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貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?  作者: イコ
年越しから春へ編

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 クリスマスはみんなで

 年末年始は全員が集まることが出来ないことがわかっていたので、クリスマスだけは全員で集まることにした。


 それはそれで大変なことになってしまった。


 みんなにどこでクリスマスを祝いたいかと聞くと、俺の家でクリスマスを祝いたいと言われたのだ。

 タエさんとツキに協力しもらって、クリスマスの飾り付けと食事の準備をした。



「兄さん。あとは着替えるだけです。

 本日のメインは兄さんですからね。こちらをお願いします」


「ハァーやっぱり着るの?」


「皆さんの希望を聞いた総合的な結果です」


「まぁ良いけど」



 俺は言われるがままに着替えに入る。


 少し着るのに手間取る衣装なので、タエさんがお客様のお出迎えをしてくれている。



「兄さん。出来ましたか?」


「いや、まだだよ。髪のセットがなかなか難しくて」


「手伝いましょうか?」


「頼める」


「はい」



 今日の俺はコスプレ?をさせられることが決まっている。


 テーマは《神》だそうだ。


 黒髪にウィックを付けて、長くなった髪は腰まである。


 さらにセットしてトゲトゲした花冠?を付けさせられた。

 黒いローブの背中がパックリと開いて羽根が生えている。

 ローブの長けは膝上で、ちょっとスカートっぽいので恥ずかしい。


 最初は着方が分かららなかったけど。


 とりあえずは着ることが出来た。



「にっ兄さん」


「うん?どうした?」


「これはヤバいですね」



 何故かツキが興奮して鏡に映る僕を見ていた。


 最近はトレーニングをサボっていたので、今日のためにパンプアップを頑張った。


 ローブというよりもワンピースのようなつくりをしている衣装から出ている肩や腕は、普通の時よりも二倍ぐらい太さを増した。



「私も着替えてきますので、5分ほどしたらリビングに来てください」


「わかった」



 何やら演出が決まっているそうで、ツキの合図で部屋を出ることになっている。


 しばらく待っていると、ツキが扉を叩く。



「兄さん。そろそろお願いします」


「はい」



 背中の黒い翼?が邪魔だな~と思いながら立ち上がって扉を開く。


 そこにはライダースーツに身を包んだツキが立っていた。


 頭には角がついて、小悪魔メイク?をしているので悪魔という設定なのかな?


 でも、どうしてクリスマスに悪魔なんだろう?



「暗くなっていますので、気を付けてください」



 言われて気づいたけど家中が真っ暗になっていた。

 窓が開いて月明かりは入ってきているけど、それでも暗い。



 階段を下りていくとスポットライトが当てられる。


 リビングへ続く階段が眩しく光、誰がどこにいるのか見えない。



 先導するツキに従って階段を歩いていくと、息を飲む音が聞こえてくる。



「こちらへ」



 案内されたのは窓際に用意された玉座?台の上に何やら豪華な椅子が用意されていた。



「出来れば肘を突いて偉そうな態度でいてください」



 耳元でツキに言われたとおりに、左肘を突いて少しつまらなさそうな顔をする。



 すると、ロウソクの明かりが灯って一人一人の顔がロウソク越しに浮かび上がる。



 それぞれコスプレしているようで、クリスマスじゃなくてハロウィンだなって思った。



「《邪神様》」



 誰かがそう呟くと全員のロウソクが灯される。


 七つの炎がユラユラと揺れる中で、七人の美しい女性たちの顔がこちらを見る。



 これは本当にクリスマスなのだろうか?サバト?悪魔を呼ぶ儀式と言われた方が納得してしまう。



「明かりを」



 俺は決まっていたセリフお告げると、ツキがリモコンで明かりをつける。



 明かりがつくと、なぜか全員が膝を折って持っていたロウソクの炎を消してしまう。



「これは……いい」



 一番近くにいたレイカさんは、赤茶髪のユルフワロングから金髪のドリルヘアーで中世ヨーロッパの貴族が来ていそうなドレスを身に纏って、恍惚とした表情で俺を見ている。



「あわあわわわわわ。ミステリアスイケメンだべ」



 一番遠いタエさんは、ミニスカポリスに身を包んで、目を白黒とさせている。



「《邪神様》が実在した」



 ツユちゃんは……幼稚園児の姿をしていた。似合い過ぎる。

 その姿でよくわからないことを言っている。



「あはは、雰囲気が凄いな」



 ランさんはスリットの入ったチャイナドレスを着て楽しそうに笑っていた。



「すっ凄いのです。胸が……」



 テルミさんは何かのキャラクターのパジャマ?を着て俺をガン見している。



「……本物」



 ユウナは、紐?で大事な部分を隠している痴女?



「今日は我主催のクリスマスパーティーである。存分に楽しむがいい」



 俺は決まっていたセリフを素気なく聞こえるように発する。



 どうして、こんなのがいいのかわからないが、クリスマスのプレゼント一位がこの衣装と態度だったので仕方ない。



「はい。我らが神よ。お慈悲を承ります」



 レイカさんがノリノリで近づいて俺の空いている右手を取って甲へキスをする。


 何故か列が出来て、順番に色々なところにキスをされて儀式?的なオープニングが終わりを告げた。



 そこからは演技を続けながら、料理を運んでくる女性たちからあ~んをされたり、ケーキを切り分けたり、プレゼントをもらったりなんだかイベントが目白押しだったが、なんだか楽しいクリスマスだった。


 ただ、ユウナだけは……



「ぷっプレゼントは私!」



 と迫ってきたが、他の女子たちに捕まっていた。


 どうやら紐はプレゼント用のリボンのつもりだったようだ。



 こんなに楽しいクリスマスは初めて過ごしたので、凄く思い出に残る一日だった。

どうも作者のイコです。


ファンタジー部門であくまで怠惰な悪役貴族という話を書いております。

応援いただければ嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
一瞬この話がファンタジー部門、怠惰、悪役貴族、のカテゴリーで登録されているの!? って思っちゃいましたぁ(#^^#)
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