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魔法が打ちたい人生だった。

作者: お犬様

愛にできることはまだあるかい

魔法が打ちたい人生だった。魔法少女が好きだった。


魔法が打ちたい人生だった。 将来の夢は魔法使い。


魔法が打ちたい人生だった。魔法系のゲームが好きだった。


魔法が打ちたい人生だった。 実際火の玉すら出なかった。


魔法が打ちたい人生だった。気付けばパソコン打っていた。


魔法が打ちたい人生だった。大人になっても好きだった。


魔法が打ちたい人生だった。家族ができて嬉しかった。


魔法が打ちたい人生だった。自分の子供も好きだった。


魔法が打ちたい人生だった。子供と一緒に楽しんだ。


魔法が打ちたい人生だった。 子供は成長していった。


魔法が打ちたい人生だった。 私はもう成長しなかった。


魔法が打ちたい人生だった。 魔法が打ちたい人生だった。


魔法が打ちたい人生だった。魔法が打てない人生だった。


魔法が打ちたい人生だった。魔法が打てたらどうなった。




魔法が打てたら、私は風魔法で避けられただろうか。


魔法が打てたら、炎魔法で吹っ飛ばしただろうか。


魔法が打てたら、回復魔法で助かったんじゃないか。


魔法が打ちたい人生だった。 子供と主人が泣いていた


魔法が打ちたい人生だった。世界を空から見下ろした。


魔法が打ちたい人生だった。 最期に打てた気がした。


魔法が打ちたい人生だった。2人ともどうかお元気で。


魔法が打てなくたって、それなりに幸せな人生だった。






次の世界では、魔法が打てる人生だった。


異世界の女神は微笑んだ。私はしっかり微笑み返した。


異世界の女神は問いかけた。どんな魔法が打ちたいか。


魔法が打ちたい人生だった。私は心が躍っていた。


魔法が打てる人生がきた。私はとても迷っていた。


魔法が打てる人生がきた。特大魔法もいいけれど。


補助魔法も捨て難い。 デバフ魔法もかけてみたい。


私は魔法を愛していた。 中々決めきれずにいた。


異世界の女神は微笑んだ。 私は微笑み返せなかった。


異世界の女神は問いかけた。 貴女は迷っているのかと。


私は女神に泣きついた どうすればいいか分からない。


異世界の女神は微笑んだ。もう答えは決まっていると。


私は偉く困惑した。 何の事だか分からない。


異世界の女神は微笑んだ。 確かに魔法も好きだけど。


異世界の女神は問いかけた。貴女は戻りたいのでしょう。


異世界の女神は微笑んだ。 確かに魔法も好きだけど。


異世界の女神は問いかけた。大事な人が居るのでしょう。


目から涙が溢れ出す。でも私はもう死んでしまった。


魔法が打ちたい人生だった。私はもう死んでしまった。


魔法が打てない世界だった。蘇生魔法はかけられない。


魔法が打ちたい人生だった。悪い人生ではなかった。


魔法が打ちたい人生だった。とても良い人生だった。


魔法が打てなくても良い人生だった。 戻りたい。


魔法が打ちたい人生だった。あの頃に戻りたい。


魔法が打ちたい人生だった。私を支えてくれていた。


魔法が打ちたい人生だった。彼らのところへ戻りたい。


異世界の女神は微笑んだ。ある方法を提案した。


魔法が打ちたい人生だった。貴女にとっておきの方法が。


異世界の女神は問いかけた。戻るか進むかの2択を。



私は即決した。魔法なんて打てなくていい。


魔法なんかより大切な事を教えてくれた。


彼らのもとへ戻りたい。彼らのもとへ、戻りたい。


異世界の女神は微笑んだ。私はしっかり微笑み返した。


私は女神に抱きついた。本当に本当にありがとう。


魔法が打ちたい人生だった。この世界に帰ってきた。


子供と主人が泣いていた。病院のベッドの上だった。


異世界の女神も悪いやつだ。勝手に生き返らせて大丈夫か。


病院の先生がやってきた。顎が外れそうだった。


顔を見て子供と主人は笑った。2人の顔を見て私は笑った。


魔法が打ちたい人生だった。魔法が打てない人生だった。


それでも私は構わない。魔法が打てないからと言って。


2人が消えるわけでもない。愛が薄れるわけでもない。


魔法が打ちたい人生だった。私は心が躍っていた。


魔法が打てなくたって、それなりに幸せな人生だった。








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