供を増やすつもりではいるけれど、子育てはこんなにも大変で楽しいものだと知らなかった。


「さぁ、学校の用意をしてきてご飯の用意をするからね」

「「「「「「はーい」」」」」」」



 かけていく娘達の世話を俺は一人で引き受けた。

 それは女性が働く世の中であるということもあるが、俺が選んだ道がこれだった。


 あの日……卒業式で結婚してほしいと皆に告白した日……俺はもう一つのお願いをした。


「俺は【邪神様】を引退する。それで……子供達を育てたいんだ」

「子育て?」

「ああ、ずっと考えてたんだ。俺はこの世界の常識を次の世代の子供たちに受け継がせないためには、男性が子育てをすることで女性が男性になれられるんじゃないかと思うんだ。その手初めてとして自分の子を俺が育てたいんだ」


 もちろん、子育てには母親の協力は不可欠だ。

 俺一人で全てが出来るなんて傲慢なことを言うつもりはない。

 だけど、男性が側にいて当たり前の子達になれば、男性たちに接する態度や行動は不慣れな物にはならないはずだ。


「チチ~行ってきますのチュ~は?」

「ああ、オデコにな」

「え~口にしてよ~」

「あ~ズルい。私も」

「私も」「私も」「私も」


 次々と列を作る娘達……よくお父さんのお嫁さんになるという子供の言葉があるが、娘は可愛いので本当に嫁に出したくない。

 だけど、この子たちは実験の第一段階なんだ。


 心を鬼にして……


「今日だけだならな」


 そういって一人一人にキスをする。


 ダメな父親だと笑うがいい。

 だけど、娘達は可愛いんだ。


 突き放すなんて絶対にできない。


「ハァ~うちはパパがいるからいいよね~」

「ほんとそれ。他の家にはパパいないんだって」

「らしいね~」


 娘たちの成長は早い。

 小学生になると、女性同士のコミニティーを作り出して情報交換を行っている。

 俺は気づいたことや娘達の発することを奥さんにも相談して娘たちの教育を行っている。


「それでさぁ~娘がパパのいない家の話をするんだよ」

「ヨルも完全に主夫だね」

「おう!子育て楽しいぞ」

「まぁ、料理とかはヨル得意だもんね」

「セイヤだった。タマちゃんを可愛がっているだろ?」


 セイヤの腕に抱かれる小さな赤ん坊はヒカリさんとの子供だ。


「うん。やっぱり自分の子は可愛いよ。それにヨルを見ているとボクも主夫になってもいいかなって思うようになったしね」

「おう。楽しいぞ。それに子供達が学校に行っている間はこうしてセイヤにも会えるし、ジムで鍛えることも出来るしな」

「はは、そういうのは特殊な主夫業だよね。普通は洗濯とか買い物に追われるもんだよ」

「セイヤは追われてるのか?」

「う~ん、うちも家政婦さんがいるからないかな。それに母さんが引退して色々手伝ってくれるしね」


 そうなのだ。主夫と言っても本当に娘達の相手をしているだけで、家事全般は義母さんたちが来てすませてしまう。

 タワーマンションを建てて都市開発で街を作ったことで、家族だけでなく、セイヤやキラ、友人達にも家を提供した。

 ヨウヘーや桃田などは音楽活動をする施設まで用意したら、すぐに引っ越してきた。


 今ではみんな家族のような暮らしが送れている。


 それと平行して、キラのような少年の保護団体を立ち上げて男性救済と女性の性教育の場を設けるようになった。


 不完全な生活環境からの脱却。


 そうして少しずつ世界から男性が減少しないような取り組みを行うようにした。


「未来を育てるか……ヨルはやっぱり変わっているね」

「そうか?ただ流れに身を任せるのが嫌なだけだ。なんせこの世界は俺が思っていた世界とは違い過ぎて、思うとおりにならないからな。それなら俺自身が変えて言ってやろうと思うだろ?」

「はは、そんなことを思うのはヨルだけだよ。でも、僕は高校のときに言ったでしょ。ヨルがしたいことを一緒にしようって、どこまでも手伝うつもりだよ」

「おう、セイヤは一番の親友だ」


 改めて握手を交わして俺たちは立ち上がる。


 ――― ガチャ!


 扉の開く音で、娘達の帰宅が知らされる。


「「「「「ただいま~~~」」」」


「ああ、おかえりみんな」


 俺が思っていた貞操概念逆転世界とは違う世界だけど……ここで俺は未来を作っていく。


 どうも、作者のイコです。


 本日をもって本編完結となります。


 今日まで長い話を読んで頂き本当にありがとうございました。


 皆様のおかげで今日を迎えることが出来たこと心から感謝しております。


 本当にありがとうございました!!!


 なろうコンテスト13にチャレンジ中ですので、応援いただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
完結お疲れ様でした。 とても楽しく読ませていただきましたが、もうこれで 終わりかと思うととても残念です。    素敵な作品を読ませていただいて有難うございました。
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