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貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?  作者: イコ
歪な世界編
154/223

入部要項

 歌手デビューを果たしてからも、男子応援団の部室で仲間たちと過ごす時間は大切にしている。



 二年生になっても、男子はクラス替えが無かったのでいつもの四人で部室に集まる。




「春休みが明けて久しぶりだな。四人で集まるのは」




 ハヤトが嬉しそうな表情で部室へ入ってくる。



 セイヤとはmainでやり取りしていて、ヨウヘーとは仕事の関係でよく会っていたので、久しぶりと言う感じはしないが、確かにハヤトに会うのは久しぶりだ。



 ハヤトはムッツリなので、教室ではあまり話をしたがらない。




「まぁそうだな」


「うん?みんな反応が悪いな」




 セイヤとヨウヘーは男子応援団のPV管理やセイヤの編集でヨウヘーのnewtubeをやり取りしているのでこちらもやり取りがあるようだ。



 そう思うとハヤトだけが、三人との繋がりがない。




「いや、そんなことはないぞ。それよりもハヤトは春休みをどう過ごしていたんだ?」



「俺は夏帆さんと色々行ってきたぞ。ヨルが付けてくれているボディーガードさんたちが守ってくれるから安心してデートすることも出来たしな」



「それはよかったな」




 元々、ムッツリスケベで女性を嫌いではないハヤトはではあるが、それでも好みは貞操概念逆転世界の男子特有の女性らしい丸みやボリュームがあるタイプよりも、スレンダーで小柄な女性を好む傾向にある。




「まっまぁ、カホさんは青葉高校でも男子人気ナンバー1だからな。お前たちが羨ましがる気持ちは分かる。分かるが嫉妬するなよ」




 何故かよかったと言っただけで勝ち誇られた。



「ハァー、ハヤトは相変わらずだね」



「そうだな。まぁハヤトの話はそれぐらいで、今年の活動について話をしようぜ」



「そうだね。それがいい」



 セイヤとヨウヘーがハヤトの話をバッサリと切り捨てて話を変える。


 ハヤトは二人の意見を聞き入れて大人しく話すをやめるが、少し寂しそうな顔をしていた。




「まず、議題としては新入生を迎えるかどうかだね」


「新入生?」


「一応、僕等は部活動として活動しているからね。新入生が入りたいと言えば断ることはできないよ」


「ふむ。じゃあ来る者は拒まずか?」



 俺が思案するように腕を組むと、ヨウヘーが手を上げる。



「俺は反対。今の居心地がいいのを壊されるとか嫌だし」


「そうだな。俺も新しい奴を入れるのはちょっとどうしていいかわからない」



 めんどくさがりのヨウヘー


 人見知りのハヤト



「う~ん。二人の言いたいことは分かるよ。じゃあ面接するっていうのはどうかな?」



「「面接???」」



 セイヤの提案に二人の声が揃う。



「うん。男子応援団だからね。募集要項は男子のみ。団員の面接の元。合格した者だけ入会を認めるって言うのはどう?」



 セイヤの提案に二人が思案するような顔を見せる。



「それは面白いな。確かに人の面倒を見るのは大変だし。ある程度、どんな奴なのかわかった上で付き合えるなら俺たちも楽だしな」



 俺が賛同すると、二人もしぶしぶと言った感じではあるが納得してくれた。



「それで?募集要項は他にもあるのか?」



 俺の問いかけにセイヤが思案するような顔をする。



「その辺はみんなで考えようよ。そうだね。僕としては編集ができれば嬉しいかな。手伝ってもらえるしね」


「俺は楽器が出来る奴だな。歌が出来る奴なら尚良し。俺の感性を刺激してくれる奴に出会えたら嬉しいとは思う」


「僕は本を読む奴がいい。話が出来るだろうからな」



 それぞれの趣味が合う相手を求めて要求をしていく。



「ヨルはどんな奴がいいの?」


「俺?」


「そうだぞ。男子応援団を作ったのはヨルなんだ。お前が一番要望をもっていいはずだろ」


「そうだな。いくら僕らが良くてもヨルが嫌なら不合格だ」



 こいつらは本当にいい奴らだ。


 好きかって言っているようでちゃんと俺のことも考えてくれている。



「ありがと。まぁみんなが気になる奴を面接でまとめて話し合うときに決めればいいさ」



「そうだね」


「おう」


「うん」



 どれだけの男子が来てくれるのかわからない現状で話し合っていても意味がない。


 むしろ、一人も入部したいと言う者がいなければ意味がない話なのだ。




「そうと決まれば、チラシを作るよ」



 セイヤが仕事を始めると、各々が過ごしやすいように好き勝手に動き出す。


 俺はそれぞれにお茶を入れ直して、スマホを立ち上げる。


 ヨウヘーはヘッドフォンを付けて作曲を始め。


 ハヤトは本を読みだした。



 スマホの画面には、彼女たちからの連絡が来ていたので、今日の男子応援団の新規募集についての話を投げかけて意見を求めることにした。



 すぐに既読が付いたのは、ツキとタエだった。



 タエは何かあったときのために常にスマホを見ているので確認が早い。



 ツキも放課後はモデルの仕事で早めに移動しているので、確認が早かったのだろう。



 二人からは……



 ツキ 「兄さんの求める方が来るといいですね」


 タエ 「護衛を増やす際は伝えておきます」



 タエの意見に、護衛のことなども考えなけれならないと新たな問題をセイヤに伝えたりとのんびりした時間を過ごした。

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