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貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?  作者: イコ
年越しから春へ編
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side名無し ー 《邪神様》現る

《名無し》



 街のど真ん中に突如現れた男性の巨大ポスター。



 黒いコートに紫の瞳が怪しい光を放ち。

 漆黒の髪と鍛え上げられた腹筋がコートの下から顔を出している。



 いったいどれだけの女性たちが心を射止められたことか……



 あれはヤバい!



 同日……貼られた小さなポスターは一夜で全てはぎとられた。



 それほどまでの破壊力を持つ男性は……数年ぶりだろう。



 男性アイドルは確かに存在するが、テレビで見ている男性たちは醜く太り傲慢無比な態度を悪びれた様子もなく披露する。


 それでも街中で男性を見ることが出来なくなった昨今……そんな男性でも目の保養になると自分に言い聞かせてきた。



 だけど……もうダメだ。



 禁断のポスターを私は手に入れてしまった。



 なんと美しい男性なのだろう……なんてエロくて……エロ本でしか見たことがない見た目をしているのだろう……



 私は三日三晩寝ることも忘れて過ごしてしまった。



 そして、ふと……気づいた。



 ポスターの右端……本当は目線を彼の顔や腹筋から逸らしたくない。


 それでも血の涙を流しながら、私はそこに書かれた文字を見た。




「ライブ配信?」




 私は自分で発した言葉に我が耳を疑う。




「彼が動く?」




 そんな奇跡があり得るのだろうか?

 これはマンガやアニメ?もしくはVTuberのアバターとかじゃなくて?



 私は日時へと視線を向ける。



 もしも、もしも……見逃していたら私は命を落とすかもしれない。



 そう思って見た日時は……



「今日?今日の18時!!!!!!」



 私がスマホの時計を確認すると、ライブ配信までの時間……30秒!



 私は人生で一番素早く動いた。



 それは光速を超えたのではないだろうか?



 スマホの画面でライブ配信をnewtubeを開き、大きな画面で見れるようにテレビをモニター代わりに使う。




「こんばんは~うん?これってあってるか?」




 私の目の前に実物の彼が画面に映し出される。



 ポスターで見た時は大人の余裕があるような表情を見せてエロティシズムが溢れていたが、実際に話をする彼は少し幼さを残している。



 思っていたよりも若いのだろうか?




「おっ、文字が流れてきた。合ってるよな?どうも、《邪神様》だ。よろしくな」



《邪神様》!!!あ~神様だったのですね。


 だから、これほどまでに美しく気高い存在なのですね。



「うわっ!凄いな。視聴者100万人超えてるぞ。まぁ宣伝の効果か?」



 不慣れな点が可愛い。



「これを見てくれてるってことは、宣伝で張り出された俺のポスターを見てくれたんだよな?ありがとな」



《邪神様》から感謝が!!!!



 私は気付けば投げ銭をしていた。



 魔法のカードの限度額が恨めしい!!!




「おいおい、凄い大金を投げ銭してくれるのは嬉しいけど。自分の生活を一番にしろよ。ライブ配信は今回だけで終わらないつもりだからな。ゆっくり話をしようぜ」




 私の心配までしてくれるの!しかも、これからも《邪神様》にお会いできる!!!




「今回は、俺が発売する曲の宣伝を兼ねたライブ配信なんだ。この配信が終わった後に、PV付きで流れるから楽しんでくれ。まだまだ不慣れだけどこれからよろしくな」



《邪神様》が歌を歌われる?!!!!???




 それは讃美歌でしょうか?今日から私はあなたに捧げる讃美歌を歌えばよろしいのでしょうか?




「あっ、そうだ。投げ銭はあんまりいらんけど。これから色々とイベントするからそん時は来てくれよな。


 そうだ。せっかくだから質問コーナーでもするか?


 さっきからコメント来てるからな。


 まずは、


 何歳ですか? 17歳だぜ。


 どこに住んでいますか? 邪神だから冥界?地獄?」



 設定だろうけど。


 定まってない。


 でも、それがいい!!!可愛すぎる!!!!



「ミュージシャンですか?う~ん。自分ではそのつもりはないんだけど。こうしてデビューさせてもらったから。ミュージシャンかな?本業は学生だよ」



 学生!!!DK《男子高生》




 ヤバッ鼻血出てきた。



 私、DK見るの初めてかも……学生時代は、周りに男子なんていなかったからなぁ~ああいうのって、お嬢様校とか……名門だけだからな。




「おっ結構時間経ってたな。じゃあ次の質問が最後で、えっと……彼女はいますか?」



「あ~こういうのはどうなのかな?普通に言っていいの?いい?なら、今のところ七人います。余はハーレム《邪神様》なりなんてな。これでいい?」




 ハーレム!!!



 男性の性欲は、一月に一度行為が出来るかどうかって聞くのに、七人?つまり毎日誰かと……羨ましい……てか、そんな男性実在するの?



 私は風〇にも行ったことはない。



 一生処女で過ごすと思っていた。



 だけど……もしも、《邪神様》がハーレムを望まれていて、私のことも抱いてくれるなら……



 抱かれたい。




「よし、今日はここまで。この後、曲が流れるから楽しんでくれよ。《邪神様》でした。おやすみ~」




 はっ!《邪神様》が私にお休みと言ってくれた。


 もうこれは付き合っていると言っても過言ではない。




 私が溢れんばかりのエネルギーをどうしようか悩んでいると曲が流れ始めた。




 骨で作られた椅子に座る《邪神様》



 紫の瞳で見つめられて、魂が引き寄せられる錯覚を覚える。



 そこからの4分間は私にとって……幸福と……新たな目覚めを呼び覚ますに十分な時間だった。




 私はすぐに特技であるデザイン業に取り掛かる。



 もちろん、ホームページを作るためだ。



 ホームページのタイトルは……《邪神様》 信者の集い……




 すぐにアクセス数がパンク寸前になりながら、私は必死にスレの整理を行う。




「管理者は私よ!《邪神様》の信者一号の座は譲らない!!!」




 誰が一号かで争う信者共を押しのけて、私が会員№1をゲットする。



 いや、彼女がすでに七人いると言っていた。



 ならば……私は思考を巡らせた。



 管理者……信者番号8番……



 最初は意味がわかっていなかった。


 信者共も、意味を理解して争い始めるがハンドルネームはすでに私が手に入れた。



 そう……私は《邪神様》の8番目の女



 そして、新たな管理者として《邪神様》を支える者!!!


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